ようやく始まった第3シリーズ。今シリーズの感想は、先を知らない状態で書いていくことになります。
　1年、待ちに待った第1話、なのですが・・・・・正直、今回の時点で明らかになった情報だけでの考察は非常に困難です。そんなわけで、今回の時点の予想の精度は自分でも微妙かなーと(笑)。
　まあ、わからないということで自由に予想ができそうですが。

　今回の情報をまとめると「謎の少女レイツェルと某国大統領のエニグマがカイトたちに喧嘩を売ってきた！　キーパーソンは真方ジン！」って感じですかねー。一文で終わりました(笑)。
　レイツェルやエニグマの行動理由は「ジンがそう望んでいたから」「パズラーが世界に災いをもたらすから」という言葉に表れていますが、正直、これだけでは何とも・・・
　この作品のキャラは、言ってることが当てにならない人が多いですし・・・・(笑)。
　初回は、第1・第2シリーズの復習も盛り込みつつ、新展開の方向を示す・・・そんな役割の回なのではないかと思います。

　さて。ここからは、現時点での私の考える、第3シリーズの今後の予想です。
　確証は無いのに長々書いてしまいました(笑)。

　以前にも感想で何度か書いていますが、この【ファイ・ブレイン】という作品は、ファイ・ブレインの『子ども』であるカイトが『大人』になっていく物語だと思うのです。
　大人たちに押し付けられた未来を拒んで、自らの将来をカイト自身が決めたのが、第1シリーズ。
　自分の行動の結果から逃げず、その行動の責任を果たしたのが、第2シリーズ。
　そして第3シリーズは、カイトは『社会』と向き合い、その中で自分の立ち位置を考えていくことになるのかなーと予想してみました。

　エニグマの『大統領』という肩書きからは、『社会』というものを強く感じます。
　カイトたちも『称号』という肩書きを持っていますが、これはあくまで学園内で通用する言わば内輪の呼び名であって、一般の社会で通じるものでは無いでしょう。
　カイトたちとの力の差は歴然。エニグマは『強敵』として、申し分ない存在感を得ています。

　これまでのシリーズにも、一般の社会でも大きな影響力を持つ敵キャラクターは存在しました。
　1期は世界的な組織であるPOGの管理官・ルーク。2期は、レーベンヘルツ財団の長でもあったクロンダイク。
　しかし彼らはどちらも、社会的な側面をあまり見せて来なかったと思います。

　1期のルークは組織のトップの側面よりも『カイトの幼馴染』としての一面の方にスポットが当たっていました(メタな言い方になりますが、『管理官』の肩書きは、カイトと同年代のルークが組織内で自由に行動できるようにするため必要な『設定』だったのではないかと)。
　2期のクロンダイクは、一般社会での『ルートヴィヒ・レーベンヘルツ』の顔と、秘密結社オルペウス・オーダーの『クロンダイク』の名前を使い分けていた人物でした。そしてファイ・ブレインの子どもたちが戦ったのはあくまで『クロンダイク』でした(カイトらがレーベンヘルツ財団を目にする機会はついぞ無かった)。
　その二人と違い、エニグマは『社会人』として堂々と勝負を挑んできた。新シリーズの敵役として、そのあたりが新しいのではないかと思うんです。

　レイツェルとの会話に出てきた『契約』という言葉も、学生より社会人が使うことの多い言葉ですね。
　態度の悪い子どもでも契約相手として対等に向き合うあたり、エニグマさんは社会のルールを蔑ろにしない人なのかなーと思います。
　・・・・ただまあ、本当に真っ当な社会人は子どもの背中に花火を取り付けさせたりはしないので(笑)、彼にもいろいろ秘めた思惑があるのでしょう。
　彼がジンと交わしたものは、『契約』ではなく『盟約』だそうで・・・・その単語の違いが何を意味しているのかも気になるところです。

　大統領・契約・賞金――今回のシリーズで思わせぶりに出てきた単語からは、どれも『社会』あってのものと感じます(『賞金』については、フーダニットさんが活躍するだろう次週以後に書こうかと)。
　――そんなわけで。
　1期と2期は、(パズルが好きな)少年たちが目の前の相手とどう心を通わせるか・・・という比較的『狭い』世界の物語だったのが、この3期はもっと『広い』社会とどう向き合っていくか、という物語になる・・・のかもしれないなーという推測に至ったのでした。

　ここまで、ほぼエニグマの話でしたが、もう一人の新キャラクター・レイツェルについても触れてみます。
　雑な扱いを受けても笑顔で流す『大人』なエニグマさんとは対照的に、彼女の言動には幼さが見られます。
　ジンに跳びついたり、「ヒントはあげなーい」とカイトたちを挑発する言葉も、いかにも子どもっぽい(笑)。
　ただ、大統領のエニグマをして『契約』を交わすに足る相手と考えたようですし、本当に幼稚な考えしかない『子ども』とは言い難いようにも思います。

　彼女は、ブローチは自分のものだから返してほしい、とジンに要求しました。あれは、ジンの様子を見定めるための行動ではないかと思います。
　あのブローチは、【賢者のパズル】を解いた者に与えられる【財】です。元々レイツェルの所持品だったからと言って「返せ」という要求は、ギヴァーとしてはルール違反ではないかと。
　けれど今のジンは、言われるがままにレイツェルにブローチを返してしまった。
　この時の反応で、現在のジンがパズラーでないことをレイツェルは確かめたのではないでしょうか。

　どこまでが本性なのかはわかりませんが、奔放な子どものように振る舞うレイツェル。それに対して、常に大人の余裕を崩さない・・・やはり、本心を隠しているのかもしれないエニグマ。
　双方ジンとの接点があり協力関係を築くに至ったようですが、あまりに性質の違うこの二人、何時までも足並みを揃えていられるものなのでしょうか。

　今回カイトが解いた色のパズルにもありましたが、個々では鮮やかな色でも、混ぜていくと濁って黒くなっていくものです。
　この二人にも、同じようなことが起こるのではないか。
　それとも、混ざった結果濁ってしまったからこそ、「パズラーの殲滅」なんて極論に走ってしまったのか。
　現時点では何の確証もありませんが、そんなことを思いました。

　――さて(二度目)。
　今回の記事では、自分の想像力をフルに使って3期の今後を自分なりに予想してみたわけですが・・・くどいようですが、当たるかどうかはまだわかりません。
　というか、予想通りになってほしい気持ちも、私の予想なんて飛び越えて欲しい気持ちも両方あります(笑)。
　全ては次回以後。長くなりすぎるからと今回省いた文章があるのですが、果たしてそれらは次週を見ても書けるのか(流石に外してたら無かったことにしようかと・・・)。
　いろんな意味で、今後の展開をドキドキしながら待っています。



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