宙のまにまに_第7話『月とキンモクセイ』感想 / テレビアニメ
一言結論:彼らの部活は何故『それ』なのか
ネタバレありなので、以下は続きから。
今回は、草兄先生の言葉が深かった。
世に部活マンガは数あれど、ここまで主人公が『その』部活に打ち込む理由を計算して配置しているのは初めて見ました。
メタな見方ですが、本当にすごいと思いました。
幼馴染への親しみとも恋愛ともつかない朔ちゃんの美星への微妙な感情。
正直、恋愛もののお約束の通過点だと思っていたのですが・・・浅はかでしたね。
名前が無い、なんと呼べばいいのかわからない気持ち。それが『天文』というものとこう繋がってくるとは。
いやー、唸りました。あえて詳細は言いませんが。
冒頭の『Vega』の名前の説明のところも後の展開の暗示だったわけですなー。
もちろん、主人公含む登場人物が打ち込む理由が描かれるのは珍しくはないです。
でもそれはドラマの一部として、読者や視聴者を感情移入させるために描かれるのが大半で(もちろん面白ければそれで充分ですが)。
それが設定やキャラクター造形(しかも内面的な)にまで関わってくるのはそうはないと思います。
たとえば、孤独な主人公が仲間の大切さを知る、というストーリーラインがあるとして。
それを廃部寸前のサッカー部とかを立て直す過程で描く、というのは結構あると思うのですが。
これがどうしてもサッカーでないと駄目な作品というのは、あまりないと思います。
野球とか他のチーム制のスポーツでいけない所以は、主人公の過去やらヒロインの立ち位置とかその辺りにある。
つまりはキャラクターに委ねられているのが多いなか、物語構造にまで踏み込んでいたのが新鮮でした。
メタ視点はこのくらいとして。
学生達は、多少のすれ違い(聞き込みしてたら噂が広まってたりとか)は有りつつも一歩ずつ前進したようで何より。
寂しさに負けないよう頑張る美星。勇気を出してノートを渡す姫ちゃん。引いているのは自分自身だったと己を見つめなおす朔ちゃん。
みんな頑張ってる!
美星の「わかんない」という言葉がちょっと意外でした。存外、彼女にとって朔ちゃんは大きい存在なのかもしれませんね。
この子の気持ちに名前がつく日が楽しみです。
今回の話を鑑みると、恋愛にならなくてもその気持ちにちゃんと意味はあるのだろうと思えて、それがいいなぁと思います。
仮に姫ちゃんの落としどころになるとすると、かわいそうですが・・・まだわかりませんし。
朔ちゃんは、自分がいない時でも皆(草兄に自分のことを話していた幼い美星や、ノートを手渡してくれた姫ちゃん)が自分のことを忘れないでいてくれたことを知って。
自分の居場所は残されていたとわかったことは大きいと思います。
草兄先生は美星を大切に思っているだけじゃなく、きっと朔ちゃんの気持ちも分かってくれているのだろうなぁ。
根無し草で大学に居場所がなかったみたいだし。
フーミン会長もアドバイスをしてくれたし美星も小夜先輩(同年齢ですが朔ちゃんの呼び方で)が心配してるし、この作品は精神的に大人の組と子どもの組に分かれる感じがします。
そんな感じで、今回の感想はこのくらいで。肝心なところをぼかすとあんまり詳しく書けない・・・
それではー。
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