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世紀末オカルト学院_第5話『夏のこずえ』感想 / テレビアニメ

 

一言結論:自分に無いもの探し歩いて、自分らしさを落っことす 。

 ネタバレありますので、以下は続きから。

 オカルトの定番・黒猫、追っかけて校外まで駆けてく愉快なこずえさん。るーるるるるっるるぅー♪
 そんな話・・・ではありませんでしたが(なら書くなよ)、マヤさんの新しい友人・こずえさんがメインのエピソード。

 オカルト大好きこずえさんは、知識豊富なマヤ嬢との出会いでヒートアップ。未知との遭遇を求め、奔走・・・どころか暴走といった勢いです。友人をあれだけ振り回しているともなれば。
 しかしオカルト嫌いを公言しているのに、こずえを邪険にせず持ち込むたびに対応してくれるマヤさんは優しいですねー。
 それだけでなく回収した未来携帯はエンガチョじゃなく文明の方とか、しっかりしてらっしゃる・・・(笑)

 ともあれ、オカルト探して三千里、なこずえさんの行動原理が語られていた今回。それは文明のことにもちょっと絡んできそうなので、彼女のケースの鑑みる前に一般論を少々。
 人は何故、オカルト等、神秘的なもの、不思議なものを求めるのか。 について考えてみようかと。
 一言で言ってしまえば、希少価値。つまるところ数の少なさ。『幻の』なんて枕詞もありますから。

 これらが貴重な原因は明白。原理が不明なため、人の手では再現できないせいです。
 複製が作られることがないから、オリジナルの価値が暴落しにくいという。・・・ただし『飽きられなければ』という条件は付くんですけど(笑)。

 そんなわけで、『不思議』は数に限りのある貴重な存在。
 それなら重宝されるのも普通。当然の成り行きとも思えるのですが。しかし、欲しがる理由、になってくると一つでは無いのではないかと。
 一般的にはこう、と断じることは難しいと思うんです。大まかに分けても、二つ有りますから。

 まずひとつ。好奇心。
 珍しいものに興味や関心を持つ、というシンプルな人間の習性からきている。
 マヤの幼なじみでもある亜美はこのタイプに見えます。

 そしてもうひとつは、『特別性』に惹かれて。
 オカルト等、不可思議なものは貴重なもの。つまりは『特別な存在』です。
 これと接点を持つことで、凡庸な人間に、他者とは一線を画す『特別』を付与できる。
 そうして希少価値を得て、自分の価値を上げよう、地位向上しようと『神秘』や『不思議』を追い求める人もいるのではないですかね。
 彼らは、自分に自信が無い、もしくは劣等感を持っている類の人間。その解消のために、自分の価値を上げてくれる何か(必ずしも不思議なものである必要は無いのですが)を探しているのかな、と。そう思います。

 ナンバーワンにならなくたって、オンリーワンなのは確か。けれどその事実は全ての人間に当てはまる、この上なく普遍的な事実なのです。
 それだけでは足りない。だって、そんなものはみんなが持ってる。だから、人はナンバーワンや『特別』を求めてやまない。

 この、人が『不思議』に惹かれる二つの理由両方の影響が見られるのが文明。
 スプーン曲げという不思議な技を持つ彼に、みんな好奇心から寄ってきた。 
 一転、超能力が無くして落ちぶれた彼は、(金を稼ぐため)常人には不可能なスプーン曲げに挑む。

 では、今回のメインのこずえはどうなのかと言えば。
 彼女がオカルトを追い求める理由は、「自分だけがそういった体験をしていないから」。つまり、自分に無いものが欲しい。
 「大切なものは目に見えない」という『星の王子様』の言葉も素直に信じ、至らない自分を変えたいと純粋に願っている。
 これは、どうもさっきの説でいうと後者――自身の価値の向上――のために動いているような。まあ、あれだけの情熱があるならオカルト好きは本物でしょうし、好奇心もある気はしますけど。

 そんな思いに突き動かされ、妙な装置で擬似的な臨死体験を試み・・・ってあの、この授業で使ってる装置がオーパーツなんじゃ・・・というか、よくこんな授業に許可がおりたものです(笑)。
 そのへんはさておき。結果、体験中にメガネを落としたら性格まで変わってしまった。そうか、メガネキャラの魂はメガネなのか!・・・と取るとギャグのように思えますが、実はかなり深い問題でもあるのでは。

 ラストのオカルトに興味を示さないこずえさん。『彼女』は、確かに『成瀬こずえ』のはずなのに。 けれど、友人たちや視聴者は知らない人を見ているかのような顔をしています。
 しかし、その肉体は『彼女』は確かに『成瀬こずえ』です。メガネはあくまで身につけるものであって、こずえの身体では無いのですから。
 それにしたって性格が違いすぎるだろ。・・・と、周りは思うのですが。でも『彼女』――メガネ無しのこずえは自分を『成瀬こずえ』だと思っているのですよね。
 本人が主観的に思う『自分』と、周りで見ている他者が感じる『自分』が食い違っていた場合、さてどっちが優先されるのか。

 『本人の自覚』と『他者の感覚』の齟齬は、文明と名前(呼び名)についてでも描写されていました。
 本当は『ふみあき』なのに皆に『ブンメイ』と呼ばれて不満に思い、恋人気取りで手作り弁当に『みのるん』と書かれてひきつる。 
 どちらも、呼ばれる側(文明)と呼ぶ側の意識にズレがあるんですよねー。鍵探しの相棒として名前で呼ばれることを拒否するマヤのシーンもそう。
 でもまあ、『名前』というものはそもそもコミュニケーションをスムーズに進めるためのものなので、うまくいきさえすれば何も問題ないのですが。むしろ、互いに名前で呼び合えるようになれば信頼関係が確固たるものになるはずなので。
 ・・・・・その展開、最終話ラスト5分まで実現できなくても不思議はないですが(笑)。

 その程度であればさほど珍しいことでもないですが、こずえは放っておくわけにもいかないでしょうし・・・さて、どうするのやら。

 ともかく、こずえはどうすんだってことで、次回は『文明の道程』。
 タイトルに入る名前は、他キャラ⇒文明⇒他キャラ、となるのですかね。

 普段ならここで終わるのですが、マヤさんについて全く触れていないのでもう少し。
 マヤさんが『神秘』や『不思議』(オカルト)に惹かれた理由は、先に挙げた二つとはまた別のものだと思います。彼女はパパが大好きだから、パパの好きなオカルトも好きだったんでしょうな。子どもだったから、好奇心もあったでしょうけど。

 あと、美風さん。
 あれだけ嫉妬しつつも教頭先生が排除しないってことは、教頭組とは別勢力なんですかね?
 それとも、教頭は恋は仕事に持ち込まない質なのか、上司が冷静じゃないから部下の人がそこだけは指揮権を奪っているのか。
 もしくは、別の勢力? No.7とか。文明が鍵を見つけたけど仕損じた、とかいう知らせが未来に届いて、文明を監視するべく差し向けられたとか。
 だってあやしいって、あの人。文明に好意的すぎる・・・まあ「車のローンが・・・」は非情に説得力がありましたけど(笑)。

 そんなところで、今回の感想は終わります。
 12日から7日ほど旅行なので、次回の感想はそれまでにあげたいなーと。
 それではー。





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