2012年11月26日
ファイ・ブレイン 〜神のパズル _第1シリーズ 7話『ノノハの称号』感想 / テレビアニメシリーズ
ネタバレありますので、以下は続きから。
1話から登場していたノノハが中心の回。
といっても、ギャモン君やキューちゃんの登場の回と同じくカイトの人間性もきっちり描かれていると思いました。
カイトと真逆の性質を持つと言っても過言ではないノノハは、対比するのにうってつけの存在ですしねー。
カイトら天才テラスのメンバーとノノハで一番違って見える点は、彼女にはいろいろな特技があるところだと思います。
運動神経を活かして球技から格闘技までスポーツ全般をこなし、完全な記憶力もあって勉強もできる。しかも、人気もあるということは、人間関係もうまくやれているということでしょう。
ここまで優秀なのにPOGから全く特別視されてないのは、普通に考えれば全くパズルができないからなのでしょうが、彼女の性格面にも一因があるようにも思えます。
部活の助っ人を数多く請け負うことから、ノノハが社交的で、他者の為に力を尽くすことを厭わない気質の持ち主であることが伺えます。
この性情は、(この時点での)POGの天才像――すなわちファイ・ブレイン像とは大幅に異なるところです。それこそ、パズルの素養を抜きにしても不適格の烙印を押されかねないくらいに。
POGの考えでは、ファイ・ブレインとは人間を神の領域まで引き上げる唯一無二の存在。常人とは次元の違う選ばれた人間なんですよ。それが、みんなと仲良くして世話を焼いて・・・なんてありえないわけです。
そんなことに使う暇と力があれば、上(神の書)を目指すべきだと考えている節もあります。むしろファイ・ブレインは世話を焼かれる側・・・・・あれ、ビショップさんはあくまで側近で世話係ではなかったっけか?(笑)
ともかく、ノノハは能力だけでなく性格でもファイ・ブレインとは相容れないんですね。まあ、カイトの様子からしてもこのファイ・ブレイン像はあくまでPOG(というかピタゴラス伯爵)の想像の産物みたいですが。
そんな、リーダーよりサポーターの役目を担うことの多いノノハだからこそ、マドカさんへの言葉に重みがあると思うんですよね。
「どこ行ったの、子どもたちのマドカさんは!」とか「マドカさんはずっとマドカさんのままでいて、子どもたちのために」とか。
教師とか医者とか・・・あとは政治家もかな?そういったサポートする側の人間が、生徒とか患者とか国民――サポートされる側のことをより自分の都合を優先したら本末転倒だと思うんですよね。
で、この作品の中でそれをもっともわかっているのがノノハなんだと思います。ギャモンくんは・・・ミハルちゃんへの行き過ぎた干渉で嫌がられていたので。・・・中二に「あーん」は無い(笑)。
話が逸れたので戻しますと。
それから、子どもたちを巻き込んで暴走してしまったマドカさんですが、彼女は何も自分のためだけにああいうことをしたというわけではないと思うんですよね。本人は、亡き恋人のために行動していたつもりだったのでしょう。
生きていれば他にしてあげられることがあったはずですが、既に亡き人にできることとなると、彼女にはあれしか思い浮かばなかった。
でも子どもたちが楽しそうにパズルを解いて。それは、パズルを作った亡きマサルさんの暖かさのおかげなんだってカイトの言葉があって。
そこまでいけば、彼女に暴走する理由は無くなるので、もう自身でブレーキをかけて止まれる。
おそらくマドカさんは、マサルさんのために行動することで自分自身を支えていたという側面もあるのでしょう。でも、子どもを危険にさらすことが彼の望みでないことが示された時点で終わりにできた。
それはやはり彼女が(道を踏み外しかけたとはいえ)真にサポーターであった証明だと思うのです。
ファイ・ブレインの作品世界は、誰にも真似できない、無二の才能を花開かせた天才がもてはやされる傾向にあります。彼らが余計なことを気にせず自由にできるよう、周囲が便宜をはかるのが常。
そんな世界においては、他者を支える役割やそれに従事する人々(世話役・補佐役)は、一段低いものとして見られているのではないですかね。オルペウス・オーダーの様子から見ても、世話係がいるということは一種のステータスシンボルなのかもしれません。
でも、自分主体の生き方にも、他者の補佐に徹する生き方にも、本当は上下なんて無くて。補佐役は、その補佐する相手にちゃんと必要とされている。天才としてかしずかれることはなくても、それは確かに幸せな生き方だと思います。
そんなことを、園児たちにクレヨンを渡されるマドカさんの姿から思いました(一方「みんなが天才になれば幸せになれるんだ!」と主張する一団がオルペウス・オーダー)。
開き直って二期の話をしちゃいますと、「恋人の夢を継ぐのは悪いことじゃない。でも、マドカさんはマドカさんのままでいて。子どもたちのために」ってノノハのセリフは未来の彼女自身にも言えることですよね。
カイトやみんなの力になりたいという、ノノハの気持ちは尊いものだけど、彼女は彼女のままで良いのです。何も不安になることなんてなかった。
このあたり、エレナはともかくノノハはわかってないっぽいので、また悩むことがあるのかもしれませんね。その時、今度はマドカさんがノノハにノノハらしさを思い出させてあげる展開とか来たら滾ります。だってカイトたちには期待できないし・・・・(酷)
名前が出たことですし、カイトのコミュニケーション能力についても触れておきます。
今までの記事で色々書いたように、他者とのコミュニケーション手段の一番手にパズルを持ってくるのが、大門カイトなんです(笑)。
そのパズル方面の感受性の強さはすさまじいものの、それ以外のコミュニケーション手段を用いた場合は・・・・・かなりダメです(酷)。及第点には程遠いですよ。
ノノハを気遣っているのはわかるんですけど、「手紙は見せられない」一辺倒って・・・・もうちょっとうまいやり方はありませんかね・・・? それであの世話焼きの自称お目付け役が納得するわけないでしょうに(笑)。
パズルにおいて受け手側のソルヴァーであるためか、カイトはコミュニケーションでも受け身に回りがちなんですよね。本当に追い込まれないと、自分からは行動を起こさない。
それは、二期でのジンの放置っぷりを見れば明らかですよ(笑)。確かに医者ではないカイトにジンを治せはしませんが、それでも見舞いにくらい行ってはどうかと。ノノハが積極的に世話を焼かなかったら、彼女との縁も切れていたでしょうね。
一方のノノハは、もちろんパズルでのコミュニケーションなんてせず、言葉での意思疎通が基本です。
「手紙を見せない」と言われて、まずはカイトの意思を尊重して引き下がります。ですが、しばらく考えてみた結果、(理由は自覚できないけれど)それは受け入れられないと再交渉。
・・・・・うん、カイトに比べると段違いに真っ当なコミュニケーションではないかと思われます(笑)。
コミュニケーションがパズル主体であるカイトは、クロンダイクやホイストのようにパズルをしかけてこない相手とはなかなか良い関係を構築できないんですよね(ミハルちゃんは、ギャモンの身内で元々好意的というアドバンテージが存在しています)。
だから仮にノノハとカイトの関係に大きくひびが入った場合、今のカイトでは関係の修復は望めないでしょう。彼はパズル以外は不器用なので。
ノノハの方からカイトらの土俵(パズル)に上がることは不可能だと、二期ではっきり示されてしまっている以上、カイトが合わせるしかないのですが・・・現状ではそれは難しいでしょう。
もしかして、ノノハは敵に回すと一番厄介な人間かもしれませんね・・・・二期では彼女の堕ち展開を予想する声も聞こえましたが、もういっそヒロインからラスボスに転向したらおもしろいのではないかと(笑)。
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□第3シリーズ 25話『生きているのがムチャクチャ楽しい』感想(前編)
□第3シリーズ 24話『欠けていても』感想
□第3シリーズ 23話『ふたりで!』感想
□第3シリーズ 22話『だから、君が迷うな』感想
□第3シリーズ 21話『カイト、君の負けだ』感想
□第3シリーズ 20話『星100個のジンに乾杯』感想
□第3シリーズ 19話『見ててくれたから』感想
□第3シリーズ 18話『私、パズルが解けなくてもいい』
□第3シリーズ 17話『ファイ・ブレインとなれ』感想へ
□第3シリーズ 16話『旅が終わる』感想へ
□第3シリーズ 15話『おなかいっぱいの世界をつくりたいの』感想へ
□第3シリーズ 14話『あのころの僕たちなら』感想へ
□第3シリーズ 13話『こいつは底が浅すぎる』感想へ
□第3シリーズ 12話『などと言うと思ったか?』感想へ
□第3シリーズ 11話『今、誰かを思ってた』感想へ
□第3シリーズ 10話『本当の夢は何だ?』感想へ
□第3シリーズ 9話『行きましょう、あの場所へ』感想へ
□第3シリーズ 8話『永遠にさようなら』感想へ
□第3シリーズ 7話『あなたもお花いかが?』感想へ
□第3シリーズ 6話『レイレイはネコ友』感想へ
□第3シリーズ 5話『そんな気がする』感想へ
□第3シリーズ 4話『おいしいものを食べればだいたいのことは解決する』感想へ
□第3シリーズ 3話『それでも俺は信じる』感想へ
□第3シリーズ 2話『君は何も知らない』感想へ
□第3シリーズ 1話『レイツェル…』感想へ
■番外『もっともっと神のパズル スペシャル』感想へ
○第2シリーズ 25話『無限のパズルを解き放て!』感想へ
○第2シリーズ 24話『閉じた世界』感想へ
○第2シリーズ 23話『神の誤算』感想へ
○第2シリーズ 22話『盤上の支配者』感想へ
○第2シリーズ 21話『悲しき道化師』感想へ
○第2シリーズ 20話『愚者のパズル再び』感想へ
○第2シリーズ 19話『覚醒』感想へ
○第2シリーズ 18話『その男、ヘルベルトにつき』感想へ
○第2シリーズ 17話『ピノクルの覚悟』感想へ
○第2シリーズ 16話『憎しみの欠片(ピース)』感想へ
○第2シリーズ 15話『つぐない』感想へ
○第2シリーズ 14話『帰ってきた悪魔』感想へ
○第2シリーズ 13話『禁断の果実』感想へ
○第2シリーズ 12話『ミノタウロスの誘惑』感想へ
○第2シリーズ 11話『ノノハだって解きたい!』感想へ
○第2シリーズ 10話『パズルタイムが始まらない!』感想へ
○第2シリーズ 9話『笑顔の真実』感想へ
○第2シリーズ 8話『ほわわんをあげたい』感想へ
○第2シリーズ 7話『約束』感想へ
○第2シリーズ 6話『決闘はパズルの調べ』感想へ
○第2シリーズ 5話『迷えるガリレオ』感想へ
○第2シリーズ 4話『騎士たちの夜』感想へ
○第2シリーズ 3話『ぺろりんぽろりんのワナ』感想へ
○第2シリーズ 2話『心の闇』感想へ
○第2シリーズ 1話『オルペウス・オーダー』感想へ
●第1シリーズ 25話『パズルタイムの始まりだ!』感想へ
●第1シリーズ 24話『永遠の存在』感想へ
●第1シリーズ 23話『残された選択肢』感想へ
●第1シリーズ 22話『志を継ぐもの』感想へ
●第1シリーズ 21話『光る涙』感想へ
●第1シリーズ 20話『加速する挑戦者』感想へ
●第1シリーズ 19話『裏切りの証明』感想へ
●第1シリーズ 18話『光への反逆』感想へ
●第1シリーズ 17話『真実』感想へ
●第1シリーズ 16話『断罪の迷宮(ラビリンス)』感想へ
●第1シリーズ 15話『蒼(あお)い太陽、緋(あか)い月』感想へ
●第1シリーズ 14話『友情の資格』感想へ
●第1シリーズ 13話『決別の塔』感想へ
●第1シリーズ 12話『再会のパズルタイム』感想へ
●第1シリーズ 11話『女王様の逆襲』感想へ
●第1シリーズ 10話『女王の国へようこそ』感想へ
●第1シリーズ 9話『落ちたリンゴと道の続き』感想へ
●第1シリーズ 8話『カニ!温泉!パズル王!』感想へ
●第1シリーズ 7話『ノノハの称号』感想へ
●第1シリーズ 6話『光への復活』感想へ
●第1シリーズ 5話『悪夢からの招待状』感想へ
●第1シリーズ 4話『密室の少女』感想へ
●第1シリーズ 3話『天才少年の憂鬱』感想へ
●第1シリーズ 2話『賢者の報酬』感想へ
●第1シリーズ 1話『迷宮にひそむ契約』感想へ
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といっても、ギャモン君やキューちゃんの登場の回と同じくカイトの人間性もきっちり描かれていると思いました。
カイトと真逆の性質を持つと言っても過言ではないノノハは、対比するのにうってつけの存在ですしねー。
カイトら天才テラスのメンバーとノノハで一番違って見える点は、彼女にはいろいろな特技があるところだと思います。
運動神経を活かして球技から格闘技までスポーツ全般をこなし、完全な記憶力もあって勉強もできる。しかも、人気もあるということは、人間関係もうまくやれているということでしょう。
ここまで優秀なのにPOGから全く特別視されてないのは、普通に考えれば全くパズルができないからなのでしょうが、彼女の性格面にも一因があるようにも思えます。
部活の助っ人を数多く請け負うことから、ノノハが社交的で、他者の為に力を尽くすことを厭わない気質の持ち主であることが伺えます。
この性情は、(この時点での)POGの天才像――すなわちファイ・ブレイン像とは大幅に異なるところです。それこそ、パズルの素養を抜きにしても不適格の烙印を押されかねないくらいに。
POGの考えでは、ファイ・ブレインとは人間を神の領域まで引き上げる唯一無二の存在。常人とは次元の違う選ばれた人間なんですよ。それが、みんなと仲良くして世話を焼いて・・・なんてありえないわけです。
そんなことに使う暇と力があれば、上(神の書)を目指すべきだと考えている節もあります。むしろファイ・ブレインは世話を焼かれる側・・・・・あれ、ビショップさんはあくまで側近で世話係ではなかったっけか?(笑)
ともかく、ノノハは能力だけでなく性格でもファイ・ブレインとは相容れないんですね。まあ、カイトの様子からしてもこのファイ・ブレイン像はあくまでPOG(というかピタゴラス伯爵)の想像の産物みたいですが。
そんな、リーダーよりサポーターの役目を担うことの多いノノハだからこそ、マドカさんへの言葉に重みがあると思うんですよね。
「どこ行ったの、子どもたちのマドカさんは!」とか「マドカさんはずっとマドカさんのままでいて、子どもたちのために」とか。
教師とか医者とか・・・あとは政治家もかな?そういったサポートする側の人間が、生徒とか患者とか国民――サポートされる側のことをより自分の都合を優先したら本末転倒だと思うんですよね。
で、この作品の中でそれをもっともわかっているのがノノハなんだと思います。ギャモンくんは・・・ミハルちゃんへの行き過ぎた干渉で嫌がられていたので。・・・中二に「あーん」は無い(笑)。
話が逸れたので戻しますと。
それから、子どもたちを巻き込んで暴走してしまったマドカさんですが、彼女は何も自分のためだけにああいうことをしたというわけではないと思うんですよね。本人は、亡き恋人のために行動していたつもりだったのでしょう。
生きていれば他にしてあげられることがあったはずですが、既に亡き人にできることとなると、彼女にはあれしか思い浮かばなかった。
でも子どもたちが楽しそうにパズルを解いて。それは、パズルを作った亡きマサルさんの暖かさのおかげなんだってカイトの言葉があって。
そこまでいけば、彼女に暴走する理由は無くなるので、もう自身でブレーキをかけて止まれる。
おそらくマドカさんは、マサルさんのために行動することで自分自身を支えていたという側面もあるのでしょう。でも、子どもを危険にさらすことが彼の望みでないことが示された時点で終わりにできた。
それはやはり彼女が(道を踏み外しかけたとはいえ)真にサポーターであった証明だと思うのです。
ファイ・ブレインの作品世界は、誰にも真似できない、無二の才能を花開かせた天才がもてはやされる傾向にあります。彼らが余計なことを気にせず自由にできるよう、周囲が便宜をはかるのが常。
そんな世界においては、他者を支える役割やそれに従事する人々(世話役・補佐役)は、一段低いものとして見られているのではないですかね。オルペウス・オーダーの様子から見ても、世話係がいるということは一種のステータスシンボルなのかもしれません。
でも、自分主体の生き方にも、他者の補佐に徹する生き方にも、本当は上下なんて無くて。補佐役は、その補佐する相手にちゃんと必要とされている。天才としてかしずかれることはなくても、それは確かに幸せな生き方だと思います。
そんなことを、園児たちにクレヨンを渡されるマドカさんの姿から思いました(一方「みんなが天才になれば幸せになれるんだ!」と主張する一団がオルペウス・オーダー)。
開き直って二期の話をしちゃいますと、「恋人の夢を継ぐのは悪いことじゃない。でも、マドカさんはマドカさんのままでいて。子どもたちのために」ってノノハのセリフは未来の彼女自身にも言えることですよね。
カイトやみんなの力になりたいという、ノノハの気持ちは尊いものだけど、彼女は彼女のままで良いのです。何も不安になることなんてなかった。
このあたり、エレナはともかくノノハはわかってないっぽいので、また悩むことがあるのかもしれませんね。その時、今度はマドカさんがノノハにノノハらしさを思い出させてあげる展開とか来たら滾ります。だってカイトたちには期待できないし・・・・(酷)
名前が出たことですし、カイトのコミュニケーション能力についても触れておきます。
今までの記事で色々書いたように、他者とのコミュニケーション手段の一番手にパズルを持ってくるのが、大門カイトなんです(笑)。
そのパズル方面の感受性の強さはすさまじいものの、それ以外のコミュニケーション手段を用いた場合は・・・・・かなりダメです(酷)。及第点には程遠いですよ。
ノノハを気遣っているのはわかるんですけど、「手紙は見せられない」一辺倒って・・・・もうちょっとうまいやり方はありませんかね・・・? それであの世話焼きの自称お目付け役が納得するわけないでしょうに(笑)。
パズルにおいて受け手側のソルヴァーであるためか、カイトはコミュニケーションでも受け身に回りがちなんですよね。本当に追い込まれないと、自分からは行動を起こさない。
それは、二期でのジンの放置っぷりを見れば明らかですよ(笑)。確かに医者ではないカイトにジンを治せはしませんが、それでも見舞いにくらい行ってはどうかと。ノノハが積極的に世話を焼かなかったら、彼女との縁も切れていたでしょうね。
一方のノノハは、もちろんパズルでのコミュニケーションなんてせず、言葉での意思疎通が基本です。
「手紙を見せない」と言われて、まずはカイトの意思を尊重して引き下がります。ですが、しばらく考えてみた結果、(理由は自覚できないけれど)それは受け入れられないと再交渉。
・・・・・うん、カイトに比べると段違いに真っ当なコミュニケーションではないかと思われます(笑)。
コミュニケーションがパズル主体であるカイトは、クロンダイクやホイストのようにパズルをしかけてこない相手とはなかなか良い関係を構築できないんですよね(ミハルちゃんは、ギャモンの身内で元々好意的というアドバンテージが存在しています)。
だから仮にノノハとカイトの関係に大きくひびが入った場合、今のカイトでは関係の修復は望めないでしょう。彼はパズル以外は不器用なので。
ノノハの方からカイトらの土俵(パズル)に上がることは不可能だと、二期ではっきり示されてしまっている以上、カイトが合わせるしかないのですが・・・現状ではそれは難しいでしょう。
もしかして、ノノハは敵に回すと一番厄介な人間かもしれませんね・・・・二期では彼女の堕ち展開を予想する声も聞こえましたが、もういっそヒロインからラスボスに転向したらおもしろいのではないかと(笑)。
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□第3シリーズ 25話『生きているのがムチャクチャ楽しい』感想(前編)
□第3シリーズ 24話『欠けていても』感想
□第3シリーズ 23話『ふたりで!』感想
□第3シリーズ 22話『だから、君が迷うな』感想
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