最終回一話前･･･の割に主にスガタくんとかケイト嬢とかヘッド氏について書いてます。主人公とヒロインはどうしたー？(笑)



１）幕引き役は不可欠なのか？

　終わり無き永遠を望む、ヘッドとケイトさんが身を置く綺羅星十字団。前回のラストで、その玉座についたスガタ。
　けれど、彼の望みは『永遠』では無いように思います。彼が為そうとしているのは、それとは真逆の、終幕ではないかと。
　ワコの巫女の宿命に、仲良し三人組の日々に、スガタは自らの手で引導を渡そうとしている。
　役割を与えられたことは、必ずしも不幸ではない。そう思えるようになったことは、きっと前進なのでしょう。
　ただ、無理やり終わらせようとすることは、少し違うんじゃないかな･･･と。だってその姿勢は、謳歌してないから。
　終わらない祭は無く、幕なんてものは勝手に下りる。だから、楽しむことに全てをかけて良いだろうに。

　それに、「明日のために」という理由で今日を大切にできない人間は、翌日になればまた同じようにその日(前日にとっての明日)を無下に扱うのではないかと。
　そりゃあ、大事な未来のために備えることは悪くない。でも、未来は現在の先にあるもの。現在を同じくらい大切にしないと。
　仲良し三人で過ごせることは、当たり前などではないのだから。
　要するに、もっと青春を謳歌しろよ！と。

　それにスガタは、もっと自分のことも大切にしないといけないと思うんですよ。
　彼が目覚めなくなったあの時、ワコは泣き、それまで輝いていたタクトの顔が曇った。いざとなれば殺す役目を担うはずのメイドたちも悲しみ、敵組織の中にさえ唇を噛む者たちがいた。
　それを思うと、彼の決断は納得いかないかなー･･･。たとえメタ思考ではずっと「最終的にはタクトと戦うんだろうなぁ」と思っていたとしても！(台無し)


２）ひが日死の巫女の軌跡

　弱冠15歳にして、一世代上のヘッドを利用せんとするしたたかさはまさに女狐。
　綺羅星十字団第３隊代表イヴローニュにして、ひが日死の巫女。歌って踊れる委員長とは彼女のこと！(余計な枕詞が)

　あの年であの貫禄はすごいなぁ･･･と思っていましたが、今回でその理由に少し合点がいきました。
　ケイトさんが今まで仮面越しに対面してきた相手は皆、彼女自身の似姿と言える存在だったのではないか、と思ったんですよ。
　永遠を求める同類。故に、表向き、ヘッドに合わせてやってこれた。
　同じ献身的な生き方のマンティコール(マリノ)は、どう出るかおおよそ想像がつく。なら泳がせ、悠々眺めていることもできる。
　恋心を胸に秘めたタイガーを操ることなど造作もない。その気持ちは誰よりわかるから。

　逆にそれの以外の面子とは、大事な時は仮面ではなく素顔で対面していたケイトさんです。
　どこまでも反りの合わない頭取(人妻さん)、幼なじみとの仲を今も維持するスカーレットキス(寮長)、目先の欲望に素直すぎるプロフェッサー・グリーン、激情に突き動かされ暴走したオンディーヌ、自己保身が最優先のキャメルスター。
　･･･こうして振り返ってみると、ケイトさんの「綺羅星！」での素顔確認の頻度が群を抜いていることがわかります(笑)。他はソードスターとマンティコールくらいなんじゃ･･･
　まあ、それはともかく。はっきりとした自覚は無いまでも、自身と共通する部分があったからこそ、ケイトさんはああまで余裕を持って接することができたのではないでしょうか。


３）信じて掴み取れ、明るい日と書いて『明日』！

「私に、永遠をください」

　ダメよケイトさん、その単語はヤバいフラグーっ！(悲鳴)
　永遠･･･イッツァ・エターナル(なぜ英語)。それは人間を魅了して止まないもの。
　しかし『永遠』と一口に言っても、大きく二つ分かれると思うのです。ひとつは不老不死、そしてもうひとつは時間停止。
　前者を望む多くは、死の恐怖に直面した人々。ヘッドもケイトさんもこれには当てはまりと思われます(片方なんて今は実現してますし)。
　つまり、二人が願っているのは後者。そしてそを願う理由は、未来に希望が見い出せないから。
　心情的には「今日のこの空は今日しか見られないんだよね」といった時のワコに近いと思います。けれど彼らの傍には「大丈夫。僕たちはこれから、これとは違う、もっとすごい空をきっと見るさ」と言ってくれるタクトはいない。
　そんな彼らは、明るい未来がやってくるとは信じられない。だからこそ、幸せな過去(ヘッド)や今(ケイト)が永遠となることを願ってしまうのでしょう。
　これから先に、今よりもっとすごいものがある。そう思えたなら、『永遠』なんて無用の長物、必死に求めたりはしないでしょうに。

　永遠に囚われたケイト、幕引きへと突き進むスガタ。
　形は違えどきっと二人とも誤りがあって、だから互いを正せず救えず、双方そのまま進んでゆく。ここにあともう一人いたら、違ったのでしょうか。

　坊っちゃまの「ケイト」と「君も生き延びてくれ」の間に入る言葉は「僕だけでなく」じゃなく「タクトとワコだけでなく」なのかもしれなくて、それが怖い･･･。自分自身が生き延びるつもりはあるのかな････。
　ケイトも「あたしは何があっても平気だから」って、それ答えになってない･･･頷けないってことか････？　シルシが光ってる以上、あの呪文は単なるおまじないじゃないっぽくて、それがまた嫌な感じ･･･
　自分よりも大切な人を優先するところは似ている二人････まあ、それ故ケイトの「あなたは本当のあなたに」が空回っている感はありますが。坊っちゃまは、本当の自分よりもワコとタクトを優先しそうです。

　もうケイトさんの行く末が、不安でしょうがないですよ。どうも彼女、腹をくくってしまわれたようですし。
　まあ、あそこでちゅーされようもんなら、そら突っ走るわなぁ(笑)。１０年越しの想いが届いたわけです、たとえ先に待つのが奈落だろうとラストスパートかけますって！　部室で調合するまでもなく、自前のアドレナリンで「さあ、上げてこうかぁっ！」ってなる！(笑)
　坊っちゃま･･･ケイトさんに生き延びてほしいなら、あそこはかわさないと･･･。いや、あの状況ではああするしかないって感じですけど、そこはイケメン力を極限まで振り絞って！(無茶な)

　スガタくんはトキオソラリョウスケのリョウスケさんの立ち位置かと思いきや、ケイトさんがトキオのポジションに収まったことでソラさんの役目を担うことになってしまわれました。坊っちゃま、まさかのヒロイン化です(笑)。
　まあ、ヒーローの要救助対象って意味では正しいのかもしれませんが。でもそれだと準ヒロインはヘッドさん？　ワコ様は･･･いざとなったら自力でどうにかできそうですし！(ある意味失礼)
　でも１話を見返したら、海外で幼いスガタを助けたケイトは、タクトを人工呼吸で助けたワコに似てるな･･･と。
　ゼロ時間に入る前のタクトとワコが歩くシーンも１話冒頭のスガタとワコのシーンを思い出します。しかし、流星によってタクトとワコの間に境界線が引かれたところで時間停止って･･･不吉な。


　さて、次回は遂に最終回･･･正直、もう1話あると思っていたので画面前で固まりました(笑)。
　満を持してヒロインのタイトルコールが！　と思ったらえらくネガティブな発言でしたっ！　映像もすごくバッドエンド･･･むしろ全滅エンドさえ思わせるほど。しかし総力戦は望むところなのですが！
　まあ、敵がどう出ようと、我らが銀河美少年ツナシ・タクトならきっと大丈夫だと信じることにします。
　それに、ヘッドさんが調子に乗ってるのは敗北フラグ！(酷)　･･･てな具合に己の本分を貫きつつ勝利に貢献した彼の命ばかりはどうかお助けくだい･･･(どんな助命嘆願)。

　気になるポイントはまだ色々。
　タクト母、そして去っていった巫女たち･･･あとついでにコウとマドカは島へ戻るのか？
　ワコが当番巫女として歌う時間はあるのか？　タクトとワコは、芝居でも人工呼吸でもなくキスできるのか？
　スガタとケイトさんは生き延びれるのか？　メイドさんたちの出番はこれで終わり？　エントロピープルは？
　ここにきて再登場してくれたイシノ先生の小豆ジャージの由来は？！(流石にそれは尺が･･･)

　今回「アプリボワゼ！」で終わってしまった･･･「颯爽登場！」は次回アタマに持ち越しかなぁ･･･最後だから飛ばさないで欲しい。でも、飛ばした、と見せかけてラストに持ってくるのは有りだと思います！
　楽しみすぎて怖いくらいです･･･あと一時間･･･


○劇場版『スタードライバー THE MOVIE』感想へ

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