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STAR DRIVER 輝きのタクト_第13話『恋する紅い剣』感想 / テレビアニメ

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一言結論:成果主義者の敗滅


 ネタバレありますので、以下は続きから。





 人と違う世界を見ているかのような不思議ちゃん・ミズノちゃんと、守るべき妹をいつも見ているマリノさん。
 憎き敵を見つめて日々を送っていたシモーヌさんに、常に未来を見据えて動くカナコ奥様。
 そんな彼女達に続く今回の主役・ベニオ寮長は、言うなれば、結果だけを見てきた人。極端な言い方になるかもしれませんが、彼女は一種の成果主義者だと思います。
 それ故に、力を求める。なぜなら、良い結果を得るためには絶対に必要だから。

 彼女のその考えは、態度にも出ていて。強いスガタには礼をもって接しますが、まずまずのタクトには上から目線になり、ひ弱そうな告白少年にはあからさまに態度が悪い(笑)。
 隠し撮りに怒るのは当然ですけど・・・自分だって写真コレクションしてるんですけどね。で、それでスガタくん眺めてのぼせてたりしてたせいで負けたんですよね(笑)。
 でも代表(代理含む)の女性陣は何だでみんなモテますなぁ・・・ガラス越し百戦錬磨に年下美少年、クラスメイトに寮生・・・。あれ、委員長・・・・(余計なこと言うな)

 それはともかく。人間の価値を力のみで判断するというベニオ寮長の態度は、傲慢とも言えるのですが・・・でも筋は通っているのではないかと。
 彼女、自分自身を例外にはしていないですから。「サイバディの無いフィラメントに存在価値は無い」と言われても反論しないのはおそらくそれが理由。
 思えば「スガタにメロメロになってて負けたろオマエ」って言われた時も言い訳はしなかった。盛大に怒りをアピールはしてましたが(笑)、責任を誰かに押しつけたりはしない。「逆に乗っ取られる可能性が有るなんて聞いてない」とか思っても不思議ではないのに。

 ベニオ寮長からすれば、理由(過程)がどうであれ、負けは負け。その結果が全て(努力も重ねていますが、それは結果を出すために必要だからなのでしょう)。
 剣道という勝ち負けの明確な世界で勝ち上がるにはそれくらいでなければ駄目だったのかもしれませんが・・・その考えには弊害もあったようで。負け=力が無い、という図式ができてしまったみたいですね、どうも。

 自分に力があっても負けることはある。数値(数の大きい方が強いってことで)の例で言いますと、敗北は0の証明としては不足なんですよ。100の相手に99で敗れただけかもしれないから。
 でも結果だけ見れば、100に0で負けるのと何ら変わりがない。
 ベニオ寮長はじめフィラメントのメンバーは、その二つの区別がついてない。・・・というか、あまり分けて考えるつもりが無いようで。
 だからスガタくんに強さを認められていながら寮長は納得できないし、ジョージは人妻さんに評価されても(一発で倒れなかったあたり)また部屋にこもっちゃうと。・・・・まあ、あれは自信喪失しますけどね、普通・・・(笑)

 で、彼女らが何故にそんな考え方になったかと言えば、彼女ら自身が結果でしか判断してもらえなかったからなのでしょう。
 宗家の子でありながら、シルシを持って生まれてこなかった。そんな本人の努力ではどうにもならないことで、フィラメントの3人は価値無しと判断されてしまった。恋の成就の望みを断たれた。
 そんな現実を目の当たりにして育てばああなってしまうのかも。後天的にシルシを継承したタクトの方が特殊なケースだったのか。

 近しい境遇のジョージとテツヤは、ベニオ寮長にとっては互いに気持ちがわかる者同士だったから、強さ云々は置いておいて仲良くできる例外みたいなもの。
 スガタくんが「親しい友達を作るのはちょっと意外だよ」という寮長ですが、少なくともシルシを失った一族がつるんでるところには入っていきにくいです(笑)。
 しかし、フィラメントは今まで出てきた3人だけなのか・・・綺羅星十字団の規模がわからなくなってきたな・・・・。
 総会の聴衆は大所帯の科学ギルドがほとんどだったりするんですかね? いや、結成時は3人でも今もそうとは限らないわけで・・・まあスタードライバーはもういないみたいですが。

 そういえば、サイバディが破壊されると第一フェーズも失われるようですね。人妻さんの会社は大丈夫だと良いですが。
 しかし何でも持っている彼女と今回の寮長の差のすさまじいこと。剣道部の後輩であるタカシ経由・・・あるいはタクトから先週のシモーヌさんの言葉を聞こうものならマンティコール以上に頭取に殺意を抱きそうだ(笑)。
 何せサイバディと第一フェーズを失ったベニオ寮長は、「今の私には失う物など何も無い」と、命がけでサイバディ復活に挑むほど。
 彼女にとっては剣道の大会優勝なんて意味がない、自身の価値はスタードライバー(シルシはその象徴)であることにしかないんですな。
 単にケイトさんにけしかけられただけでは、そこまでの覚悟はできないと思いますし。

 しかし、委員長はこれで寮長が死んだらどうするつもりだったのか。
 独自の解釈で死ぬことはないという結論に達していたのかなぁ。タイガーさんを無理に戦わせることはしない人だし、それくらいの良心はあると信じたいのですが。
 でも「戦う力が無い」って戦闘中止の理由は今思えば嘘っぽいかも・・・タイガーさん、生身でも強い人だったから。
 しかし、イヴローニュさんの表の顔が、寮長だけでなく人妻さんにもバレた様子。プロフェッサーも「綺羅星!」で確認してたし、ヘッドは何でも知ってそうだし、幹部全員に知れ渡ったっぽい(マンティコールさんは代理なので)。
 3隊はサイバディの破壊は避けつつ、代表がじわじわピンチ?

 まあ、他人の思惑は置いておいて。ページェントは無事再生。シルシに手を伸ばしたベニオ寮長が綺羅星衣装を颯爽着用する様は、魔法少女か何かの変身シーンのようでした(笑)。
 しかしスガタくんの「次は彼が勝ちます」とか負けフラグが立った状態だったので、「行くぞ、ページェント!」は止めたくなりましたが。ええっ、折角直したばっかりなのにもう壊しちゃうの?!みたいな(笑)。

 スガタくんと言えば、彼の「タクトは自分より上」発言は、寮長の「私と、私のいる世界を変えることができる力に憧れていた」という想いを察していてのものだったのでしょうか。
 きっとスガタくんにとっては、自分の世界を変えたのはタクト。だからスガタくんは、弟子だ何だと理由をつけて彼を押した。「そうか。彼女か」と相手がわかったので、王の柱で手出しもしない。

 結果、スカーレットキスは敗退。
 今までのベニオ寮長にとって、敗北とは悪いもの以外の何物でもなかったわけですが、今回はそのあたりに変化があったように思えます。彼女の中で。
 ジョージのように「自分は弱いんだ」と思いつめることはなく、余裕を持って相手の強さを認められるようになった。
 これは、良い変化ですよね。そういう描写がされていたと思いました。
 大会での実績を皆の前で讃えられ段上で浮かべたすまし顔なんかより、部員たちにひやかされた時の方がずっと生き生きした良い顔ですもの。
 しかし、タカシはモブに紛れるとほんとわからんなぁ・・・(関係無い)

 そんなわけで、今回は本当に寮長祭。
 テツヤとのキスシーンとかスガタくんとの思い出とかで出てくる桜は彼女の花なんだなー、髪の色で忘れそうになるけど和の剣道少女にはやはり桜か、とか。
 寮長モード綺羅星モード部長モードで全部声のトーンが違って、でも一番かっこいいのは剣道してる時の声ってところが素敵、とか。
 サブタイの『恋する』の部分・・・これが『愛』でない辺りが一方的な寮長らしくて良いな、とか(酷)。
 あの風呂には絶対寮長専用の秘密の抜け道があるだろとか、たくさんの色があるマーブルのゼロ時間もなかなかオツなものだとか。
 語り足りない気もしますがこのへんで(語ってるじゃないか)。

 以下、余談ー。
 冒頭のシンドウ家でのやりとりに和みました。タクトは弟子とか門下生というよりは・・・食客?(笑)
 木刀に驚くなら防具付けなさいというのは野暮か。でも大会ではベニオ寮長も髪をほどいたはず・・・そのレアなシーンを是非!(また寮長ですか)
 ジャガーさんは寮長の秘めた気持ちを察していたようで・・・クラスメイトだったりするのでしょうか? 同学年のはずだし・・・
 しっかし、タクトくんは予告でキスの練習がどうのと言ってましたが・・・そういえば、彼の二度のキスはどっちも不意打ちで女の子からでしたものね。もちろん人工呼吸も。
 というかまたキスか・・・流石は銀河美少年(笑)。

 そんなところで今回は終わりです。年末はばたばたしたので、結局えらく遅れてしまいました。それではー。


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「聖闘士には一度見た技は通用しない!」でなくて「タクトには一度見た技は通用しない!」だな。
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