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STAR DRIVER 輝きのタクト_第8話『いつだって流星のように』感想 / テレビアニメ

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一言結論:男同士、女同士では伝わっても、男と女ではそうはいかない


 ネタバレありますので、以下は続きから。





 サカナちゃん、どちらへー?!(第一声)
 囚われの娘が「出ていけ」と追い出されるとか斬新すぎる展開に心底驚きました(笑)。
 男がらみで余裕が出る女性陣に対し、男側は余裕を無くして女も失うという対称的な結果に。
 しかし封印さえ解けばフェリーで普通に島を出られるのか・・・。ワコはチャンスを逃したのかもしれない(笑)。

 ヘッドとサカナちゃん、それからスガタとワコ。今回を見て印象的だったのは、(恋愛か親愛かはさておき)思い合っていながらすれ違う男女。
 でも他方で、男同士や女同士はわずかな接点でわかりあっていて。その差が興味深かったです。

 スカーレットキスの余裕とその理由を女性幹部は総会の席で察してしまうし、プロフェッサー・グリーンのつやつやな感じも頭取にはわかる。仮面越しでも(笑)。
 果ては、偶然バスに乗り合わせただけのサカナちゃんの気持ちすら「うれしかったんだね?」と見抜かれる。
 「鳥かごの中だったんですよ」なんて言われて、この返しができるとかすごいです(笑)。「このお嬢さん、詩人だなぁ」って勘違いしそうなもんですよ。実は驚きの文字通りなんですが(笑)。
 まあ、ケイトさんもワコも異性との関係でもやもや(ケイトさんはライバルに出し抜かれただけで直接的に異性と揉めてはいないですが)してるし、新キャラの子も次回で恋愛エピソードが来るみたいだし・・・それでみんな鋭いんでしょうかねー。

 そして「男同士の話」となると言葉は重要ではなく(矛盾してるっぽい・・・)、拳を交わせばそれで笑いあえる。確かに熱くて良いバトルでしたけど。
 まあ「お前はどれだけ本気なんだ」とか「自分を試したんだろう」とか色々聞かれてるのにちっとも答えないタクトには、そりゃあ坊っちゃまも怒るわ、って思いましたが(そう言えば殴られて豹変したのは、彼の被ってた仮面がタクトに破壊されたって深読みできるのかも)。
 ともあれ相手が同性だと以心伝心が半端無い方々でも、異性の思惑となると軒並み見誤っちゃうんだから不思議なものです。

 プロフェッサーは「スガタとタクトは友達だから戦えまい」なんて言ってたし、ベニオ寮長も「もうスガタくんは私のもの」とかひどい誤解が原因で大敗北。
 キスにすっかり舞い上がっちゃって部下の敵討ちなんて銀河の彼方までぶっ飛んでましたからねー(笑)。予期せぬ大金星だっただけに、頭がお花畑にもなるか・・・。
 しかし機体が爆散どころか塵と化してましたが電気柩内は大丈夫なんだろうか・・・操縦を失って以後はさっぱり映ってなくて怖い(笑)。

 話を戻しまして。
 で、これは何も敵同士で相手のことがよくわかっていないせいではないらしい。
 幼なじみのワコとスガタも「助けてくれてありがとう」「したいようにしただけ」と行き違ってたので。
 常に付き従ってるメイドと坊ちゃまも意思疎通が微妙でした。
 子どもの頃から監視されてた、あの二人は僕が島から出ないよう見張ってるんだ、というのがスガタの弁。それも事実なのでしょうが、タイガーの思い出は「笑った顔がとても可愛くて」が真っ先に来るんですよ(4話)。
 今回だって「いいなぁ・・・ワコさまは」が本音。もうタイガー嬢が見つめてるのは監視3割、恋愛7割くらいなんじゃないですかねー(笑)。でも坊ちゃまにはあんまり届いてないっぽいんです。いと哀れ(誤用法)。

 しかし今回に限っては、スガタよりよっぽど重症だったヘッドさんがいらっしゃる。
 サカナちゃんがサムの話を通して言いたかったのは「外なんて、こことそんなに変わらない。だから、少女を殺すとか変な組織作るとか、そんな躍起になることなんてないのに」ってことだと思うんですよ。
 でもヘッドはそれを「俺の気持ちをわかってると思ってたのに、やっぱり巫女は封印が第一か」って解釈して怒ったんではないかなぁ・・・というのが自分の見解です。
 必要無いのに鳥かご入ってみたり鎖付けたりしても、関係を繋ぎ止めることはできなかった。

 ワコとスガタはまだどうにかなりそうなのに、なんでこの二人はダメになっちゃったのか。
 それは端的に言えば、我らが主人公ツナシ・タクトがいたかいないかってことなんですが。ただ、彼ひとりの功績でも無いと思うんですよねー。
 必要だったのは、銀河美少年ではなく第三者。更に、周囲の四者五者六者・・・つまりは、当事者たちと関わりのある人間全てのおかげだったのではないかと。

 ここ最近のタクトの問題も、彼だけだったら「三人なんかじゃなかった、二人と一人だった・・・」で落ち込んでそこで終了してたと思うんです。でもそこでサリナ部長が「私が保証する」と背中を押してくれたおかげで次に繋がった。
 今週でもそれは同じで。ルリちゃんとカナコさんが「ワコとスガタだけじゃなく、君もぎこちないぞ」(意訳)ってタクトに指摘しなければ、あの夕焼けの決闘(笑)まで持ち込めなかったんじゃないかなぁ。
 ルリちゃんはサイバディとかそのへんの事情は全然知らないし(ワコをタクトのことでからかうあたりからして、スガタとの許嫁のことも知らないのかも)、人妻女子高生カナコさんなんて敵組織の幹部ですよ!
 でも結果として事態の好転に一役買っている。とにかく誰かとアクセスとれる状態にできていれば、何かが違うってことなのでしょう。

 このあたり、閉ざされた関係の問題点を描いている箇所ではないかと思いました。
 物語の最初の方では、『閉じる』側の綺羅星十字団を開放的なタクトがやっつけて。『開かれてる』って爽快!って思わされる展開で。
 でもそのうちに、たまには『閉じてる』のも良いよね、ってことを言う人(視聴者でなくキャラの発言)が出はじめてきた。
 そしてついに、サカナちゃんが遠回しに「外の世界は別に楽園なんかじゃなくて、この世界の延長だよ」とある意味、夢とロマンを壊すような(笑)事実を告げる。
 こうなってくると「じゃあ内にこもる方が良くない?」って考えたくなりますが、そうした場合には落とし穴があって。それが今回の話から浮かびあがってくる。
 そのあたりを描くためにヘッドとサカナちゃんにバッドエンドを迎えさせたように思います。

 で、その落とし穴ってのは何かと言えば、行き詰まりやすい、ってことじゃないかと。
 二人だけで閉じた世界では、その二人に打つ手が無くなった時点で終了。でも別個に繋がりのある人がいれば、そこから新たな策が生まれるかもしれない。
 その友人知人(アクセス権を持ってる人)がサリナ部長のような優秀なアドバイザーであれば言うこと無いですが、そうでなくとも無駄にはならない。
 今週のタクトにきっかけをくれたのは全然事情を知らない人&敵側の人。彼女らの何気無い言葉が、とっかかりになったわけですから。

 これは誰しも起こりえる事態だと思います。「もうどうにもならない」と諦めかけてたことが、脇からのちょっとした一言で打開策が見つかるとか。
 そんなわけで、人との繋がりは多ければ多いほど、行き詰まった時にそこから抜け出せる可能性がアップしていくんです。
 もちろんそれにプラスして、友達がたくさんいれば色々楽しいとかそういうのもある。

 逆に言えば、閉ざされた関係にはそういう「危機に陥っても脱出の手は幾いくらでもある」みたいな余裕が無くて、故にもろいというか。
 ヘッドとサカナちゃんだって先週までは上手く行ってたのに、今回の冒頭のやりとりだけで完全崩壊。
 ワコとスガタにも、そういう側面はありました。余裕が無いせいで踏み出せず、一本のナイフの為に長い間悶々としていた。

 スガタがナイフを持ってた理由を聞いてみれば、こじれる理由の方がわからない(笑)、比較的真っ当なものじゃないですか。
(刃物を持ち歩く理由に適切、なんてものは無いかもしれないですが、少なくとも「カッコイイから」とか自殺願望とかよりは聞こえは良いのではないかと)
 こんなことになる前にワコが聞いていれば、スガタくんも素直に答えてくれてたと思うんですよ。彼は別にツンデレじゃないですし(笑)。
 なのに二人だけではどうにもならなくて、タクトが割って入って、やっと解決に漕ぎ着けたという。

 だから鳥かごからも島からも出て旅立ったサカナちゃんが新たな人間関係を獲得し、今より良い結果にたどり着く可能性は十分にあるのではないか、なんて思います。 
 その逆に、自室でスガタくんの写真相手に熱暴走してる寮長さんが勝てないのも当然ですな。一人で狭い部屋にいる時点で負けフラグ・・・いや、公衆の面前でやられても困りますけど(笑)。

 でもサカナちゃんがこれで完全退場とかもったいなさすぎますよ。
 もうこれは、クライマックスのヘッドのピンチに颯爽再登場フラグと脳内変換します。彼女は、タクト並に強力な仲介者を本土で見つけて・・・タクトのじいちゃんなんてどうですか! 先代のタウのシルシの人っぽいし。
 で、最終話のエピローグでは、仮面と爺が夕日の崖で殴り合うんですよ!(何のアニメ)
 もしくは、綺羅星十字団が崩壊して島に居場所が無くなったヘッドをかわいそうに思ったタクトが彼を実家に連れていくと、縁側でサカナちゃんがじいちゃんと仲良くお話ししてるとか(笑)。

 まあ冗談はさておき、ヘッドの「物語は本当にそこで終わるのか」へのサカナちゃんの返答こそラストの「人生という冒険は続く」なのだと思います。
 他人の物語はここで終わり、彼と彼女自身の人生はまだ続いていくのです。まだ諦めるには早い。
 それに「旅行ですか?」「そんなところです」とも返しました。『旅行』からは、帰ってくるものですし。

 あとは、細かな諸々を。
 意外だった点、その一。四方の巫女同士は、お互いの顔を知らないらしい。
 ・・・気多は、先代から継いだ直後に綺羅星に拉致られたのか、それとも四方には交流が無いのか。

 その二。綺羅星幹部のコミュニケーション力。
 人妻さんが、だんだんマトモになってきてる気がする・・・一般女子高生と同じ反応するとか、初回からは想像できない事態(笑)。
 そして、ワコと普通の友達のように(いやクラスメイトなんですが)会話するケイトさん。「委員長に友達が!」と喜んだ自分は、ある意味失礼(笑)。

 その三。美少年さえ絡まなければ優秀だったプロフェッサー・グリーン。
 公式サイトの設定が、実際見た印象で上書きされてたか。仕事ができるにしても、それとプライベートを切り離せないのは欠点だとは思いますが。

 気になるポイント、その一。ザメクらしきサイバディの下に佇む人影。・・・・誰ー?
 印象的な台詞、ヘッドの「彼女たちは自由だった。最初からね」・・・・確かに、くるくる回ったりしてたっけ・・・(笑)

 そんなところでしょうか。
 サカナちゃんの再登場の有無、新キャラ等、次回がとても楽しみです。なんかもう、坊ちゃまの今後とか最後の笑顔でどうでも良くなってる・・・
 それではー。


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思う存分に殴り合っての後は仲直りで、タクトとスガタの仲は深まっただな。 これが男女の喧嘩後であったら、あんな清々しい感じにはならかっただろうと思いますよ。 なんちってねーっ
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