STAR DRIVER 輝きのタクト_第18話『ケイトの朝と夜』感想 / テレビアニメ
一言結論:内緒の副作用
ネタバレありますので、以下は続きから。
ケイトさんがとんでもない急発進で一気に全開でした。担当2話目からとばしておられる・・・(笑)
よく仮面付けたよな・・・とか、このヒト歌ってくれるかな?なんて自分の読みが甘かったです。余裕でしたね!
それにしても、初登場の2話から17話まで、2部相当かけて築き上げたイメージがこっぱみじんに・・・。身体張ってるなぁ・・・(笑)。
しかしヘッド敗退で可能性が増してきたラスボス化フラグを身を削ってへし折ったと思います! これでハッピーエンドに一歩近づきましたよ、だからその・・・ガンバれ?(なぜ疑問系)
それはともかく今回は、4話などで描かれてきた「何もかも開かれていないとダメなのか、閉じているのはいけないのか」という話ついての掘り下げエピソードだと思いました。
中でも情報面寄りだったかな、と。秘密・内緒・隠し事 =『開かれていない情報』は良くないもの?ってあたりが焦点だったような。
それで「いや、そんなこともない」ってことを描くため、秘密の共有により仲が深まる、という事象があちこちに配置されていたのかなー。
まず最初に、既にけっこう仲良くなってた(敵同士・・・)タクトたちが、打ち明け花火で遊んでより親密になる。
ワコはルリちゃんの休み時間の秘密の会瀬を目撃し、話題にのぼらせる。それが、恋愛という重大な話題へのとっかかりになる。
ここでワコがからかえるのは、二人が親しい仲だから。逆に、そこまで馴染んでいないケイトに「昨日のことだけど・・・」と言われたタクトは、余計なことは言わず「誰にも言わない」とだけ返す。
こういうところは本当カッコよくて、さすがに銀河美少年を名乗るだけのことはある・・・。鈍いのも許せる気がしてきた! 誰にだって欠点はあるよね!(手のひら返し過ぎ)
ここで手を打ち間違わなかったことで、秘密を知ったタクトと知られたケイトさんの仲が深まっていく、というわけですな。
ケイトさんはスガタが好きっぽいし、電機柩が無いから戦闘をしかけることもない。当番巫女(勝手な命名)なのにタクトに絡む理由が無さそうで、どうなるのかなーと思っていたら・・・すごく納得してしまいました。
これは自然と心の距離が縮まるわー。いわゆる、秘密の共有、だものなぁ・・・
秘密の共有には、2パターンあると思うんですよ。
まずひとつは、告白方式。すなわち、自分の意思で秘密を明かす。
皆には内緒にしていることを、打ち明けられる。それは「あなたを信じています」と言っているようなもので、距離が縮まるのは自明の理。
もうひとつは、事故(笑)。今回みたいに、内緒にするつもりだったことを、何かの拍子に知ってしまう。
この場合、信頼の入る余地は無いわけですが、それでも親近感を抱かせることは可能だと思います。
秘密・内緒・隠し事。言い方は色々あるわけだけれど、つまりは公にされていない情報。
そうした、皆が知らない情報を持っている自分は、その他大勢よりも相手(秘密を持っている人)に近い存在となるわけで。それはまあ、ある種、親近感を感じさせ得る状況だと思うのです。
また、人間同士が親密になれば、自然、相手のことを良く知ることになる。これを反対になぞっても、多少は効果が得られると思うんですよね。
相手を色々知ると、それだけで(一方的にですが)心の距離が近づいていく。
これが、今回のタクトとケイトさんの間、そしてケイトさんと視聴者の間で起こった。視聴者もタクトとシンクロしたというか(笑)。
ケイトさん(イヴローニュ)の情報は、今までほとんどが伏せられてきた。
彼女は感情を表に出すことが少なく、銀河美少年に対してほとんどアクションを起こさない(動きがあれば、そのやり口から彼女の狙いなどを推測したりできるのですが、それが無い)。
更に、彼女は力を示してきた。それは単純な戦闘力ではなく、他者の心の隙を巧みにつき、自分の都合の良い行動をさせる(タイガーやミズノへの働きかけ)という方法で。
力ずくではなく、他人の行動を操作する。それは並大抵のことではないわけで。そんなことのできる彼女は何者だってことになるのですよ。
しかし、彼女の情報はほとんど無い。故にとりあえず、『得体の知れない存在』『侮れない女』という認識がなされ、警戒レベルが上げられる。
そんな状況が、今回で一変。実家(家族も含む)というプライベート情報、口では色々言いつつ、本当は歌うのが好きという素顔。
それらを見てしまったことで、彼女に対する心の距離が一気に近づいたわけです。タクトだけでなく、視聴者も(笑)。
内緒にしていること・秘密。それは、他者と自分を隔てる壁とも言えるものですが、うまく使えば人間関係を前進させることもできる、と。
実際、昔は歌が好きだった ⇒ 実は今も好き、という事実を把握したことで、「委員長は今もスガタが好きなんじゃ・・・?」とタクトは察したわけで。あの鈍いタクトが!(失敬)
理由は他にもあるけれど、このように秘密や隠し事は悪いばかりでもない。だからあっても良いじゃないか、と、そういう路線なんだと思います。この作品は。
秘密を全て無くすなんて、おそらく不可能ですしね。誰にだって人には言いたくないこともあるし、プライバシーは守られるべき。
大っぴらにできないってことはやましいことがあるのでは・・・なんて勘ぐりもできますが、でもなんでもかんでも暴きたてるのは、ちょっと乱暴ではないかと。
誰しも人には言えない秘密を持っている。それはそれで良い。主人公のタクトはそういうスタンスなんですよね。開放的に見える割に。
自分のことはほとんど話さない、綺羅星と確定したミドリ先生やタカシを学校で問い質すこともしない。打ち明け花火も一人負け(笑)。
だから、ケイトさんの秘密も守ってくれる。笑わずにいてくれる・・・流石に固まりはしたけれど、それはまあ・・・仕方ない(笑)。
そのご褒美に、委員長ルートへの布石をゲットです。まだフラグとまではいかないでしょうが・・・あと2、3話後くらいに「意外だったけど素敵だった」とか言えば立つんじゃないかなぁ、フラグ・・・(超適当)
まあ、ケイトさんの話はこのくらいにして。
『秘密』というのはケイトさん周りだけでなく、世界に隠されたサイバディにも当てはまる。
そして、サイバディをゼロ時間の外に出そうと動いている綺羅星はこの秘密を公開しようとしている・・・というのが現状。
綺羅星十字団って、物理的な拘束(閉じている)をしばしば行う割に、情報的には開放(開かれた)に向かって進んでいるんですよねー。
情報は公開しても、使用となると独占しそうな気配はありますけど。世界を自分たちのものにする気らしいので。
けれど、隊ごとに思惑がばらばらなのは当初から描かれてきたこの組織。だから、秘密の公表を全員が望んでいるわけでもない、と。
コウとマドカの人柄に触れたプロフェッサー・グリーンは「私もつまんない君になっちゃったかな」と内心苦笑しつつも「こいつら外に出すのは不味くないか?」と危機感を抱く。
まあ、彼女は断じてつまんない君では無いと思いますがね(笑)。貴女は生きてるだけで十分おもしろいですよ、更に上を目指さなくて大丈夫ですから!
それに、実はすごく常識人だった頭取も、秘密否定派ではない。
サイバディを有効活用しよう、なんて積極的に秘密を暴こうとしているわけではなかった。「もう隠してはおけない。だったら危険を避けるためには管理しておかないと」という理由から綺羅星に協力している人でした。
彼女もまた、秘密の公表自体を目的にはしていない。
フィラメントの面々も、コウとマドカは気に食わないご様子。裏の顔には気づいていないかもしれないけど、とりあえず本能的に反りは合わないっぽい(笑)。
となると、サイバディの秘密を明かす気まんまんなのは、ヘッド率いるバニシングエージだけなのかな。まあ、この一団も足並みそろってないのは前回見たとおりですが。
バニシングエージのスタードライバー・・・綺羅星の銀河美少年は、電気柩無しでサイバディを動かせるから、戦闘中も仮面を外さなくて良くなった。
己の生き死にを賭けた場面でさえ、素顔(=本音)がのぞくことがない、っていうのがまた悪役的だなぁ・・・・
そんなところで、今回は終わり。ニチ母スタードライバー説とか、どうでも良い余談はtwitterに回すしますが、メインキャラのスガタとワコについてくらいは書こうかな。
「(タクトとスガタの)どっちかに決めてるの?」とルリちゃんに聞かれた時、真面目な顔のワコがちゃんと映っていて「おおっ・・・」となりました(笑)。だって今までは冗談っぽく返すとか、顔がカメラフレーム外になるアングルとかばかりだった印象なので・・・
ヒロインもじょじょに真剣に恋愛に向き合うようになってきたわけだ・・・。
しかし、許されぬ恋を胸に秘めたタイガーさんと同調しているあたりまだまだ道半ば。タイガーさんはケイトさんに利用された人だっていうことが、嫌な伏線だったりしないと良いけど・・・
あとスガタくんの「自分が識別できれば十分だ」っていうのは孤独化フラグのような気がするなぁ・・・。
ってあたりで今回の感想は終わりです。
そういえば、記事の下のほうに今までの話数へのリンクを貼るようにしてみたり。
それではー。
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