STAR DRIVER 輝きのタクト_第25話(最終回)『僕たちのアプリボワゼ』感想 / テレビアニメ
一言結論:描かれたのは、彼らの、青春。そのゴールは、まだ遥か彼方!
熱く、爽快で、最高! そんな最終回、そして作品でした!
いやー、半年間ずっと感想を書いてきたもので、終わった後なにやら燃え尽きかけてしまいまして(笑)、建て直してる間にまたずいぶん感想が遅れてしまいました。まあ、遅いのはいつものことですが(笑)。
前置きはこのくらいで、本編感想に行きますー。
1)それでも尚、やりたいことを
ヘッドは倒れ、ザメクはスガタとともに封印されていく。ここで、やりたいことをやってくれたタクトたちに心が震えました。
三人が取った行動。あれは、本当に『やりたいこと』だったと思います。大切な誰かを救うだろうことだけれど、でも何より、自分自身がやりたいことだった。
彼らの選択はどこかしらに問題を抱えていて。おそらく万人の理解は得られなかった。
それでもやると決めた。他の誰でもない、自分の意思で(三人とも、あとの二人に前もって明かさなかった)。
スガタの、自分を犠牲にしたザメクの封印。ワコは自由になるし、タクトは彼女をずっと守ってくれるだろう。けれど、皆悲しむ。二人だけでなく、ケイトさんやタイガーさん、ジャガーさんも。
タクトは、スガタを助けるためにワコの封印を解いた。これは、ひとつ間違えば地球が滅ぶ危険な賭け。共闘を果たした綺羅星にも「何をする!」と非難される行為だった。
ワコはタクトが出るだろう行動を予期しつつも、彼を止めはしなかった。ずっと島の掟を守り続け、ミズノやスガタやケイトをたしなめてきた四方の巫女の筆頭たる彼女。にも関わらずタクトの行動を認め、「行っけぇぇぇっ!」とその背を押した。
誰もが認める正しい選択ではないと、きっと三人ともわかっていた。敵側に付いたスガタはもちろん、ワコを黙って見据えたタクトも、タクトの意図を察して驚き眉をひそめたワコも。
事の重大さを自覚したうえで、それでも、三人はやりたいことを貫いた。そんな彼らだからこそ、このハッピーエンドを迎えられたのだと思います。
「もし失敗してたら・・・」なんて、そんなのは野暮!(笑) そして見事にやってのけた彼らには、心からの賞賛と祝福を送りたいと思います。
正直、ザメクが沈んでいったあたりは「もう時間無いよね・・・あとはエピローグでしんみり締めるくらいしか尺は残ってないよね」とか思ってましたよ自分(笑)。
で、結果、エピローグ一切無し! でも、スガタが助かるためなら仕方無い、と納得です(笑)。
しかし、この終わり方に関することは次の項目へ持ち越しー。
2)未だ、来ず。そして定まらぬが故に
で、まあ後日談的なものは無かったわけですよ。
正直、見たかった! すごく・・・!(心の叫び)。でも、描かない理由がわかってしまうんですよ。にくいねコノヤロウ!(落ち着いてください)
その理由っていうのは単純な話で。要するに、エピローグと言いますか後日談なんてものはまだ存在しないってことなのではないかと。
だって、彼らの青春は未だ終わることなく継続中なんだから。
ワコがタクトとスガタを選ばないのも、この状況だからこそ、でしょうね。
青春はまだ途中なので、それも有りだと思います。ケイトの意見に同意していたことからして、最終的には選ぶつもりなのでしょうし(そこで選ばないとソラさんみたいになってしまうでしょうが、決断する強さは持っていると思います)。
あとタクトとスガタじゃ無理も無いかなぁ・・・とも(笑)。実感が湧かないので共感はできませんが、すごく悩むことだけはわかる(笑)。
いかん、話が逸れた。
ゼロ時間どころか地球さえ飛び出した先の「すごい空」、でもそのうえで「僕たちはこれから、これとは違うもっとすごい空をきっと見るさ」と言えるタクトは本当に素敵ですな!
彼が叫び続けた「僕には見えている」。タクトに見えていたものは、大雑把な単語で言うと『未来』や『希望』。具体的な光景としては「三人一緒にもっとすごい空を見ている僕(自分)たち」だったのではないかなーと思います。
未来に希望を見出せず、過去に囚われたヘッドには見えないもの。そして、目には見えず、心で見るしかないとてもとても大切なもの。
まだ見ぬすごいものが、これからの人生には待っている。彼らの青春はまだこれから! となればエピローグなんて早すぎるわけですよねー・・・・わかったよ、諦めれば良いんだろー(拗ねるな)。
理由はわかるんだ、むしろ描かないことにこれほど説得力のあるケースは見たことが無いくらいです。
しかしやっぱり、感情的には納得しがたいんですよねー。何せスタドラには、魅力的なキャラが多かった。
・・・というところで、これもまた次の項目に持ち越しー。
3)タクトがやったこと、やらなかったこと
スタドラは主要人物だけでなく、脇役(敵役)にも魅力的なキャラクター達が盛り沢山で。彼らの立場ごとの役割を、考えてみようかと。
この『輝きのタクト』の物語においては、タクトワコスガタの青春が中心。そういうわけで、主人公たち三人は青春の謳歌に専念していました。
だからタクトは、綺羅星との戦いにさほど積極的ではなく、戦いを挑まれたら受けるだけ。1話の廃坑跡に乗り込みもしなければ、ミドリ先生ら正体がわかった団員を問い詰めもしない。
やりたいこと一つを、ひたむきに。この姿勢があればこそ、ラストのタクトの行動もすんなり理解できます。
ただ、そのスタンスだとメイン――青春以外の部分はあまり描けないんですよね。事実、過去は16話で描かれたのみ、それにヘッドとの親子関係も淡白。
タクトは父親のことは、一発殴った時点で終わってたと思うんですよ。もうそれ以上、何をするつもりも無かった。
なのにヘッドは、スガタごとザメクを乗っ取るだの人類が滅びようと過去をやり直すだの、自分たち三人の青春の謳歌の前に立ち塞がる。だから「何してくれてんだ」と更に一発ぶん殴ったって、きっとそれだけ(笑)。
それに、自分らの青春からわき目も振らないタクトは、他人の事情にはどうしても疎くなってしまう(恋愛面での彼の鈍感さも頷けます)。
物語が始まって以後、気多の巫女が語ったり、妹を守ろうとマンティコールが奮戦したり、バニシングエージがクーデターを起こしたり、色々あった。
しかし、タクトはその辺りにはほぼ絡まないんですよね。気多の巫女とは接点が無く、マリノの事情と努力も知らず、父親が己が野心を果たすべく何をしてたかもノータッチ。
目的外(でもストーリー上は重要な部分)をここまで放っておいて許される主人公というのも珍しい(笑)。
それから、タクトがしなかったのが、挫折と敗北。
やりたいことをやるべきことが一致し、世界の声を聞いていた――輝いていたタクトは最後まで負けることなく勝ち続けた。
そんな(今は)成功者であるタクトの目線では描けないものがあって。それが敗者やくすぶっている人間――輝いていない人の世界。でも輝いている人間をしっかり描くためには、輝けない人間の描写は必須。
その大事な役目を担ってくれたのが、敵役なのにどこか憎めない綺羅星のメンバーだったのでしょう。
彼らは毎回それぞれの事情で(これもタクトたちではフォーカスできない要素が盛り込んであったと思います)綺羅星のドライバーはタウバーンに挑み、敗れていった。彼らはタクトの影響を受け、ヘッドとの戦いで見事に輝く。
既に輝いているタクトは変化や成長に向かないポジションなので、その辺りは綺羅星側に割り振られたのでしょうな(とは言えタクトは彼らを変えようなんてことは思ってなくて、だからヘッドやバニシングエージのドライバーに働きかけることもなく、彼らは変わらなかった)。
それと、眩しすぎて(笑)共感しにくいタクトたち(ワコもスガタも生まれが特殊)の代わりに感情移入できるキャラとして綺羅星は配置されていたのではないかなーと。バリエーションが豊富なのもそのためなのでは。
そして親しみを感じさせるキャラを綺羅星側に担当してもらった、そのおかげで、タクトたちの気持ちをあまり視聴者に明かさずに話が進められたのかな、と思います。
ヒロインの本音が聞けたのなんて、最終回のラスト5分ですよ!(笑) そこまでずーっと温存してきたわけで。
つまり最後のあのモノローグは、タクトへの『告白』なのではないかと!(笑)
今までずっと胸にしまいこんでいた想い、巫女の掟だけでなく、一般常識とか社会通念も飛び越えた赤裸々な気持ちを表明したわけですから。ちゃんとヒロインされてましたよ、ワコは、ええ(何)。
ワコが自分の気持ちを現した(おそらくあの語りはモノローグなのでしょうが)のは、封印が解かれたのと対応しているんですよね。それまで、彼女は頑ななまでに本心を明かさなった。
冗談めかしたり、とぼけてみたり・・・無意識では、お腹が鳴ったり、砂糖を入れまくったり、傍らの副部長をおびえさせたり。妄想が皆に筒抜けだったのもわかる気がします。想いを口に出さないワコの考えは、周りが読み取らないことには外に出ようがないのです。
・・・あれ、いつの間にか、またワコの話に(笑)。
話を戻して。そんな理由で、綺羅星側はたっぷり描写されることになって。それも後日談が見たいという感情を増大させた、と(笑)。
4)好きな絵
ザメクをスガタが封印しようとするところ、タクトの顔の三本の傷のうち一本が半分くらい髪で隠れていて。
三人組の一人が欠けようとしている状況と重なるという、そこが好きです。
あと、ザメクの巨大な王の柱に飲み込まれるタウバーンにヘッドが「一面の青い闇の中で、自分の居場所も進む方向もわからぬまま、砕け散るがいい」と言い放つシーン。
その時タクトを支えた、指針となった記憶が、赤い夕焼けの中でスガタとワコと三人で並んでいた時の記憶というのが! もう、胸にこみ上げるものがあってやばかった・・・
高まり赤熱する力が、青い現実を貫く! 画としても熱くて良いなぁ・・・
1話の感想で、タクトを表す一文字は『放』『貫』『流』のどれかになるんじゃないかと予想したのですが、最後まで見て、『貫』だと思いました。まっすぐ貫いてくれましたよ彼は!
さて。全25話、感想書き切りましたっ!
遅れまくったけど、自分、頑張った! TBまとめて送りすぎて、ライブドアブログに弾かれスパム配信者と認識されたのではないかと不安になるくらいに!(笑)
しかしそれももちろん本編が楽しかったからこそで。1話からずっと、番組を見るのも感想を書くのも・・・二次創作するのも(個人の事情)、楽しかったです。この作品に出会えて良かったと、心から思います。
制作に関わった全ての方々に感謝! ひとまずゆっくり休まれて、それから今後の展開(DVDとかまだまだありますし)をまた頑張ってくださいませ。楽しみにさせていただきます。
アメブロの方も当分スタドラのネタは続きそうです。公式が終わったことで、妄想のたがが外れました(笑)。
どれから書こうか迷うくらいなので、アンケート設置とか考えています。本気で(笑)。
それでは、お付き合いくださいました皆様も、ありがとうございましたー!(礼)
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