STAR DRIVER 輝きのタクト_第1話『銀河美少年』感想 / テレビアニメ
一言結論:『密』の組織に対するは、開放的な少年。
ネタバレありますので、以下は続きから。
今さらのような気もしますが、『STAR DRIVER 輝きのタクト』第1話の感想です。新アニメの初回を一通り見て、この作品が一番おもしろかったというひどく単純な理由です。
気になる単語がもうしこたま出てきているんですが、それについてはまだ考察はやめておきます。絶対外すんで(笑)。情報のこの開示具合では、私の読解力ではちょっとハードルが高いというもの。
そういうわけですので、今回の感想は作品の雰囲気についてから入りますね。
こういう真面目バカは、大好きです!(宣言)
・・・いきなりでスミマセン。でもメチャメチャどストライクだったんだ!(落ち着いてください)
ともかく、画面にでかでかと『銀河美少年』というサブタイを映したり、仮面をお付けになった方々が「綺羅星!」とかやっちゃったりするこーゆーノリは大好物でございます。
躊躇うことなく突っ走るその意気や良し! 後で思い返して恥ずかしくなるくらいでなくて何が青春の謳歌か、と(個人的解釈)。
『銀河美少年』という呼び名も、最高に良いじゃないですか。月に変わってお仕置きする戦士は自称ですが、こっちは敵も公認。もうオフィシャルもオフィシャル! ・・・珍妙であることは否定できませんが(笑)。
「颯爽登場!」のシーンなんて、自分、テレビの前で手を叩いてましたから(笑)。そのうち誰かが薔薇を口に咥えてくれるって信じてる! ・・・そうなったらスタンディングオベーションですよ(寒い光景)。
まあ少しは真面目なことも書きますと。
愉快な集団、綺羅星十字団は一語で表すと『密』ってとこかなーと感じました。
彼らは非常に『閉ざされた』集団だと思ったのですよ。秘密組織であり、閉鎖された鉱山という密閉された場所に陣取っている。
更には女の子を檻に入れてたり、ロボットを操縦するには非常に狭い装置に入らないといけなかったり(しかも拘束具のようなものまで付けられる)。そんな、密室的な要素が多く見られます。
視覚的でない部分にも、そういった表現があったように思いました。特別な人間以外は動けない空間や、戦闘シーンの広大に見える場所を『牢獄』に例えたり、とか。
あの印象的な(笑)独自の挨拶も、組織の閉ざされた有り様を表すものだと思います。
一般の人も理解できる、普遍的な挨拶の例は、お辞儀とか握手。特定の職業の方が用いるものには、敬礼(あれは、普通の人はしないまでも、軍隊とか警察とか複数の組織が採り入れていますし)。
でも「綺羅星!」とかやるのはあの組織だけですよ(笑)。普遍性皆無。
専門用語も飛び交ってるし、内輪の世界ができあがっちゃってる感じですよね。その辺りが、閉鎖的な組織だと思った所以です。
それに、たいへん密度の濃い方々ですし(笑)。
他には、組織の一員であるピンク髪の寮長さんが(アジトのある鉱山以外にも)、「男子生徒と女子生徒は、自分達の階以外は行っちゃダメ」とはっきり指示をしていたのも象徴的。
そもそも『学校』自体がある種、外界と隔絶させた特別な場所なわけですが(後で触れますが『島』も)。
そのうえ更に寮内に垣根を作り、規則という見えない枠を生徒たちに被せる。いやはや徹底してますな。
しかし、そんな規則をあっさり破ってしまうのがタクト。ルール違反は良くないですが、ここで行かなきゃ主人公は名乗れないのでしょうがない(笑)。
十字団と相対するタクトは、見事にその逆を行く存在として描かれていたなーと思いました。
綺羅星十字団が『閉ざされた組織』であるのに対して、タクトの印象は『開放的な少年』でした。
島(海に閉ざされた狭い土地)の外からやってきたという経歴もそうだし、泳いで海を渡ろうとしたり立入禁止区域に構わず侵入を試みる等の行動もそう。
そして、見る側が閉塞感を抱くような狭い場所には位置取らない。廊下のシーンでさえ、すぐそばに窓が有りましたし。
『銀河美少年』という肩書きも、開放的なことこの上無いですよ。グローバル通り越してギャラクシー、大宇宙は無限に広がるてなもんです(笑)。
それに続く『美少年』ってのも、これがまたすごい言葉で。
厳密な基準の無い感覚的な表現、言い換えると自由度がある。けれど悪いものでないことは保証されてるんですよ。『美』が付いてるから。
その語が、大きな可能性を感じる『少年』という単語と結び付く。――これはもう、向かうところ敵無しです。間違いなく(笑)。
ついでにオープニングにも触れてしまいますが、あれはタクトを象徴する映像だと思いました。
同じアングルのまま(上下したり手前奥には動いても常に真横から)、ずーっとスライドしていく画面。でも行き止まりにぶち当たることは無い。タクトの前に壁は存在しないという。
そして彼自身の動きに目をやると。軽やかに駆け、大地に縛られることなく跳躍し、柵に阻まれることなくそれを乗り越える。
このオープニングのスピード感と開放感に満ちた爽快さは、タクト自身のイメージと重なります。
・・・えーと、逸れた話を戻して。タクトが開放的だってことについてでしたね。
外せないのが、彼の開けっ広げな性格。仮面の秘密組織と違ってこの少年はあまり隠し事をしない質のように、思えます(ただし一見←後述)。
「すごいことやりに来た!」とか聞かれたことには(具体性は無いですが)答えを返すし、「この絵、父さんが描いたんだ」と家庭の事情も聞かれてもないのに言っちゃうし、「ここから先は聞いてない」と黙っとけよって感じの裏事情まで口に出す。モノローグが無いのを補ってあまりあるほどよく喋ります。
この性格があるが故に、『じいちゃん』とかの謎も『隠し事』(十字団寄りの要素)にあまり見えてこない。むしろ、背後に人間的な広がりがあるように思えてくる。
見事に印象がコントロールされているなー、と思います。実は秘密が多そうなキャラクターなのに。
見たままなら馬鹿っぽい彼を、そう思った根拠について。
まずは、ワコとの初顔合わせの時の意味深な間。この時、一体何を思ったのか。モノローグを持たない彼はそれを明らかにすることは無いのです。
実はワコのことを知っていた可能性もある。それとも単に、彼女に一目惚れしたのかもしれない。どちらにせよ、現時点では真相は伏せられたまま。
スガタくんに父親のことを打ち明けたのだって、彼とワコの許嫁関係のことを聞いてしまった以上、自分も何か話すべきだと考えたのかもしれない。でもそれも、やっぱり不明。
そんな感じでまだタクトはまだ掴めないと思ったもので、彼を表す一語はまだ定まりません。言い切れたらかっこいいんですがねー(笑)。
閉じた十字団の対極なので『放』か。
もしくは、壁があろうとぶち抜き、やりたいことをやるので『貫』か。
それとも、萌芽の季節に風とともに現れた、島の全てを動かす存在なので『流』か。
或いは、もっと別の文字が相応しいのか。話を追いかけながら答えを見つけたいですね。
主要キャラであるワコちゃんとスガタくんについても色々書きたいことはあるのですが、2話の感想の方に回そうかと。既にだいぶ長くなっているので。
最後に、せっかく初回なので外すのが当然くらいの気持ちで予想染みたことでも書いてみます。ヒーローとヒロインに気になったことがあったもので。
何と言うか、ちょっと一本欠けてるんじゃないかと。角が一個足りないんじゃないかと、思いました。
星(=五芒星)の模様のシャツのタクトは『銀河美少年』、ワコちゃんは『四方の巫女』。でも、両者の胸に集まっているライン(紋様)の本数がそれとは異なっているんです。
タクトは4――二本線が交差。ワコは3――Y字。どちらも線が1本足りないのです。
銀河⇒星⇒5、はちょっと苦しい気もしますが、ラストに二人が乗っていたのは巨大な掌。人の指も5、ということで・・・どうにか繋がりませんかね?(聞かれても)
角が欠けていると言えば、ワコの部屋の俯瞰のショット。
カーペットの四方に伸びる模様が一方だけ隠れていて、それは四人の巫女の一人が十字団の手に落ちている暗喩だと思うのですが。
それだけじゃなく、あの部屋の家具は角が皆欠けてて(映ってなくて)、四隅全部が見えてるのが無いんです。
カーペットそのもの、電気(照明器具)、ベッド、扉、壁の額縁、本棚、襖、椅子、机、ブックスタンドの本。皆、他の家具で隠れるとか画面のフレーム外に出てるとかで欠けていて。
ベッドの上のクッションはぬいぐるみで、枕は布団が被さって見えなくなってたり。ここまでくるとわざとなのかな、と思いました。
そんなところで、今回は終わりにしようかと。2話も既に放送されましたしね。早めに感想、書けるといいなー(他人事か)。
それではー。
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