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鉄腕バーディー DECODE:02_第10話『It Never Entered My Mind』感想 /テレビアニメ

一言結論:彼女は間に合わず、彼は己に残ったわずかな可能性を、他でもない自分の手で潰した

 以下、ネタバレありです。


 前話の壁の血痕について見返してみたんですが、他が巻き戻っていく中、血の付いた部分だけそのままだったように見えました。
 どういうことなんだろう、これ。
 元は能力使用者であるナタルの体の一部だから影響を受けなかった、というのもちょっと考えたんですが、それだとナタルの服に付いた血も巻き戻らないはずですよね・・・
 わかんないー。まあそのへんはもう関係ないのかも。なんかそれどころじゃないです。

 でもそんな鬱な展開の前に、場を暖めてくれるカペラ・ティティス。
 今期始まって以来のシリアスな素顔(うん、こっちが素なんですよね)を見せてくれますが。
 胸に『4-2 ペ』(韓国人?)とか付けて凄まれてもなぁ・・・しかもブルマで。
 むしろ笑えるシーンになってますよ。迎えの人が地球の字や文化を知ってたら大恥かいてましたって。
 で、ちょっとほろりとするネタをはさみ、最後にオチまでつけて「ちょっと感動しちゃったじゃねえかああ!!」と退場。
 か、完璧です。この偉大なギャグキャラを敬礼で見送りたいと思います。(そういえば軍属!)

 こうしてギャグ担当が不在となった今、ナタルがいよいよデッドエンドへ一直線。
 今回のタセラの死は重い。幼女を惨殺って事実だけではなく、そこに込められた意味も含めるとその重みは倍増します。
 これはさすがに取り返しがつかないかもしれない・・・・

 タセラは『差別を乗り越え仇も忘れて静かに生きる』というナタルに残された数少ない可能性を体現していた存在。
 それを殺してしまったということは。
 救いに繋がる細い糸を、自ら断ち切ったということでしょうか。
 サブタイトルの『It Never Entered My Mind』もここにかかってくるのですかね。

 地球暮らしを気に入っているというタセラの思いは以前明かされていた通り。
 ですがその時はちょっと意外に思っていました。
 宇宙人(銀河連邦の人々)は、地球も地球人も低く見ていた様子だったからです。

 彼らにとって地球人類の文明は『未開』で、肉体能力は『脆弱(アルタ人並)』
 アルタ人に対して差別意識を持っていれば同様に軽んじられてしまう。
 実際、地球をリュンカの実験場にしようと考える奴まで連邦の中枢にはいたようですし。

 そんな低い立場の地球人として生きることは、今度は自分が見下される側になるということ。
 気持ちの問題だけでなく、生活水準も下がる以上その他の点においても好ましくないはず。
 それを補って余りあるほど、自分を引き取ってくれた夫婦がタセラにとって大切になっていたのでしょうね。
 4話でも彼らはタセラについていてくれたようですし。
 でも地球人のふりをするということは、優しいこの夫婦をだますことでもあるのですが。それも覚悟を決めたうえで。

 兄を惨殺されたタセラ。でもナタルと違い、その悲しみを怒りに変え復讐鬼と化すことはなかった。
 やり場のない心の痛みを自分では処理できず、憎しみへすりかえて他者にぶつけることはしなかった。
 それは自分が殺されることに怯えていたからだけではなく、義理の両親が悲しみをしっかりと受け止めてくれたからなのではないでしょうか。
 バーディーを犯人と決めてかかっていた他の逃亡犯たちの中にあって、身内を殺されているのにまともな判断ができていたことを不思議に思っていたんですが。
 そう考えれば納得できるような。

 そうすると、父を殺され人々との絆が絶たれたナタルは酷ですな。
 それも彼をヴァリックと同じ行動に走ってしまった理由の一つなのでしょう。
 今回冒頭のシーンによれば、実父から虐待されて育ったヴァリックは、自分自身が受けた痛みを自分より力の弱いナタルにぶつけていた。
 そうすることで己の憎しみを発散していたのだと思います。
 現在のナタルの行いは、この時の彼と全く同じ。
 わざわざ恐怖を与えて、その場では何もしないところまで。(回想のヴァリックも本気ならナタルを殺せたはず)

 でもナタルを助けた室戸さんは違うタイプの人間でした。
 彼は父親から受けた恩をその息子に返した。
 過去を元により良い未来がつむがれる。復讐とは真逆の繋がり。
 ナタルが真に報いるべきだったのは、命の恩人にして育ての親のダスクさんへの恩だったはず。
 それでも最早残されているのが復讐だけとなったナタルは、そんな室戸さんの元を飛び出してしまいます。

 人間は、常に『正しい』選択をできるとは限らない。
 でも己の行いが間違っていたとわかったのなら、それを改めることは出来る。
 もしナタルがタセラのように生き方を変えることができたとしたら。
 受けた差別への怒りを乗り越えて、仇への憎悪を捨てて、翔子ちゃんや周りの人々に自分の真実を偽ることになったとしても。
 それでも静かに生きると決めることができたら。
 すでに間違った道を選んでしまったけれど、わずかでもマシなことになっていたのではないか。
 自分の『責任』からは目を逸らしたままだったタセラの元にナタルが現れたように、きっと追っ手は来た。
 それでも、バーディーとこんな形で向き合うことにはならずにすんだかもしれない。

 ナタルも自分が破滅への道を進んでいるのはもうわかっているのでしょう。
 だが選ぶべきだった『正しい』道を捨て、残っていた細い『救い』の道は自分で断ち切った。
 だから彼はもう覚悟を決めて、突き進むことにしたのでしょうね。
 守りたかった女の子を悲しませることになっても。
 でもきっと心は痛い。
 頬をつたう赤い涙は、その表れではないかと思います。

 そして、主人公バーディーを襲う苦悩。
 独りになれるというか、彼女がつとむ君と二人きりになれる屋上という場所は前作からしばしば登場しました。
 今回の屋上でのシーン、連続殺人とナタルの関与を疑うつとむ君とそれを否定するバーディー。
 かつて中杉さんにリュンカが憑いていることをつとむ君に言い出せず、悩んでいた時のことを思い出します。

 あの時中杉さんのおじいさんが殺されて彼女の家に入れなかったつとむ君は、隣の建物の屋上で中杉さんのために何かしようと必死で。
 バーディーは彼女がリュンカごと処理されることを知り、心を痛めつつも自分の『責任』を果たそうとしていた。
 今度も、ファロイドの死んだ場所でナタルとの思い出の品を見つけて、彼女の中ですでに答えは出ていたのでしょう。
 ただ、それが誤解であってほしい、という願いまでは消しきれなかった。

 疑っていたのは事実、でもナタルを信じたかったのも同じように事実。
 だからナタルの所業にショックを受けても心底からは驚かず、かといって彼を捕まえることもできなかった。
 「なんで逮捕しなかったの! 連邦捜査官でしょ!!」と自分自身へ叫ぶことしかできなかった。

 その一方、モスとガトールが手に入れたのは核?
 クライマックス、やはり彼らも大人しくしているつもりはない様子。
 つーか首が千切れてましたよ。今回はさながら残虐描写の総集編。タセラを直に映さない分、そこで補充?
 今までのナタルの行いを再確認すると、もう彼は諦めざるをえないかと余計思えてしまいます。
 だれかのフォローが欲しいところ。室戸さんだけじゃ弱いんで、翔子ちゃんとか。
 でももう誰のフォローでも救えないところまで来てしまった気も・・・・

 次週を見るのが怖いですよ。
 まあ、これ以上落ちようがないって思えば・・・
 そういえば、増援ってのは誰が来るんだろ? またネーチュラー? でもこの件、あの人の担当じゃなさそうだけどな・・・
 そんな感じで不安がいっぱいですが、次回を待つことにして。
 それではー。



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鉄腕バーディー DECODE:02_第9話『Space,Time,and You』感想 / テレビアニメ

一言結論:過去がもとで全てを奪われたナタルに与えられた、もっとも相応しい力

 逃亡犯側の追撃で追い詰められていくナタルが土壇場で目覚めたのが時をさかのぼる力。
 元より有ったジャンプ能力(平たく言うとワープ。ファロイド殺害時に見た時には、機械によるものだと思いましたが)に加え、なんとタイムスリップ。
 バーディーと互角のモスを撃退と、いきなりランクが跳ね上がった気がするんですが。
 アニメの『機動戦艦ナデシコ』では、時間移動が可能なら空間の移動も自由、って理論でしたが同じ理屈でしょうか。

 ただ、能力がイマイチ不明瞭というか、正直よくわからなかったです。
 自室での最初のタイムスリップ時は、過去の自分に巻き戻ってその時間をやり直すって感じで。
 でも病院からの二度目の時には、当時の学生時代のナタルが現在のナタルとは別にいましたし。
 一度目と二度目では様子がかなり違ったので、タイムスリップの種類が違ったのかも。

 一度目の時は、過去が変わりました。
 自分の行動を変えることで、時間を巻き戻す前(の記憶)と違う結末を得たのです。
 二度目の時は過去に干渉はしたけれど、その干渉が反映された記憶をあらかじめ(過去へ行く前から)持っていて。
 だからナタルには過去が変わったという認識が無い、と。
 文章にすると何だか余計ややこしい。
 そういえば二度目、過去にたどり着く直前に干渉不可の過去の映像がナタルには見えていました。
 あれは能力の発動直後、いわば助走中の出力が弱い状態?
 この辺は情報不足で保留ですかね。

 そういえば先週語っていた親友との出会いのきっかけが、予想以上に深い意味を持ってきました。本当に伏線だったのか。
 小説版での六本木のリュンカの犠牲者の思念の描写に「兄妹二人きり生きてきたんだ」という記述がありましたが、これは翔子ちゃんのお兄さんのもの?

 で、そのいまだ未知数の能力が覚醒したおかげでどうにか生き延びたナタルでしたが、彼は全てを失ってしまったと言えるでしょう。
 帰る家、自由に動く身体、親しい人々との繋がり、理学療法士としての将来、一人の人間としてのこれからの人生。
 過去を手放せなかったために、現在と未来を崩壊させてしまったという。
 そして覚悟を決めた彼は、バーディーにも別れを告げる。
 バーディーが追わなかったのは、突然のキスに本気でびっくりしたからなのかな。
 「(ナタルは)友人です」の台詞はどうも素っぽいんだよなー。

 ナタルが力を欲したそもそものきっかけは、バーディーの弱さを知って彼女を守りたいと思ったことが始まり。
 復讐なんて始めなければ、せっかく再会した彼女を欺くことにはならなかったはず。
 でもバーディーとの繋がりを自ら断ち切ったのは、彼女をこれ以上巻き込みたくなかったからか。
 薬を取りに行かせたけど・・・まあ壊れた部屋を見せることで決別の布石にして、自分を後戻り不可能な状況に追い込んだということにしておきますか。
 そういえばダスクさんの葬儀で犯人逮捕を誓うバーディーを眠らせ、自身が報復に赴いたのも彼女を守るためだった可能性も出てきたかなー。
 九割が復讐心だったとしても、残り一割くらいにはそんな気持ちがあったのかも。
 まあ逃亡犯の誤解から、その後イルマ社長を人質にバーディー呼び出されてましたけど。
 そこはかとなくナタルは詰めがあまいなあ。部屋に始末した対象の写真をわかりやすく×付けて貼ってるし。

 我が家のバーディー感想記事では恒例の『責任』観点。
 ナタルが背を向けたところで彼の負うべき『責任』は決してなくならず、それが雪崩のように押し寄せてきたのではないかと。
 視界から追い出して自分は安泰だと思っていた。だけど目を離しているうちにそれらはすぐ傍に迫っていて、逃げる間もなく直撃を受ける。
 『責任』からは逃げられないということでしょうね。

 そういえば、将来を制限されたバーディーの力は、他者以上に自由に跳び回ることのできる身体能力。
 己の『責任』から目を逸らし過去に執着するナタルの力は、障害物を無視して移動できるワープ能力にタイムスリップ。
 双方望んでいるものを得たようですが、それが原因となって命の危険に晒されることもある。
 ダスクさんの「イクシオラはお前の考えるほど良いものではない。得るものがあれば失うものも有る。その逆もある」という言葉は全くもってその通りかと。

 ナタルは、ダスクさんが亡くなった時に反省するべきだったんでしょう。
 あそこで終わりにしていたら、こんなことにならなかったですよ。父親殺されてお終いにしろなんて、難しいことだけどさ。
 父に罪を着せて死なせることになった軽率な自分から脱却し、人の為に尽くすっていう一生もありだったろうに。
 なのに、ここまできてもなお復讐を続けるんですね(予告参照)。

 でもナタルがラスボスだとすると、バーディーと戦う理由が無いんです。逃亡犯たちには有りますが。
 強敵の存在に喜びを覚え、痛みを「懐かしい」と言い、楽しげに「戦争だ」と口にするガトールとモス。
 彼ら軍人コンビはなかなかに器が大きいようです。職業柄、責任の取り方を心得ていたりすると更に大物度が上昇します。
 ぜひナタルからラスボスの座を奪い取ってほしいものですな。
 モスとバーディーのバトルは見ごたえがありました。
 この作品のバトルの売りはやっぱりプロレス的な肉弾戦にあると思うんです。
 スタイリッシュなかっこよさでは武器戦闘には及ばないですが、血のたぎりぐあいは断然こちらが上。
 ていうか、タイムスリップ+ワープとの戦いってどうなるのやら。
 ラスト、ナタル放置で女同士のソーゼツな殴り合いで視聴者びっくり、なんてのはどうでしょう。

 次回予告、黒幕からギャグキャラへ華麗な転身を果たすことで生き延びたカペラ・ティティスが大爆発。
 一揆と二期ではキャラ設定が大幅に変更されたであろう彼女。ナタルはこちらの先達を見習うべきだと。
 通称かんなぎ制服も、カペラの境遇を暗に示しているような、そうでないような?
 出番はもう無いのかと思ってましたが、ご活躍が楽しみです。
 あ、でもやっぱりナタルが最終話のエピローグであんなになってたら色々台無しですね。
 
 それからナタルの部屋の壁の血痕。あれが付いたのって、時間が巻き戻る前? 後? 再放送でチェックしようかな。



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鉄腕バーディー DECODE:02 _第8話『Falling in Love with Love』感想 / テレビアニメ

一言結論:拠り所を失った偽りの"Avenge"に幕引き


 幼少期のバーディーのエピソードからクライマックスへの間にはさまれた、緊張を和らげてくれるエピソード。
 ですがラストの展開を見るに、そんな機会はもう来ないのでしょうね。
 バーディーとナタルが二人一緒に笑う姿は、これで見納めになってしまうのでしょうか。
 最後の出来事は衝撃的でしたが、そのための準備は着実になされていたと思います。

 今回の鍵を握る人物は、ナタルの亡き親友の妹・翔子ちゃん。彼女に引き取り手が見つかったことでした。
 結局その件は保留になったわけですが、彼女の立場には変化が起こったと言えるのでは。
 翔子ちゃんは唯一の肉親たる兄をリュンカ事件で失い、自身も身体に怪我を負って車椅子で生活を送ることになりました。
 彼女が心身ともに痛みを受けた事実は消えません。
 ですが、彼女を気遣ってくれる優しいおじさんの元で新しい暮らしを始めることは、その事実を『過去』にすること。
 新たな人生を生きるには、現在進行形の『被害者』ではいられないわけです。
 彼女はこれからは前を向いていかないといけない。
 どんなに過去が優しくても、あるいは重くても、現在を投げ出してはいけない。それはバーディーの過去エピソードに至る部分でも描かれていました。
 ずっと車椅子で病院暮らしの翔子ちゃんが、今回松葉杖を使いながらも外へ自分の足で歩き出した。(そして一度帰ったのも)
 前述したことを踏まえるとこのことが、彼女の現状を象徴しているようにも見えます。
 元通りにはならなくても、彼女は自分で歩けるまでになった。時間はまだ必要ですが、一歩ずつ前進していくのでしょう。
 こうして翔子ちゃんは『被害者』を脱しつつあるわけです。

 今回の出来事にはもう一つの原因がありました。それが翔子ちゃんのナタルへの恋心です。
 以前よりナタルに想いを寄せている様子だった彼女が、バーディーとナタルの親密な様子に抱いた嫉妬心がこの一件の原動力となりました。
 兄の親友ではありますが、ナタルを兄の代償として見ているわけではないようですね。
 父親を亡くしたナタルを慰めようとしていましたことがありましたし。
 彼女にとってナタルは、自分を支えてくれる人・甘えさせてくれる誰かというだけではないということでしょう。
 好意を抱いている以上、相手にはちゃんと自分を見てほしいものだと思います。
 兄を慕っていたとしても『親友の妹』として見られたくはないはず。
 つまりナタルが『兄代わり』であることを、翔子ちゃん自身は望んでいないはず。

 話はちょっと逸れて、逃亡犯達へのナタルの復讐行為。
 これを正当化し"Revenge"(私的な恨みを晴らす)ではなく"Avenge"(悪への正義の報復)とするには、根拠が必要なわけで。
 それに最適だったのが翔子ちゃんだったのではないでしょうか。
 彼女は、何の罪も無いにもかかわらず事件によって家族を失い傷を負った『被害者』で。
 自分は、親友亡き今『兄代わり』として彼女の苦しみを少しでも和らげなければならない。
 そんな論理がナタルの思考には多少なりとも存在したのでは。
 先のリュンカ事件で犠牲になった人は他にも沢山いますが、一番身近な翔子ちゃんこそが、彼ら他の被害者達を象徴する存在。
 ナタルにとって自分の行いを正当化するのに大変大きな意味を持つわけです。
 そんな彼女が『被害者』『兄代わり』という事柄を必要としなくなるということ、それは"Avenge"が拠り所を失うことに等しい。
 自分の行動の責任を他者にお仕着せしてごまかしていた以上、その"Avenge"の崩壊は自身では止めることができないのです。
 その時に合わせるようにモスが放った一発の銃弾で、あっけなく彼の『正義の復讐』は幕切れに至った、と。

 予告によるとナタルはまだ死んではいない様子。
 むき出しになった"Revenge"が、彼を突き動かすのでしょうか。
 そういえば、前回の無言予告を間に挟んで、予告が子どもバーディーから変わりましたね。
 現在のバーディーというよりは、バーディーの声のナレーションといった感じがしました(最後の一言を除いて)。
 これはバーディーが過去を乗り越えた、ということなのか。
 皮肉にも、代わりに現在が大変なことになってますけど。

 そういえば今回、郵便受けの名前や写真から翔子ちゃんのお兄さんの名前や容姿が明らかになり、ナタルの言葉からもその人物像が伝わってきました。
 でも、彼はナタルの復讐の原因の一つになるほどの重要人物なんですよね。その人と親しくなったきっかけが「大きな音がして」って何よ? 何かの伏線?

 それからナタルの出生や力の秘密も明かされました。
 ダスクさんと実の親子ではないとは知っていましたが、まさかイクシオラの失敗作とは。
 復讐に用いるあの強大な力は、お父さんと同じく体を機械化しているのかと思ってましたがハズレでした。
 そういえばダスクさん、お亡くなりになってからも、バーディーの記憶や回想シーンで何かと出番があるような(しかも若い姿で)。
 ナタルの体の不調もこれが原因でしょうし、復讐を諦めたところで死亡フラグは残ってしまうかなー。宇宙人の医療技術で何とかなるといいんだけど。
 でも、翔子ちゃんに引き取り手が見つかったというのは、彼女はナタル不在でもハッピーエンドに持ち込めるようになったってこと? そこが怖い。
 仮に命が助かったとしても、ナタルは今までと同じ暮らしは出来ないってことですよね。
 確かに殺人犯だしなー。でも、翔子ちゃんと今生の別れになるのはかわいそうだよなー。

 あとおまけで気になったこと。
 冒頭のお風呂のシーンでバーディーがつとむ君に「覗いたー」って言ってたけど、あれはバーディーが裸の時はつとむ君は見ないようにしてたってことなのかな。
 バーディーの体で着替えの時にえらくうろたえてたつとむ君に「普段はどうしてたんだよ」って思ったんですが。
 それからナタルは二心同体どころかつとむ君の名前も今回まで知らなかったという。
 あと早宮さんと須藤くんはデート中?
 そしてバーディーはタクシー料金払いなさいって。

 バーディーとナタルはナチュラルに仲いいですよねー。あれだけ接近して互いを意識している様子がまるで無い。
 ナタルがバーディーに片思いっていうのは、翔子ちゃんとつとむ君の説ってだけで実は裏づけは無いのかもしれない。ナタルの「片思いに気付いてもらえないんだよー」は本気かどうかイマイチわからないし。
 そういえば、ナタルはまたバーディーの手を握って助け起こしましたね。
 ナタルの本質自体には変化は無いということ、或いは昔と二人の関係は変わってないという現れですかね。
 ダスクさんの死の前後ちょっとぎくしゃくしてた気がしたんですけど、今回何事も無かったかのように一緒にいたし。
 ナタルの地球在住はつとむ君の口からバーディーの上司に伝わっているんですけど、バーディーはそれを知っているのかな?

 二人の親密さに室戸さんの疑念も少し和らいだようですが、それもバーディーの肉体能力を見たからには完全じゃないだろうし。
 この伏線は回収する暇これからあるんだろうか。
 一期のゴメスとかカペラの今後とか、イルマ社長の千明家訪問など、これらいろいろに全部収集がつくとは思えないんですが。
 三期あるのかなー。1クールで三期まで続いたものって『ゼロの使い魔』くらいしか出てこないんですが。うーむ・・・

 そんなことよりおそらく次回から最終局面、覚悟決めてみた方がいいかもですね。
 というわけで今日はこの辺で。



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鉄腕バーディー DECODE:02 _ 第7話『We Will Meet Again』感想 / テレビアニメ

一言結論:今の彼女が手を握るのは、母親ではなく相棒


 バーディーの過去エピソードの終着地点、ということで今まで何度か耳にした彼女の『狂戦士(バーサーカー)殺し』という呼び名の由来が描かれた回。
 でも敵を倒す幼いバーディーの姿からは肉体的な『強さ』だけでなく、精神面の『弱さ』が感じられました。
 前話の感想記事で、力を与えられた代わりに可能性を制限されたバーディーは『子ども』と呼べるのだろうか、という疑問を述べたのですが。
 けれど、母親という存在を求める彼女の姿は紛うことなくなく子どもでした。
 責任や力を与えられ、言わば『大人扱い』を皆にされているバーディーは無条件で自分を受け入れてくれる誰かを欲していたのでしょうね。
 彼女はその役目を、自分を育てるヴァイオリンにあてがった。
 それ故、破壊されロボットの部分を晒すヴァイオリンを彼女は「違う!」と否定した、ということなのだと思います。
 助けてくれた正体不明の人物を慕っていたのも、自分を守ってくれる存在が欲しかったからなのかな。
 バーディーにとって、ヴァイオリンは自分に無償の愛をくれる『母親』でないといけない。
 プログラムに従って自分を養育していただけの『機械』などであってはならないわけで。
 手のぬくもりをくれる人を切望していた少女。だから『母親』という求めてやまない理想の存在を得るために記憶を曲げていた、という展開にも筋は通ると思います。
 でも「俺は彼女(バーディー)の家族も好きだった」と言っていたナタルは、ヴァイオリンのどの辺を評価していたのですかね? 彼も母親不在だし、ある種の憧憬があったのでしょうか。

 そのナタルは、バーディーの抱える孤独をわかっていたようです。
 気付いたのですが、バーディーには孤独を理解してくれる人、あるいは分かち合う人が誰もいなかったんですよね。
 メギウス警部や教官・級友達は、種族が違って。
 ナタルは年は近いし同じアルタ人だけれど、暮らす環境が違うし『イクシオラ』でもない。
 ヴァイオリンは、感情を持たないロボットということが今回明かされました。
 これは寂しくて当然ですよ。
 で、そんな状態の彼女なら、ナタルに好意を寄せられていたとしても気付けないのも無理はないのか。
 当時のバーディーが欲しかったのは、そういう恋愛的な愛情ではなく、親からの愛情だったのだから。
 まあ今回の描写だけでは、彼の感情は恋とまでは言えない気もしますが。
 強いと思っていた少女の弱い一面を見て、彼女への印象が変わったのは間違いないでしょうけどね。でも庇護すべき存在になっただけとも言えるか、うーん。

 話を戻して、そうした過去をバーディーは乗り越えた。
 ヴァイオリンが命令に従って自分を育てていた、という側面も認めたうえで「それでも彼女が大好き」という結論に辿り着いたのだから。
 過去を放り出しては大人にはなれない。抱える過去の総量が増えるにつれ、人は大人になっていく。ってことなんですかね。
 『子ども』であるつとむ君の過去の描写がほとんどないのは、おそらくそのためだと思います。
 両親は不在で姉の出番は少なく、幼馴染の早宮さんもその特性をあまり感じさせないし(前向きに己の夢を追う彼女は、思い出にあまり関心が無い?)。
 反対にバーディーは、今期メインのヴァイオリンやナタル以前から、教官やネーチュラーなど過去(のエピソードの存在)を匂わせる描かれ方。
 最近では普通の高校生のつとむ君より、今に至る人物像をしっかり見せてくれたバーディーの方に感情移入してしまいそうです。
 小さいつとむ君や早宮さんが出てきたのって、精神融合しかけた時(子どものつとむ君がヴァイオリンと手を繋いでたシーン)くらいでは。
 それから更に言えば、この『過去』とは『かつての自分の行動の結果』と言えることから『責任』の話題にも繋がってくるかと。

 つとむ君と、バーディーと。サブタイトルにもあるように、そんな二人の再会。
 ベッドで目覚めてヴァイオリンを呼ぶバーディーが、それまで見えなかったつとむ君の姿を認め、名前を口にする。
 映るのは二人の影だけで。手を引かれて起き上がった彼女の背が伸びていって、彼の頭の高さを追い越していく。
 オープニングの歌詞にもつながりを感じたシーンで良かったです。「キミとボク、めぐりめぐる永久に」の部分を思い出しました。
 二人の主人公の関係にも大切な一幕で、ここが二期のメインテーマを象徴する収束地点なのではないかと。

 それでちょっと思ったのですが、現在バーディーより背の低いつとむ君。
 物語の終わりに、彼がバーディーの背に追いつく(もしくは追い越す)っていう展開になったら、少年の成長物語としてすごく綺麗にまとまるのでは。
 まあ、修復中の肉体が成長するのか、とか、つとむ君が自分の体を取り戻すまで何年かかるんだ、とかいろいろ問題はありますけど。
 でもかっこいいよ単純に。ソレ希望です、うん(勝手に)。

 まあ、そんな妄想はさておいて。やっぱりナタルを救うのはバーディーなのかな、と思いました。
 前回、つとむ君と翔子ちゃんの活躍に期待、とか言ったばかりですけど。
 今回のバーディーの手を引くつとむ君を見て、回想のナタル初登場シーンを思い出したんですよ。
 今期の冒頭で(更に過去編の中でも再度繰り返し)描かれたのは、バーディーに手を差し伸べるナタル。
 で、つとむ君の差し伸べた手でバーディーは現実へと帰ってきた。
 今度は彼女がナタルに手を差し伸べて、彼を救う、と。
 この方向でいきましょうよ、そうすりゃ死人出さずに収まりますって。
 この作品、名前の有る無し問わず結構死傷者出るんですよね。カメラフレームの外で死亡し、情報のみもたらされるっていうのもあるし。
 もう誰も死なないで事態が解決することを願って。今回は締めます、パン(拍手←"はくしゅ"でなく"かしわで")。

 でも無言で真っ暗の予告がこわいんだよなー。
 単に過去エピソード終った直後だから子どもバーディーのナレーションを控えただけ、だといいんだけど・・・
 ラスボス化回避のためだとしても、死ぬなよなーナタルー。



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鉄腕バーディー DECODE + DECODE:02_まとめ感想2 / テレビアニメ

 一言結論:敵は『無責任』だ!

 先日の『責任』という点を意識したキャラクター解説の続き。今回は、敵(サブ)キャラクター編です。

 『責任』の取れるちゃんとした大人であるバーディーと、その予備軍として現在修行中のつとむ君。この二人の敵はその逆『無責任』であったと思います。
 しかもその『無責任』は一期と二期で異なるタイプが描かれているように見受けられました。
 シャマラン筆頭の一期の敵は「セキニン? 何ソレ、おいしいの?」って感じで。
 ナタル含む二期の敵は「原因は向こうなんだ、俺は悪くない」って感じではないかと。

 クライマックスのネタバレもあるので、念のため以後は続きから。

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