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おすすめマンガ◆SDガンダムフルカラー劇場/あずま勇輝▼コミックボンボン⇒テレまんがヒーローズ

 以前に紹介した『海の大陸NOA』と同じく元ボンボン連載の4コママンガ。
 現在では「テレまんがヒーローズ」という季刊雑誌の方で『SDガンダムフルカラー劇場 TM』として連載中です。
 1997年連載開始という長期連載作ですが、4コマということで一月のページ数が少なく全10巻。
 ボンボンのコミックスには珍しく、青年誌等の単行本に見られる大型コミックサイズになります。
 『TM』の方のコミックスは未発売。月刊連載の時でさえ年に1冊だったのが3ヶ月に1冊の季刊に移ったことで、最新巻の発売時期はいつになるやら・・・・

 内容はタイトルにもあるように、二頭身のガンダムのモビルスーツたちによるギャグ4コマ(ときどきショートコミック)。
 注意すべき点と言えば、カラーマンガではないことですかね。表題の『フルカラー』というのは、元になったガシャポンの商品名に含まれているフレーズなのです。
 ガンダムやザクといったモビルスーツ(以下MS)やモビルアーマー(以下MA)たちが、キャラクターとして活躍します。
 ご飯食べたり風邪引いたりと擬人化(見た目が人間になってるわけでなく、メカのボディが人体と同じように扱われている感じ)されており、ガンダム本編を知らない方でも楽しめますのでご安心を。

 特徴としては、登場キャラクターの数の多さ! 8巻途中で400体に到達しました。
 テレビシリーズではファーストの『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』まで。その他のガンダム作品からもMS(と一部人間)キャラが続々と出演します。
 『機動戦士ガンダム00』のキャラクターは『TM』からの本格参加です。
 まあ中には、1コマしか出番のないキャラとかもいるのですが、それは仕方のないことかと。

 ヒロイン等の関連MSの無いキャラは、頭身高めの人間キャラとして登場してくれますよ。
 作者さんは、年に一度は水着のお姉さんを描かないと死んでしまうらしいので(笑)
 だから、2頭身のMSの兄に、その4倍は背丈のある人間の妹、なんていう構図が普通に存在する世界です。

 内容としては、季節ネタや年中行事の話が多いです。
 特に運動会は恒例イベント。レギュラー vs 新キャラ、男子チーム vs 女子チームなどパターンを変えて何度と無く催されています。
 おおよその年間スケジュールは。

 春。ピクニックして、ぽかぽか陽気にダラダラして、お花見して、新キャラ登場して。
 夏。海行って、キャンプして、怪談大会して、新キャラ登場して。
 秋。食欲の秋して、台風に大騒ぎして、運動会して、新キャラ登場して。
 冬。クリスマスにお正月して、雪合戦して、バレンタインして、新キャラ登場して。

 こんな感じで年が過ぎ、また新しい一年が同じように進んでいく感じです。
 海や山に行ったり雪かきしたりしていますが、舞台は概ねコロニー内のようです。
(海水浴コロニー“しおさい”と、キャンプコロニー“やまびこ”という名前が確認できました)

 ちなみに本編内の対立関係ですが、これについてはあまり気にしなくてよいです。
 初登場時にはその辺にちょっと触れるのですが、そうした因縁はどんどん忘れ去られます。
 基本的に平和。キライあっていたりもしますが、戦争などとは無縁。むしろ、そのあたりを真面目にやってると馬鹿を見てしまいます。
 (勝利を得ようと)がんばってたのに報われなかった最新作ラスボスに「・・・なんていうか、こう・・・いろいろアホらしくなるでしょう?」なんて、旧作のラスボスからアドバイスするシーンがありました。

 この作品の好きなところを挙げるとすると、何といってもその台詞回し。
 比較的低年齢を対象にした雑誌ということもあってか酷い悪口や罵詈雑言は控えめですが、ツッコミが笑えるんです。
 大声で爆笑というより、肩を震わせて笑いが漏れるって感じですかね。さらっとおもしろいというか。

 例えば、バージョンアップしてブルーの機体になったことで沈んでいる友人への不良キャラのツッコミ台詞。
「マリッジとかマタニティとかそんな感じか! ご婦人カンケーばっか!!」
 不良が『ご婦人』なんて単語使うとこなんて、他に見たことないですよ。
 その後ブルーの彼にひまわりのペイントを施すがうまくいかず「青に映えるんだけどなあ、ひまわり・・・!」と項垂れる。
 ワルぶってるやつですらこんな感じ。
(ちなみに周囲はそんな彼らを『理念のなさそうな子』と見ているようです)

 では各巻の解説を。メインは登場キャラクター紹介です。
 さすがに全員は無理なので、主人公側・ガンダム機等の一部にしぼっております。



  1巻
◆ガンダム/ガンキャノン/ガンタンク/ジム/ボール/シャア/ララァ(MA)/ギャン/ザク/黒い三連星(ドム)/旧ザクじいさん/ビグ・ザム等『ガンダム』組登場

◆マーク2三兄弟/ディジェ/百式/ゼータ/メタス/ジ・O(通称ジオ)/サイコガンダム/バウンドドック/キュベレイ/みねば等『Zガンダム』組登場

◇シャアのバリエーションは、ザク・ズゴッグ・ゲルググ・ジオング・リックディアス・百式

□ポスター付録

  2巻
◆ダブルゼータ/リィナ/サイコガンダムマーク2(通称ニサイコ)等『ガンダムZZ』組登場

◆νガンダム/サザビー等『逆襲のシャア』組登場

◆ターンエー/カプル等『∀ガンダム』組登場

□ポスター付録

  3巻
◆アレックス等『ポケットの中の戦争』組登場

◆主人公側5機等『ガンダムW』組登場

◆GP三兄弟等『0083 STARDUST MEMORY』組登場

◆シャイニング/マスター/風雲再起『Gガンダム』組登場

◆陸戦型ガンダム(通称リッキー・次巻にてEZ-8に)/アプサラス等『第08MS小隊』組登場

□ポスター&ポストカード付録

 4巻
◆F91/ビギナ・ギナ『F91』より登場

◆V等(人間タイプの女性陣)『Vガンダム』組登場

◆ブルーディスティニー/イフリート改『THE BLUE DESTINY』より登場

◇シャアのガンダムバージョンが登場(キャスバル専用ガンダム)

□ポストカード付録

●あずま先生(原作者)出演



 5巻
◆セイラ/ガルマドップ/ゼータプラス/ゴッドガンダム/デビルガンダム 登場

◆メイン5機/バクゥ等『SEED』組登場

◆ダブルエックス等『ガンダムX』組登場

□ポストカード付録/特別番外編『ブオーがいく!!』

●Tちゃん(アシスタント)出演



 6巻(amazonに画像無し)

◆フリーダム等『SEED』主人公組バージョンアップ機、敵側ガンダム登場

◆本作品オリジナルキャラクター、サンダーガンダム登場

□ポストカード付録



 7巻
◆ストライクルージュ/インパルス等『SEED DESTINY』組登場

■RPG編:その1

□カバー下マンガ



  8巻
◆デスティニー等『SEED DESTINY』組バージョンアップ機登場

◇シャア新バージョンとしてドムが登場

◎RPG編:その2

□カバー下マンガ

 9巻
◆スターゲイザー等『SEED STARGAZER』組登場

◎RPG編:その3

□カバー下マンガ



 10巻
◆デストロイ/ケルベロスバクゥハウンド登場

◆エクシア顔見せ(本編1コマ、台詞はカバー下「オレがガンダムだ」のみ)

◎RPG編:その4

□カバー下マンガ


 こんな感じです。
 以下は、個人的な名台詞・名シーン集。言い回しが好きな作品だけにしぼるのに苦労しました。
 ネタバレ(というか4コマなのでオチ)が含まれますので、続きからどうぞ。



 「 」外のコメントは、状況説明や感想等こちらで付けたものですのでご注意。
 ほんとは他にもいろいろあったのですが、文字だけでもわかりやすいものを選びました。


「・・・・お兄さんにもわかるように1から説明してくんないかな?」
 困った新入りを前に怒りに震える主人公。すごく怒っているのに汚い言葉は使わないっていうのがこの作品の『らしさ』だと思います。

「・・・なあ。ガーベラ・テトラっていつから俺たちのお母さんになったんだ・・・? なにこのマザー口調」
 知人から受け取った手紙の文面があまりに母親チックで腹黒キャラさえ硬直。マザー口調て。

「いちいち叫ばないと死んじゃうのか、このフォルテシモ野郎!!」

 シャイニングはゆる〜いこの作品では珍しい熱血キャラ。ツッコミを入れるのも大変です。

「・・・驚かせてすまない。私は“ぷりべんたー”のトールギス3というものだが」

「・・・プリペイド?」
「支払ってどうする?」
 ツッコミが疑問系というのもよくあるのです。
 ちなみに作品中では、キャラが所属する組織・勢力の名称はひらがなが使われています。

「・・・ギャンて、よくそういう状態でウチにくるよね」
 縄で縛られて連れられてきたトラブルの元凶に対して。全く驚かないあたり慣れたものです。

「しゃべった! ヘビーアームズがまともにしゃべった!」
「でも聞き流せ!!」
 無口な彼が何か言ったと思えば、真冬なのに「流しソーメンしたい」。満場一致で無視決定。

「矢がまっすぐ飛ぶだけのものだと思うなよ!!」

「・・・思うよ」
 前に向かって射た矢が、真後ろの敵の眉間を射抜く。味方とはいえ不可解な。

「だれだァ―――ッ!!! この気色悪い疑問形!」
「おお、初ツッコミ初ツッコミ。混ぜといた甲斐があった」
 年賀状の中に「明けました?」と書かれたものが混ざっていたディスティニーの絶叫。
 お隣の犯人は彼のリアクションに満足げ。


「あえていおう、やっぱり!!」
 己のチームを捨てて女に走った総司令。
 捨てられた部下達ですが、どうやらそんなに信じてなかったようです。

「お――い、サイサリス―――、サッちゃ―――ん、サリ―――ちゃぁ――――ん!?」
 自分の名前にコンプレックスを持つ弟を大声で呼びつける性悪兄。いつもそんな感じ。

「そーだな、ソーメンくらいしか食う気しねぇな!」
「ソーメンならまだしもねぇ――」
「なに? ソーメンもないの? 最低」
(ソーメン食いてえならそういえよ!)
 「メシでも食って落ち着け」という提案を「馴れ合う気は無い」と即却下した不良3人集。でも結局食べました、ソーメン。 

「とりあえずそこのマゼンタ九十%なキミ!! 自己紹介なさい!」
 この台詞を振られたのはイージスガンダム。

「あったのか舌」

「あったんだ歯」
 早口でしゃべって舌を噛んだらしいキャラ(もちろんMS)に。
 そんな部品は無い、とかツッコムだけ野暮。

「も――暑さふっ飛ばすようなおっかないの期待してるからね!!」
「あつさをふっとばす・・・」
 ・・・・・
「というわけで、いちばんあつくるしいやつを」
(ふっとばした黒焦げのキャラを傍らに)
(今ローソク消すとこかなあ)
 百物語、開始直前の会話。
 このマンガの最強キャラ、ガンタンクがやってくれました。

「〜〜〜なっ何するんだイキナリ! ゼータなんにもしてないだろ!?」
「・・・・・キャラが・・・・キャラがかぶりそうだから、始末しておいた」
(・・・報われない・・・)
 出会い頭の相手をライフルでぶっとばしておいてこの発言(ちなみにウイングガンダムゼロカスタム)。

「こんなときには砂風呂です!」

「だからどうして埋めちゃうかなぁ」
 発掘大好きターンエーは、その前段階としてしばしば生き埋めを敢行します。そんな彼に入るツッコミ、かからない制止。

「オマエもスーパーガンダムにパワーアップだ!!」

「おおっ!?」
「そしてオレはただのガンダム――」
「ガンダムさん、ここ盛り上がるトコだからっ!!」
 乗ってくれない先輩となだめる後輩。

『祈れ仏教 神だから!!』
 人気投票のはがきに書かれていた、ゴッドガンダムへの投票理由。仏教はゴッドと違うような。

「もうねちゃえ」
「敵か味方かこのペンギン!!」

 番外編。眠い作者とアシスタントTちゃんのやりとり。
 Tちゃんは大きなペンギンさんとして描かれています。並ぶと作者より長身です(170cm)。

 最後に、シリアスなのを。途中一部ギャグを飛ばしております。
「どーしてこんなコトしたんだよ、ホントに〜〜」
「・・・わからなく、なったのだ・・」
「なにが?」
「我々とて『MS』として生まれた・・・ハズ! なのに、こんなちゃらんぽらんな毎日を送っていて良いのか・・・と。私はこんな毎日を送るために・・・ ――ってイタイイタイ!!」
「いーじゃんか、オレ毎日楽しかったよ!? みんなとバカやってんのも、おまえとケンカすんのも、なんだかんだ言って楽しかったよ!! オレはMSとして生まれたけど、今までこーやって生きてきたコトを疑問になんて思わないっ!!」
 『逆襲のシャア』編のこの部分は、本当に名シーンだと思います。

 ぷち情報ですが、7巻のカバー下にはアムロとシャアの人間版がいたりします。同じ場所のリアル版Tちゃん(170cm)はコワイ・・・

 とまあ、こんな感じの作品です。
 見つけるのは難しいですが、おもしろいですよー。興味のある方は、是非ー。
 それでは今日はこの辺で。



SDガンダムフルカラー劇場 1 (コミックボンボンデラックス)

SDガンダムフルカラー劇場 2 (コミックボンボンデラックス)
SDガンダムフルカラー劇場 (3) コミックボンボンデラックス
SDガンダムフルカラー劇場 4 (コミックボンボンデラックス)
SDガンダムフルカラー劇場 (5) コミックボンボンデラックス
SDガンダムフルカラー劇場(6) (ボンボン)
SDガンダムフルカラー劇場 7 (コミックボンボンデラックス)
SDガンダムフルカラー劇場 8 (コミックボンボンデラックス)
SDガンダムフルカラー劇場 9 (コミックボンボンデラックス)
SDガンダムフルカラー劇場 10 (コミックボンボンデラックス)



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