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STAR DRIVER 輝きのタクト_第15話『封印の巫女』感想 / テレビアニメ

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一言結論:行きたいところにしか行かない、だから彼女はいつだって楽しくいられた


 ネタバレありますので、以下は続きから。





 何というか、冒頭から「うわぁ・・・」ってなった回でした・・・・うん、本当に。
 ヒナが巣立ちを迎えたカースケの巣は空っぽで。そこにはもう、親鳥もいない・・・。それは生きていく以上仕方のないことで、良いことなのだけれど。でも、切ないなぁ・・・寂しいなぁ・・・・と思わずにはいられない。

 前回の感想記事に露骨に現れてますが(笑)、自分はとにかくマリノさんにいなくなってほしくなくてですね・・・一生懸命そのルート実現の可能性を模索していたのですよ。でも今回を見るとちょっと厳しそうで・・・
 『幻』なんて言葉が出ちゃうとなー・・・『消えない』とも言ってましたけど・・・
 今回までの間に、マリノさん自身がああも覚悟を決めてしまうとは思わなかった・・・でも嘘がバレてることを知らない彼女であれば「自分の役目は終わった」って思っちゃうのかも・・・
 個人的にはもっとマリノさんは足掻いても良いじゃん、みたいに思うのですがね!(言うからには自分も足掻く)

 玄関でのシーンは、マリノさんの生存の希望が目に見えて削られていくのが見ていて辛かった・・・
 あそこで三度も回想の映像が流れて。かぶっている声で姉妹のどっちの回想かを匂わせているんですが、内容と視点の主(回想してる人)が、

1人(マリノ)2人(ミズノ)1人(ミズノ)

 ってなってるんですよ。姉に触発されてミズノが真実に気づき始めているような。
 「本当はって、何だよ!」の叫びも「本当は会ってみたいんでしょう?」の返事以外の意味があるっぽいですし・・・。あの家で母を待つ娘は、『本当は』何人なのでしょう。
 でも、幼いころからの付き合いであるおばさんもマリノさんの存在を疑問に思っていないのが・・・まあ、それも込みで巫女の力なのかもしれませんが。
 実は真マリノさんはちゃんと存在していて(回想の場面では別室にいたとか)、母に連れられて本土に渡ってたりとか、死亡した事実を無かったことにしてる(時間を巻き戻して)とか、そういう事情でもあるのかなぁ・・・
 
 あとですね、雨に打たれる姉妹のシーンとかはそっくりですが、マリノさんには彼女自身の人格があって欲しい。
 ミズノちゃんの『お母さんの代わりに、自分を見てくれる人が欲しい』という願望がそのまま反映されただけじゃなく、マリノさんが妹に注ぐ愛情は本物であって欲しいですよ。

 ともかく、べったりだった姉妹の姉側は己の正体を察したことで妹離れを決意、甘やかしがちだった片割れに自立を促し始めた。
 そのこと自体に誤りは無いのですが、恋愛やら家族やら他の問題も重なってしまったことでミズノは一気に追いつめられることに。
 ただ、この状況は、彼女が招いたものかもしれない・・・と思わなくもなくてですね。ミズノちゃんの姿勢を思うと。

 四方の巫女の肩書きなど何処吹く風とばかりに、いつも楽しそうなのがヨウ・ミズノという少女。けれど彼女がそう在れたのは、行きたい方にだけ行っていたから。
 「思いのままに生きてる」というルリちゃんの評価は、彼女の人を見る目が確かだったのか単なる偶然か(笑)、おそろしく正鵠を射ていた。
 ミズノちゃんの向かう先にいるのは、可愛がっているカースケ、お気に入りの副部長、大好きなタクトくんに、自分を守ってくれるお姉ちゃん。どれも、大好きなものたち。

 その様子から、彼女は嫌いなものは避けて通る主義だと予想できます。お気に召さないものは、否定はしないまでも、あまり顧みない。
 姉妹の会話は、いつもミズノちゃんのお気に入りについてで、楽しいものだったという台詞もありました。
 ほとんどの人が呪文を信じなくても、ミズノが気にしない理由もそこにあったのだと思います。だって彼女はそんな人たちより、信じてくれるタクトくんの方がずっと大事で大好きだから。

 それを表していたと思しき演出が、先に挙げたミズノちゃんの『歩く』先に在るもの。
 逆に、彼女はそれ以外のものに対しては進んで歩み寄らない(『歩く』シーンが映されない)。タクトにおんぶしてもらったり、バスの屋根に乗ったり、野球でも(タクトを見ていて見逃し三振)出塁せず。
 バスの上で3人の会話を聞いてしまった時も、思わずその場から駆け出す・・・とかではなく、屋根に乗ったまま行ってしまう。
 自分の脚で歩かない=自立していない、ということなのでしょう。

 そして、嫌なものは見ない、ということは問題の先送りに他ならないわけで。そうして解決しないまま放置されていた問題が、今回、雪崩のように押し寄せてきた、と。
 とかく、悪いことは重なるもの。それを考慮して、事案をひとつひとつ片付けておけば、或いはこんなことにはならなかったのかもしれない。そういう意味で、ミズノちゃんにも僅かなりとも責任があると自分は思います。

 でも、親の性格改善なんて子どもの手には余るし、いなくなってしまった以上は忘れる他ない。解決どころか向き合うことさえ許されなかった彼女が、こうなってしまったのはある種、やむを得ないことなのですが。
 けれど、それがいつまでも通るわけではないのです。幼い頃のままでいることは、許されない。

 それに、彼女がそんな感じで大丈夫だった(やっていけた)のは、マリノさんが「ミズノが望むなら」と(自分の恋をあきらめてまで)一生懸命になってくれていたからで。
 そんな他人頼みはリスキーだし、何より、母親に反発するなら尚更してはいけない生き方。自分のすべきことを放り出し、他人にすがる。それは、子どもを置いて夫を追いかけた母と同じ。
 お母さんのことが好きで、会いたいと思う気持ちが間違っているとは思わないですが・・・あの生き方は駄目ですよねー、普通に考えて。周りを不幸にしてしまう(笑・・・いごとでもないか)。

 将来はさておき、そんな具合に、ミズノちゃんは今まで(強制したわけではないにせよ)嫌なことは姉に任せて自由を謳歌してきた。
 そんな彼女ですから、マリノさんに「(お母さんに)会った方が良い」と言われたらもう、逃げるのは自然な流れですよね。マリノさんを探して仲直り・・・なんていうのは後回しでむしろ当然だと思う次第。
 しかしループに突入、島からは脱出不可能という事実が突きつけられる。行きたいところにだけ行く、そんな生き方を通してきたミズノにとってこれほどのプレッシャーは無いでしょう。

 ワコと合流するシーンは良いですな。二人はくっつけられた長椅子の端に座っていて、間の境界線(椅子同士の接している部分)を超えて手が触れ合う。
 気多の巫女は、他の巫女たちと言葉は交わしても触れ合うことは無かった。それにあの時は、もう終わってしまっていた。
 ワコは隣に座った彼女の話を聞いただけだったけれど、今回はちゃんと触れ合っている。それにまだ、終わってはいない。

 前回(の巫女)より改善はされているのですが・・・ただ今回、敵に回った人が厄介だからなぁ・・・ラストの委員長の笑顔、迫力どころか貫禄のレベルに達していましたよ絶対(笑)。
 妖気漂うケイト、魔女っ子ミズノ、エキセントリックな魅力のサカナちゃん(公式サイトのロングインタビューより)・・・あれ、妄想と嗅覚のワコってば一番地味・・・?(笑)

 ・・・・えーっと、話を戻して。
 ケイトさんの「島を出る方法、教えてあげましょうか?」はミズノの望みに合致しすぎで、そっちに流れる可能性は高いと思います。
 さっきからいろいろ例を挙げて述べているように、ミズノちゃんは、嫌なことは避ける子ですからね。自分にも務めがあるの?という質問は、自分を縛るものを恐れる気持ちから出た台詞。
 それに対するワコの返答は、「忘れちゃダメ」――行動というよりは、心構えに近いのですが・・・悪いことに今のミズノはちょうどメンタル面にダメージ食らってるんですよね・・・
 枷をはめる・・・まではいかないにしても、義務を語るワコとは対照的に、開放を提示するケイトの方に惹かれるのではないかと。
 そこは、銀河美少年が過去を語ることで説得してくれるのかなぁ・・・でも彼、負けフラグが立ってる気もしますが。

 何かヘッドさんの言動がそれっぽいんですよね。でもそれ以上に、今回の彼は子持ち疑惑が浮上して、そっちの方が気になりますけどね!(笑)
 タクトの勘違いとか、誰かが名を語っているのでなければ・・・若く見えるオッサンということに(酷)。若返りはプロフェッサー・グリーンがすでに使ったネタだからな・・・単なる若作りか(言いたい放題)。
 そういえば、どう見ても年上のリョウスケさんと対等に話してたっけ・・・公式サイトにも『外見の割には大人びた・・・』とか記述が有るし。
 関係無いですが、彼が坊ちゃまを勧誘するシーンに自分は「え! タクトたちの敵になるの?!」じゃなく「え! 着ちゃうのあの服を?!」とか思ってしまいました(笑)。
 隊の名前が『エンペラー』・・・これは、黄色い衣装で一人称が『朕』になるフラグか?!(何故に中華風)

 それから綺羅星といえば、かつて無いフレンドリーなマミちゃんに驚愕いたしました(笑)。これは・・・島民補正? でもワコも生粋の・・・島から一歩も出たことない究極島民のはずだけど・・・(何だそれは)
 ケイトさんだって人望が無ければクラス委員にはなれないだろうし、ブーゲンビリアは、学内では意外と人当たりが良いのか・・・?
 それとも、ベニオ寮長みたいにタクトに負けたことで何かが変わっていたのか。カメラフレーム外の出来事として(笑)。

 しかしエンディングの見慣れない綺羅星は今まで出てこなかった3隊の隊員と信じていただけに吃驚しましたね。2隊はドライバー確保しまくりだな!
 まあ、ヘッドの配下がオッサンと三下と獅子身中の虫(マリノさん)っていうのもどうかと思いますが(笑)、それはそれとしてブーゲンビリアは人手不足が甚だしい・・・オンディーヌさんは海女以外に売り子の仕事までして忙しいはずだし・・・・
 でも一話のヘッドの演説のシーンを見ると、各隊ともかなり人数はいる模様なんですが(団全体で100人はいそうだった・・・)。
 まあ、スタードライバーでは無いようで、つまりは戦力外。ケイトさんがヒガシの巫女となると、サイバディは戦士じゃなく巫女になってますます戦力ダウンの予感が・・・でも生身であれだけ出来れば平気かもな・・・(笑)
 というか、ヒガシが本当にケイトさんだった場合、フェーズが一気にふたつあがって真にワコが狙われる事態に? ってことは・・・ケイトさんは歌わないんですかっ?!(関心はそっち)

 で、今更ながらに主人公・タクトくんの話題ですが・・・彼はいくらなんでも鈍すぎやしませんか!(笑) 何かもう、一度お医者に診せた方が良いのではないでしょうか・・・学校の保健室は選択肢から除外して。
 1話のキスもどきの人工呼吸からして、最終回にちゃんとした(ガラス越しとかじゃなく)キスなんて展開だと綺麗にまとまるんじゃないかと思ったんですが・・・今のままだとたぶん無理でしょうね、ええ。
 坊ちゃまのやや強引な意識改革が功を奏すのか・・・? でも、ワコの将来にもがっつり関わることなんで、彼女の意見も聞いてあげてください(笑)。

 あ、ワコといえば、ひとつ。ミズノに「島を出られないの?」って聞かれて拍子抜けするくらいあっさり「うん」って答えるのに、「いつ知ったの?」には少し沈むあたりが興味深いなと。
 泣いた時のことを思い出しての反応ですかねぇ・・・そのうえまだ何かあるとかは流石に無いでしょうし。

 あと、個人的に「おおっ」と思ったのは、意見の分かれた姉妹に、外見上の違いが出ていたところ。
 マリノさんが「会ってみない?」と言い出す直前など、玄関に二人で立っている双子の背中が映るんですが、背中に垂れる髪の長さが、ミズノちゃんのほうが少し短くなってるんですよ。
 先週、髪を切りに行ったのがここで利いてくるとは・・・! 自分は、こういう細かいところが好きなんです。

 あ、双子からは少し外れますけど、あのお母さんはタレ目なところがマリノさんに少し似ているようにも思いました。
 あの人の『フジノ』って名前はフジツボから来てるのかなぁ・・・双子の名前からすると水系なんじゃないかと思うんですが(関係無い)。
 親鳥が『カースケ』⇒父親、なのもミズノちゃんの母親への反発だったのかなぁ・・・子どもの世話をしてる⇒お母さん、みたいな連想はありそうだし。

 それにしても、扉をドンドン叩いて「お母さん、帰ってきたの。開けてちょうだい」って、何か『オオカミと七匹の子ヤギ』みたいだなー・・・なんて思ってしまったのですが、ドアの向こうにいるのが母のふりをしたオオカミではなく、オオカミさながらに危険な実母っていうのが救いが無い・・・・

 でも自分、何かこのフジノさんのこと、結構好きかもしれなくてですね(笑)。もちろん、人としてはどうかと思うんですけど・・・キャラとしては突き抜けてて潔いな、と。第一声からして「お金貸して」とか中々できませんよ!(笑)
 この作品って『青春の謳歌』をうたっているだけあってみんな爽快じゃないですか、そんな中にあってこの人が漂わせる退廃的な空気はなんとなく落ち着くというか・・・ほっとするものを感じてしまってしまって勝手に不安になってます(笑)。その趣味は大丈夫か、自分・・・?

 最後に余談。
 人妻さんといい、マスターは若い娘が好きだなぁ・・・(笑)
 そんなところで今回は終わりです。間に合った・・・。
 それではー。


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