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鉄腕バーディー DECODE:02_第11話『Both Sides Now』感想 /テレビアニメ

  ネタバレありです。


一言結論:愛のカタチはいろいろ、どれも間違っていない。駄目なのはむしろ孤独


  ここにきて、前シリーズのあの人気キャラが帰ってきましたよ。
 そう、ゴメス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でなくて(いましたけど)、もちろん中杉さん。
 元気そうで何よりですが、現在こちらは取り込み中ですので・・・・・・
 ・・・・って彼女、ナタルの標的になったりとかしないですよね・・・・・

 それはともかく、前回でナタルの死は避けられないかと感じましたが、コレまだチャンスはあるんじゃない?と思えた回でした。
 カギはずばり『』ですよ! たとえ陳腐でもシンプルイズベスト、人を救うのは『愛』!!
 いい意味でも悪い意味でも最早これしかない!(前向きなのか後ろ向きなのか)

 もちろん、今回『愛』という単語がところどころ出てきたってだけが根拠じゃないですよ。
 今週は全体に、ナタル救済の為の伏線が散りばめられていたように感じたのです。
 たとえ本人が破滅の道を選んだって、その手を引いて償いの道へ進ませるのもヒーロー・ヒロインの役目ですよ。

 冒頭、つとむ君の学校の文化祭の風景。
 多くの人がみんなで楽しんでいるこの場面は、『孤独』の否定を表すシーンではないかと思います。
 『孤独』っていうのはおそらく『愛』と対極の概念と位置づけられているのではないでしょうか。
 親子愛・兄弟愛・恋愛など『愛』には様々なものがありますが、どれも『孤独』の中では生まれ得ない。
 『愛』は、それを向ける対象が無ければ発生しない感情です。(自己愛っていうのは例外的なものとして)

 そして、この情景の最後にクローズアップされるのが、カップルらしき男女のつながれた手。
 バーディーとナタルが手をつなぐシーンが何度か描かれてきたこの作品。
 きっとこの二人が手をつなぐ機会が、クライマックスに今一度くるはず。

 で、このタイミングで奥の手、前ヒロイン中杉さんがカムバック。
 彼女こそ、生存エンディングの体現者。ナタルが目指すべきは、やはりカペラより彼女のポジション。
 『愛』によって救われ『孤独』から脱したという状況も、現状に通じるものがあります。
 つとむ君は「もう過ぎたことだ〜」みたいに思っているようですが、彼女の記憶は失われたとしてもあの経験は確かにあったこと。
 それは残されたプリクラも、引きずりまくりのつとむ君も証明しています。
 更に、過去の出来事そして再会、というのもまたバーディーとナタルに重なる感じです。

 逆に敵側の逃亡犯たちは互いに裏切りあい、それぞれ『孤独』に。
 我が身かわいさにあっさり寝返るヴァリック。
 信頼していた部下に見限られ、殺されたガトール。
 そして、かつての命の恩人をためらわず手をかけたモス。
 主人公の行動は悪役とは一線を画すべし!
 ということで、バーディーはナタルを見捨てる事無く、救わねばならないのではないですかね。

 そして、ナタルが執拗に成し遂げようとする復讐の原点にも、この『孤独』が根ざしていた様子。
 リュンカによる大災害の中ただ独り生き残ったことで、彼は自分の『孤独』に気付いてしまった。
 ナタルの怒りは、親友を殺されたことに対してでも、大勢の人々を死に至らしめたことに対してでもなかったんですね。
 自分の中に眠っていた、他者とは異なるイクシオラの力。それを目覚めさせたことに対しての報復。
 『孤独』へと己を追い込んだ者たちが許せなかった。それが本当の動機なのではないでしょうか。

 身勝手な部分もありますけど、彼が傷つけたのは街一つ潰した犯罪者です。
 それ以外は一切傷つけてないし(自分を止めるかもしれないバーディーも含めて)、一応見境はある。
 やり方が残酷なゆえに、極悪人やら狂人やらに見えるのは否定しませんが。

 生まれ、調整を受けた場所も同じ。『孤独』が付いて回ることも。
 ナタルは本当に、バーディーの有り得たもう一つの可能性だったのだと思います。
 それだと幼い頃、バーディーの寂しさに気付けたのも納得がいきますね。

 ナタルの行動の原因が『孤独』なら、それを取り除けばいい。
 というわけで、バーディーなら『愛』で彼を救えるはず。
 ここは友愛でもいけるかと。
 「愛にはいろいろなカタチがある」と早宮さんの台詞にもあった。重要なのは『孤独』から開放することです。
 中杉さんとの恋愛経験を持つつとむ君もついてますので、恋愛ルートもありですし。

 過去エピソードを経て、愛情を求める子どもを完全に卒業したバーディー。
 ヴァイオリンが自分の望む『母親』でなかったとしても彼女への愛は確かだと気付いたわけで。
 バーディーは、誰かに『愛』を与えられるようになったと言っていいはず。

 極めつけに二心同体のバーディーとつとむ君は、孤独を否定しそれを打ち破るにはこれ以上無い存在。
 前シリーズのラスボス、リュンカもそれに敗れました。
 小説版を読むまで気付きませんでしたが、このリュンカの殺戮の源泉も『孤独』だったとのこと。
 まあそれは、総括ででも書くとして。

 とにかく結論としては、やっぱり『愛』!ってことなんだけど、そのバーディーのテンションは最悪。
 前回見たナタルの衝撃的な姿。そのショックから立ち直れてないです。
 捜査官としてナタルの逮捕が義務のバーディーは、どうにか自分を納得させようとしていますが。
 「今までの彼の姿は全部ウソだった」と思い込むことで、彼を逮捕できる精神状態になろうとしてます。

 でも中杉さんで似た体験のあるつとむ君には、そんなごまかしは通用しない。
 ナタルを信じたい、というバーディーの本心はわかっています。
 自分の責任と気持ちの狭間で悩むバーディーに、つとむ君が語ることは。
 あの時は中杉さんを救おうと無我夢中だっただけだという実体験。
 そしてバーディーにとって、やっぱりナタルは大切な存在だと指摘。

 「あの人は君にキスしたよ」という意味の言葉が印象的でした。
 バーディーに向けられていた好意は、おそらく本心だと伝えたかったのでしょうね。
 立場と気持ちが食い違うところは、バーディーもナタルも同じ。
 男同士と相棒。もしかしたら、つとむ君が一番バーディー・ナタル双方の気持ちがわかる立ち位置なのかも。
 
 室戸さんの部屋でナタルを見つけたバーディーは彼の傷を治療する。
 つとむ君と同じく義務より気持ちを優先したってことでしょうね。
 責任をきちんと取る覚悟があるなら、作品テーマにも反しないのでは。
 結局ナタルは去ってしまうのですが、ここでの話し合いが彼の『孤独』に気付くためなら、無駄にはならないはず。

 そして投降してきたヴァリックの証言で目指す場所が判明、いよいよクライマックスへ。
 肉弾戦+核のモスが割り込んでくるのは必至。
 というわけでバーディーとナタルは早めにわかりあわないと、なんかまた街がえらいことになりそうです。
 そういや増援が来るとか先週言ってましたけど、今回その詳細はわかりませんでしたね。

 それにしても今回、ゴメス・『レビ様』・早宮さんと須藤くんの関係・『宇宙人の末裔』・室戸さんに更に疑惑を抱かせる、等今後の伏線らしきものが多数出てきたのですが。
 これ、最終回までに全部回収するんですか?
 つとむ君と中杉さんの再会イベントもあるはずなのに。
 ほんとに三期とかOVAとか続編が決まったんじゃないかと勘ぐりたくなるばらまきっぷりですが、まあ今はともかくこのシリーズの結末を見届けることを考えましょう。

 では今回はこれで。



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1. 鉄腕バーディーDECODE:02 第11話「BOTH SIDES NOW」  [ とーきんぐ・しょっぷ ]   2009年03月30日 23:43
博士「儂達の嫁キタ━━━(゚∀゚)━━━!」助手「誰がお前達のだwww」...
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