トップページ » DARKER THAN BLACK -流星の双子- _第8話『夏の日、太陽はゆれて・・・』感想 / テレビアニメ

DARKER THAN BLACK -流星の双子- _第8話『夏の日、太陽はゆれて・・・』感想 / テレビアニメ

 

一言結論:故郷に残るのは、ただ記憶のみ。でもそれが、人の一生を左右することもあって

 ネタバレ有りなので、以下は続きから。





 スオウと故郷ロシアの繋がりが断たれた回、というところでしょうか。
 親友のターニャを始め、そちらの方面からの追っ手は壊滅。新しく増員が来ない限り安心ですかねー。
 それからもうひとつ。ターニャを射殺したのがシオンと博士ということは、一家の絆も断ち切られたと言えるのでは。
 どんな思惑があるにせよ、スオウにとって彼らは親友の仇。今は未だ、そのことを知らないのですが、ね。
 あ、猫ペーチャ経由で知ったのか、スオウが始めて「黒」と呼んだような。

 それにしても、こんな重い・・・黒より暗い水着回は初めてですよ(その形容は今使うところなのか)。
 更に年齢的にも一般アニメの水着のポイントを外してますからね! その上と下を持ってきましたから!
 未咲さ・・・・いえ、上の人の年齢は年少組の倍以上とか、思っても言ってはいけないのです(酷すぎ)。
 でも、マダムは何故あの双子をプールに連れてこないのか、ということは声を大にして言います(笑)。しかもここは、二人に別々の水着を着せてバリエーションを増やすところでしょうよ・・・!
 ・・・以上、馬鹿な話は終了です。いや、冗談ではなく本気でしたが。

 ――ともかく。
 ニカも死亡が確定し、クラスメイトは記憶処理済み。これでスオウと故国の人的なつながりは途絶え、残っているのは彼女の中の記憶だけで。
 でも、記憶は時に人の一生を狂わせる。それを体現していたのがレプニーン少佐だったのだと思います。
 姪を惨殺したイリヤへの恨みで夏の太陽が愛せなくなった彼は、自らが抱える憎悪でその命を失ったように見えました。
 だってこの人それなりの地位があるわけだし、部下に任せて後方指揮だけしていれば死ぬことは無かったと思うんですよ。頭脳戦や心理戦に長けた人だそうですし。
 それが、「スカウト」なんて理由をつけて黒さんに接触したのは、おそらくイリヤの死の真相がどうしても知りたかったから。
 最終的に彼の命を奪ったのは、契約者・BK201の電撃でも、最強の暗殺者・黒の死神のワイヤーでもなく、自身が持ちこんだ一本のナイフだったわけで。
 一人の人間が死ぬには、己の憎悪だけで十分事足りる、ということなのかもしれませんね・・・
 求めた真実を得て死んだ彼は、満ち足りていたのかもしれないけれど・・・お世辞にも羨ましいとは言えない人生。ターニャを殺されたスオウも、こうなっても不思議は無いのですが、でも確定事項ではない。
 「最低の人間だから最低の契約者になった」というのはレプニーン少佐の人生にも当てはまることで。「度胸の無い」彼自身の性質があの末路に向かわせたのでしょう。
 スオウにはその辺りを乗り越えてほしいですね・・・

 でも、レプニーン少佐は深いと思うなぁ・・・。
 彼が前回イリヤを単独行動させてたのは、契約者ながらターニャに姪の面影を見て両者を一緒に行動させたくなかったから――とか想像すると勝手に泣けてきます。ss一本書けます。
 そういえば、大分前に言ってた「スオウとターニャとニカの三人の写真を撮ったのはサーシャ説」のssは書き上げつつもアップして無かった。近いうちに、こちらやアメブロにあげようと思います。エイプリルさん追悼話もあったっけ。

 話を戻して。
 『未来の記憶』を持つ者に同情的な態度のマダムのシーンもあって、「記憶は人を不幸にするもの?」という印象も受けましたが、それを打ち消す場面もちゃんとあったと思います。
 契約者になって以来無表情を貫いていたターニャが。ニカの死すら淡々と語っていた彼女が微笑みを浮かべたのも、また記憶のおかげだったのですから。
 でも、その笑顔が余計に哀しい。契約者になったターニャも、以前の彼女と同じで。別人になったわけではなくて。
 だからこそ、こんな形での死には胸が痛みます。

 無邪気に好きだった夏の太陽だけれど、あの場にあったら嫌いになっていたのかもしれない、と思うスオウ。
 『好き』の一本道に突如分岐点が現れて、もう一つ『嫌い』の道ができていた。
 それは死者――最早『好き』どころか何一つ考えられない――彼女らの道を無理矢理に継ぎ合わせたかのように。
 だから、好きだったはずのものが嫌になるなんて、おかしなことになってしまうのかも・・・
 それは定かではないけれど、空に背を向けて水面に浮かぶ彼女たち(ターニャと、イリヤに殺された少女)は、太陽を目にすることは二度と無い。
 水底を背中にして天を見上げるスオウとは、対照的な姿勢ですねー。

 あと少し気になったのが、プールでのキャラの位置関係。
 上方にいるキャラの方が広い視野・・・というか遠くを見据えていて、下方にいる方が未熟だったり近くしか見えていないような。
 例えば回想シーンでは。

プール内で男子と無邪気に遊ぶスオウ(下) − 恋を知るプールサイドのターニャ(上)

 これが現代だと、

     下 − 上 (− 更に上)

虫に追われ水中に逃れるスオウ − 追い詰めるターニャ

水しぶきに笑みを浮かべるターニャ − それを見るスオウ

スオウを容赦無く殺そうとするターニャ − 友人を撃つのを止めたスオウ

怒って立ち去るスオウ − 撃ったことを責めない黒 − 狙撃したシオンと博士

 まとめると、こんな感じ。
 一番目は、単純に逃げる側と追う側の有利不利。スオウを見下ろすターニャ。
 二番目は、両者ともプールサイド。敵対関係を忘れたほんの一瞬。二人の高低差は無し。
 三番目は、逃げるスオウが階段の観客席に移動済みで、ターニャは下方に。そして、スオウのみが契約者の合理的判断より己の意思を優先できた。
 最後は、目の前の出来事で手一杯のスオウ(下位置)と、彼女の安全も考えて判断している黒さん(上位置)、そして。そんな二人を建物の屋上から見る者たち(更に上)。
 現時点での最上位――最も遠くを見ているのはこの父子のように見えますし。その辺に、高さとキャラの立ち位置と共通するものがあったような。

 シオンの獲物はスオウのライフルに似た形状。それを見てふと思ったのですが。
 以前あった、弾丸は補充されるが銃本体の傷は残るという話。
 そうなると、ライフルを破壊されればスオウはただの女の子になってしまうのでしょうか?
 このへん、最終回後にも関わってくるのかも?

 最後に。
 弦馬の黒と銀への感想を不機嫌に反論する未咲さんを見た瞬間。
 『外伝』の黒と銀の逃避行の様子が脳裏をよぎって。
 えもいわれぬ、切ない気持ちになりました(ある意味酷)。
 あの映像の公開があとひと月遅ければ、テレビの前でこんな気まずい思いを味わわずに済んだというのに・・・(笑)
 ・・・課長(元)、がんばってー!

 そんな感じで、今回は終わりです。
 それではー。


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村


DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]



トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星