閃光のナイトレイド_第11話『闇の探索』感想 / テレビアニメ



一言結論:心がぐらりと揺れるのは、足元がガタガタ揺らいでいるから
ネタバレありますので、以下は続きから。
桜井機関の4人。それぞれの事情と信念を抱えている彼らですが、皆その足場とも言える部分が揺らいだ、そんな印象の回でした。
葵の驚き。
国に古くから存在する『仕組み』のため自分から離れていったはずの婚約者が、高千穂勲の元に。彼の計画に協力することが正しいとでも?
葛の読み違い。
理想に惹かれてついていった男の部下は、そんなものに興味を持っていなかった。違う道を選んだはずの仲間だが見捨てることはできず・・・そのうちどっかで見た顔が・・・
雪菜の不安。
いなくなった葛をあっさりと切り捨てる桜井、そんな上司に秘密で動く葵たち。先週の交流はどこへやら、あっという間に崩れていくチーム。彼女には為す術が無い。
棗の気付き。
自分が土地や富を求めるということは、誰かから奪うということ。家族を守るためだとしても、加害者であることに違いはない。それが現実。
もう最終回まで間が無いっていうのに、そんなにみんなしてグラグラ来てて平気かって感じですが、わずかに救いらしきものも。
それは、若の足元にも揺れが有るということ。
今まで謎に包まれていた彼の行動原理等がわかってきたことで、その弱点も見えてきたと思います。
●目的:謎
●手段:謎
これでは批判しようが無いのですが(笑)、その辺が見えてくれば自ずと彼らの抱える問題も伺えるというものです。どんなに若が優秀だとしても。
そういえば、彼の目的は歴史の改変で良かったみたいですな(前回「忘れて」と書いたとたんに・・・)。
大アジア主義はあくまでそのための手段に過ぎないということでしたか。『新型爆弾』と同じように。
同時に判明した彼の行動の根源。葵と同様に、彼は先代『預言者』の婚約者だった。
製作者側が雪菜お嬢様に兄上のことを語らせなかったのは、この情報を隠したかったのですかねー?
以下、個人的な意見もどうしても含んでしまいますので、そういうのが嫌な人は中断で。
太平洋戦争や原爆投下を避けようとしている彼は、正しいことをしているように見える。日本軍に殺される者がいなくなるわけだから、他国にとっても利点は有る。
でもやはり、若のしていることは危険すぎると思うのです。
不幸が訪れると知っていて、見過ごせというのではなく。ただ、別の手段は無かったのかなー・・・と。外野としてはどうしてもそんな都合の良いことを思ってしまうのですよ。
このまま行けば、彼はどこかの街に核を落とすことになるのでしょう。
砂漠で要人にだけ見せても、無かったことにされてしまった。となると、隠しようの無い被害を与えるしかない。多くの人に見せつけるしかない。
世界的な戦争を防ぐためなら街一つくらいは、と考える人もいるかもしれません。
人命云々の話はあえてここでは触れません。が、それとは別に、彼の組織に問題があると思うのです。
唯一、テロリストだけが核兵器を保持している世界なんて、いくらなんでも怖すぎますよ。
高千穂勲の部下の元関東軍の一部隊は、正式な軍隊ではない。武力をちらつかせて政治に介入しようとしているわけで、理念がどんなに立派だろうがテロ組織に違いはない。
世界の国々を差し置いて、彼らだけが時代を十年先取りした超兵器を持っているというのは不味いでしょう、流石に。
そして、組織体系にも問題があるように思えます。
腹心でさえ「そういうの(政治理念)はどうでもいい」って・・・若が暗殺とか不慮の病や事故で死んだらどうなるか。市ノ瀬は単なる科学オタク、指導者の不在。残された組織は、
●理念:どうでもいい
●政治手腕:特に無し
●所持武器:核兵器
き、危険極まりない・・・!
代わりのトップが無能は論外として、たとえ有能な人物でも私欲で組織を動かそうとするような者なら、やはり大問題。
やっぱ駄目でしょう。これは・・・。若は確かに優秀な指導者ですが、彼とて不死身では無いのです。
もしかして若はその辺を自覚していて、葛を引き込んだのは自分の後継者にするためだったのかも・・・推測ですが。
ともかく、このまま行けばこの組織は若の想像を超えた存在になってしまう可能性がある。
リーダーの考えと違う方向へ行ってしまい、戻れなくなるというのなら、それは組織として欠陥があるということでは無いかと思います。理念の正誤以前に。
そんな組織と繋がりのあった桜井。
彼は軍人ではないから、実は若は軍の秘密任務中、ということでもないでしょうけど・・・二人の力関係が気になりますね。
敵対しているように見せていたのは国を欺くためで、元より裏では協力していたのか。それとも、状況が悪くなってきたので桜井の独断であっちにつくことにしたのか。
葛にはちょっと同情しますねー。
葵を止められなかったことで怒られて、色々あって仲間を捨て、理想の為にと行った先では「そんなのどうでもいいんだよ」とあっさり言われ、大和魂を主張すれば否定され、極めつけに上司は元より自分たちを裏切っていたらしい、と。
裏切りの代償と言えば、そうなのかもしれませんが・・・
以下余談。
MI6は今後お話に絡んでくるんでしょうかねー。ノーベンバー11さんやジュライ君の大先輩が?(それはDTB)
あと、この時代の盗聴機ってどれくらいのサイズ・精度なのでしょう。部屋には無かったため、見る機会が無くてちょっと残念でした(笑)。
あと、今回は出番が少なかった雪菜お嬢様ですが・・・別の場所ですごいことになってますな。
何ですかあの抱き枕?! すげぇ・・・いえエロスを感じてなりません(意味有るのか敬語にしたところで)。
アニメオタクに理解のある彼女さんでも、あれは没収されるのでは・・・見つかったら社会的に死にそうですよ。流石スパイ!(違)
まあ、次回の放送はまたしても今夜ですし、このへんで終わります。
それではー。
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