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DARKER THAN BLACK -流星の双子- _第5話『硝煙は流れ、命は流れ・・・』感想 / テレビアニメ

 

一言結論:責任の負い方。子どもだからわからないのではなく、わからないから子どもなんだよ君は

 ネタバレ有りなので、以下は続きから。



 前回で身体面での成長は見られたものの、恋愛について理解が及ばなかったスオウ。彼女は、内面には幼さを残しているのだと思うわけですが。
 で、今回はそっちの精神面に焦点が当たっていたのではないかと。
 まだ判断基準を探してるところ、みたいな猫ペーチャ(モモンガを「猫」と呼ぶのに抵抗があって)の言葉には納得です。 
 今のスオウはそういう状態のわけですが、やがて自分の物差しを見い出した時、彼女は契約者やこの世界をどう結論づけるのでしょうか。
 契約者として覚醒した時のように、全て無くなることを望むのか、或いは・・・
 それは、黒の二年前の決断に対する一つの答。
 ある意味では、スオウはこの為に契約者になったと言えるのではないかと思うようになりました。

 私は最初、スオウは最後まで人間(非契約者という意味で)でいくのだと思っていたんですよ。
 契約者に人生を狂わされた少女が、それでも契約者を受け入れる。その姿を描くことで、二年前の黒の選択を肯定するのかなーと。
 そんな予想をしていたので、スオウの契約者化には混乱しました(笑)。あれー?と。
 でも、話が進んできて、「あの出来事はスオウが『大人』になるためには必要なことだったのかも・・・」と思うようになりました。

 スオウの日常を完膚なきまでに破壊したあの出来事も、思えば『子ども』世界、すなわち家庭から『大人』世界――社会に出たときに味わう苦難を象徴していたような。
 自分に非は無くても見舞われる災難。変わりのきかないはずの命が、呆気なく消える様。幸せだった恋の終焉。権力に物を言わせて個人を踏みにじる組織。
 これらは保護者がいなくなって、直面することになる厳しい社会の一面で。
 そう考えれば、スオウの体験は『子ども』が『大人』になるまでに通る一般的な過程のダイジェストではないかと。正直、数日で体験するのはハードすぎるとは思いますが(笑)。
 二年前、『子ども』という、未来を受け継ぐ存在だった少女。
 その子が成長し『大人』――現在を担う存在――になって、それでようやく黒の選択を判断し得る位置に着くということなのかな、と。

 ただし、それはまだ先の話で。今のスオウはその途上。
 現時点での彼女は、選択や力の行使に伴う責任をまだ理解していない感じでした。
 具体的には、契約者として任務を受ける時に「わかりやすい」と口にしたり。撃つ際に『理由』を求めたり。
 『理由』は確かに大切だけど、それを踏まえて決めるのは自分で。
 責任を負うのは己自身。どんな経緯があろうと、その命を奪った事実は一生消えない。
 それを思えば、あんなことはとても言えないと思うんですよー。
 「わかりやすい」で殺される人が出てくるかもしれないのだから。その人は、誰かの母親かもしれないというのに・・・

 安易な選択では、予測できた悲劇の芽を見過ごすことがある。覚悟の無い決断は、己を傷つけるかもしれないと、まだスオウは気付いていないのでしょうね。
 傍らの黒さんは、万民を幸せにすることはないだろうとわかっていながら、それでも覚悟を決めて世界の在り様を選んだ人。
 その境地は遥か彼方。そんな彼女を、次回非情な現実が襲うのでしょうか。
 黒さんが急いで駆けつけたら止めてくれるかもしれないですけど・・・他には未咲さんとか?
 レバノン一家(妙な呼称)にちらついてしょうがない悲劇フラグを誰でもいいから折ってほしいのですけどねー。

 『大人』になることで得る力や選択の機会。けれども、どちらにも責任が付きまとう。
 今回の一件はスオウにそのことを気付かせ、彼女を『大人』に一歩近づけるための試練なのだと思います。きっと。
 こうして成長していった先、完全に一人前になった時こそスオウは、契約者と人間が生きる世界に自身の答を出すのではないかと思うのですが。
 三号機関の抱える秘密兵器――未咲さんがその秘密に迫る?――らしきものによっては、スオウの判定は彼女自身の内面の問題に留まらず、世界に本当に影響を与える可能性も有るわけですから。
 責任感は必須ですよ、うん(笑)。

 と、ここまでつらつら書いてきましたが、思いついた別の可能性についても書いてみようかと思います。
 ほら、また展開を読み違えてるかもしれないので・・・当てるために数撃っておかないと(笑)。
 というわけで、スオウが二年前の選択を再度行わないとして、どんなテーマが描かれるのか。
 この前提で出てきたのが、「世界は変えられる」というもの。
 苦難に巻き込まれつつも、それを乗り越え成長していくスオウ。それと同じように、現在は問題だらけの世界も変われる。
 だから過ぎた選択の正否に拘るより、現在を変えてより良い明日を作っていこう・・・・みたいな感じで。
 その際、昔に囚われる黒さんを叱咤するスオウの画も一緒に浮かびました(笑)。こっちルートだと、彼女が完全に主人公です(笑)。

 そんな感じで、ここ数話のスオウの様子から作品全体のテーマを考えてみました。
 うーん、5話についての話をあまりしてないので、そのへんについて簡潔に。
 自分はゴキブリ扱いか・・・と漏らす黒さんですが、親の敵(と思っている状態)としては破格だと思いますよー。
 それから未咲さん、自己紹介直後にセクハラされ、黒の傍にいるスオウが女の子だと気付いただけで「嫉妬?」と絡まれて・・・職場の環境、大変ですね(合掌)。
 そういえば、スオウがちゃんと存在していたようで一安心。本気でただの女の子の行方なんてどうでもよかっただけのようです(酷)。
 双子のママも、今後出会うことになるのかなー。

 そんな感じで今回は終わりにするとします。
 何か、色々出てきた意味深な単語については全然語ってないですが。あの辺は、まだ意味がさっぱりわからないので保留ということで。
 それではー。


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「ノアの方舟に乗る権利、持ってたりしたのよねぇ昔は」(レバノン) 『Darker Than Black−流星の双子(ジェミニ)−』第五話「硝煙は流れ、命は流れ…」のネタバレ感想です。レバノンさんやノリオの失ったものにフォーカスが当たったのが今回のエピソード。
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