第3話間近の『ナイトレイド』感想です。
　Twitterが何かおかしなことになっていますがこっちはちゃんと真面目に行きますので(笑)。

　4人の過去が描かれて、これからの方向性も見えてきたかな？と思いました。
　それから超能力アクションが見せ場だった前回と違って、今回は能力は控えめ。その分、登場人物の『人間』としての面が描かれていた気がします。
　彼ら4人がどうしてスパイになったのかが見えてきて。そこから、各々が自分の能力の捉え方の違いも察することもできました。

　夢を絶たれた葛と、兄を探すという目的を持って機関に加わった雪菜では能力に対する考え方はおのずと異なってくる。
　でも今回の標的・クライネフの死は、そんな双方どちらにとっても起こり得る悲劇的な可能性をだったと思います。
　能力に人生を歪められた音楽家、というのは葛を思わせ。自分の立場を守る、という目的があって仕方なくスパイとなった･･･という部分は雪菜(それから棗)に近い。
　そんな主要メンバーとの共通項を持つ人間(しかも音楽を愛する善良な人物)の末路は、決して幸福なものではなかったわけで。桜井機関の4人の未来にも、不吉な予感が漂ってきた感じですな。

　探っていた人物の自殺を止められないというのは、スパイとしては失敗でしょう。ただ、彼らは超能力目当てで集められた人員であって、さほど諜報員向きではない気質だと思います。軍人志望の葛も含めて。
　それに、たとえ正道を外れようと、音楽を汚すようなスパイ行為に手を染めようと、それでも生きていく(目的を果たす)ことを選んだ彼らにとって、『死』という選択肢は馴染まなかったもの。だから対応が遅れたのかなーと思います。
　ただ、この件を間近で見た4人。今後、身動きの取れない事態になったとしたら、彼らは死という選択肢も視野に入れて動くことになるのかも？　そんな状況が来ないに越したことはないのですがね。

　あと気になったのが、葵と雪菜がバイオリンを習いに行くシーンでした。
　あの場面、二人がひどく噛みあってない印象だったんですよね。
　葵はバイオリンを弾く雪菜に亡き婚約者を重ねるのですが(髪型もメガネも年齢も服装も違って、共通項は黒髪くらいなのに)、雪菜の心情は全く描かれず。
　兄妹を装っていたのだから彼女も兄を想起してもいいと思うのですが、一切無し。むしろ「どこでバイオリンを？」と尋ねる葵を無視する形で「情報を伝える場所が見えた」と仕事の報告。

　これは、葵側の恋愛フラグ？と解釈もできますが、もっと悪い可能性もあるのではないか、と思いまして。
　前回から日も浅くまだまだ連携がとれてないという描写･･･ならまだ良いのですが、これが二人(片方と機関)の決別フラグにもなりかねないのでは、と。

　葵以外の3人は今回の回想で機関との接点や接触の理由が見えたのですが、葵はよくわからないまま。
　親しい女性(婚約者という情報は公式サイトから)の死と、機関入りが今のところ繋がってきません。仕事に向ける意欲がどこから来ているのかもいまいち不明、組織への忠誠心どころか執着すらないのかもしれない。
　だから、婚約者の死の真相に軍やら桜井のオッサンが絡んでいたなんてことになれば(根拠の無い想像ですが)、抜けようとしても不思議は無いかと。

　一方の雪菜。現在のところは「兄の真意が知りたい」と考えているようですが、お兄さんの行動にそれなりの理念があった場合は、どうするのでしょうか。
　賛同して兄の元へ行ってしまうのか？　父の死の遠因である彼を許さない、という可能性も残しつつ現時点ではどっちとも言えません。

　組織との信頼関係は、残りの二人とて中々不安です。葛はできることなら『正道』に戻りたいだろうし、棗は組織よりお嬢様を優先するのでしょうし(あと、棗の回想ってありましたっけ･･･？)。

　スパイにならなければ死なずに済んだクライネフを皆がその目で見ているわけだし、何かもう全員で機関を抜けてもおかしくない気がしてきたような･･･。仲間との信頼、という方向に進むとすれば。
　でも、仲間同士が敵味方に分かれて･･･ていうのもありそうだし･･･
　まあ、そこはこれから次第ですよねー。
　はっきりしているのは、これから先の時代は暗く、スパイの未来はより暗いということくらいでしょうか。
　･････何か嫌な結論に･･･。

　そんなわけで、もう始まるところですが第3話を楽しみにしてます。
　あ、Twitterの無根拠予想は2の前半だけなら意外とありえるんじゃないかと。でも、3の平田声の婚約者(笑)との奇妙な三角関係も見てみたいなー･･･完全に別の作品ですが。
　そんなところで終わります。それではー。





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