トップページ » 鉄腕バーディー DECODE + DECODE:02_まとめ感想2 / テレビアニメ

鉄腕バーディー DECODE + DECODE:02_まとめ感想2 / テレビアニメ

 一言結論:敵は『無責任』だ!

 先日の『責任』という点を意識したキャラクター解説の続き。今回は、敵(サブ)キャラクター編です。

 『責任』の取れるちゃんとした大人であるバーディーと、その予備軍として現在修行中のつとむ君。この二人の敵はその逆『無責任』であったと思います。
 しかもその『無責任』は一期と二期で異なるタイプが描かれているように見受けられました。
 シャマラン筆頭の一期の敵は「セキニン? 何ソレ、おいしいの?」って感じで。
 ナタル含む二期の敵は「原因は向こうなんだ、俺は悪くない」って感じではないかと。

 クライマックスのネタバレもあるので、念のため以後は続きから。





 まず一期。
 バーディーの当初からの目的は謎の兵器リュンカでした。
 クライマックスで噂に違わぬその力を見せてくれるのですが、当面の敵はリュンカそのものというより、その力を狙い暗躍するサタジット・シャマランとカペラ・ティティスの二名。
 彼ら二人は、地球人と宇宙人・大人と子ども・男と女・そして末路は死亡と生存、と対照的な存在でしたがこの『無責任』という部分については同じだったと思います。
 生き延びたカペラの物語はまだ未完ということで、ここではこの件で人生を完結させてしまったシャマランの方に比重を置いて語ろうと思います。

 先ほど述べたように物語の最終局面で存分にその力を発揮するリュンカ。
 ふるわれる破滅の力はリュンカを育てていたシャマランとカペラの想像を超えたものでした。
 その時の彼らはといえば。
 片や、リュンカ初動の際に被害者第一号となってあっさり死亡。
 もう片方も「こんなの聞いてないって!」といった感じの台詞とともに躊躇無く逃亡。
 ここまで散々余裕の態度で薄笑いなんぞ浮かべてたというのに一気に小物と化しました。
 あんまり唐突な転落に拍子抜けの感すら覚えたのですが、これは敵として『無責任』を貫き通した、ということなのでしょう。
 自分の行動の結果を受け入れる・その責任を負う以前に、向き合うことさえなかったわけです。
 それ故シャマランなど己が死の瞬間まで、悔恨どころか恐怖すら感じることはなかった。
 自分達の行動のせいで都心の街一つが(もちろん居合わせた人間ごと)壊滅したというのに、彼は死という形でその責任を取ることなく逃げたという。
 孤児を引き取ったりしてるのに(選民思想の現れですけど)、結果としてそれもほったらかし。
 もう無責任ここに極まれり、ですよ。
 おかげでそれとは一線を画す主人公たちがより格好よく見えるわけですが。
 連邦捜査官として自分を犠牲にするつもりだったバーディーや中杉さんを救うため身代わりとなったつとむ君、二人とも自分のすべきことの為に命を捨てる覚悟だった。
 死んで責任を取る、っていうのとは少し違って。行動の結果、発生するリスクは受け入れる、それが責任を負うってことなんだと思います。

 思い返せば、一期の敵は自分の行為の結果や責任(悪役の彼らの場合『罪』と言い換えてもいいでしょう)を考えない奴が多かったような。
 幾人も殺めても平気な顔のギーガー。
 理性を失って反省が生物的に不可能となったバチルス。
 地下鉄の殺人犯やオンディーヌら主人の命令に従うだけのロボット達。
 そして、殺戮こそ本分の兵器リュンカ。(小説によると彼女?も孤独を感じる程度の人間性らしきものが見られるのですが、それはまたの機会に)
 一期の敵に共通する『無責任』は、『行動の結果と同時に責任が発生することをわかっていない』タイプだと思います。
 バーディーやこういった敵たちに触れていった結果、つとむ君は『行動の結果には常に責任が伴う。そしてその責任は誰かが取らなくてはいけない』ということを学び、実践する姿勢を身につけたのだと思います。

 そして二期。
 リュンカが地球に持ち込まれるきっかけを作った事件の首謀者たちが地球へと逃亡。彼らを追うバーディーとつとむ君でしたが、逃亡犯たちが次々と殺されていきます。
 犯人はナタル、バーディーの幼馴染。バーディーに隠れ、リュンカによる殺戮の原因となった彼らに復讐を行っている。
 その一方でボランティアで治療活動を行い、患者に慕われる好青年。ということで単純な悪人とは言い難い、のですが・・・
 彼もやっぱり『無責任』だと思います。
 シャマランと違って、負うべき責任が存在することは分かってるんです。が、彼はそれをことごとく他人におっかぶせている。
 どうもこの行為、本人は無自覚のようです。
 事実を元に、自己をうまい具合に正当化していて。
 ただ、その『事実』は自分にとって都合のいい部分を選び取っている感が拭えないです。
 言うなれば、彼の『無責任』は、『自分の行動の責任を他者に押し付ける』タイプ。
 復讐にあたって「元々お前たち(逃亡犯)が始めたことだろう」
 逃亡犯たちの手助けをさせられた父親の「あの子(バーディー)に捕まるのなら悪くない」という言葉には「バーディーの方が辛いんだよ」
 バーディーについた父とは没交渉だという嘘がばれると「今の親父の姿を見せたくなかった」
 最後に挙げたバーディーとの場面、まっすぐと睨みつける彼女に対して、俯いて目を合わせないナタル。
 後ろめたかったのはもちろんだけど、己の責任から目をそらしていることの暗喩とも取れます。
 自分の意志に基づいてしたことなのに、行動の原因を他人に背負わせ、自分が罪を負うことを避けている。
 彼のしていることは確かに復讐。親友を六本木の件で失っているのが大きな動機なのですが、明らかに『Revenge』で、とても『Avenge』になっていないのですよ。

 それが顕著だったのが4話でのファロイド殺害。
 本人は、リュンカによって殺された人々はどうのこうのと言ってましたが、あれは父親を殺された憎悪によるものにしか見えないです。
 ナタルはファロイドに妹タセラがいることを知っていた。亡くした親友の妹・翔子ちゃんの面倒を見ていて、兄を失う妹の悲しみは知っているはずなのに。
 逃亡中なのに「この生活も気に入ってた」と漏らしていたタセラが、ファロイドの死を知って涙を流す。ここが分岐点なんでしょうか。
 次の5話で翔子ちゃんと何事もなく話していた様子を見ると、彼はもう一人では自分の過ちに気付けない・引き返せない感じですね。
 まあ、アリバイ工作?の為に父の葬儀の場で幼馴染に一服盛ってたし(決定的な描写は無かったけど、あの状況で急に居眠りとか無いだろう)。
 バーディーとの思い出の品を置いて身を隠そうとした時に、彼女とはもう精神的に決別してしまったのか。
 シャマランほど外道ではないんだし、亡きお父さんの為にも翔子ちゃんの為にも、何よりバーディーのためにも生き残って欲しい気持ちはあるけど・・・
 中杉さんの時みたいに、つとむ君の成長に期待するかなー。

 ここでバーディーじゃなくてつとむ君なのは、現在のつとむ君とナタルの精神状態に少し類似性が見られるから、ですね。(バーディーはもとより一生懸命になってくれるだろうし)
 二期の冒頭で六本木の廃墟に「自分がもっとちゃんとできてたらこんなことにならなかったのでは」と悩んでいたつとむ君でしたが、リュンカが地球に来た原因である逃亡犯たちの存在を知るやいなや「あいつらのせいで」と責任を即シフトです。
 前シリーズで『責任は誰かが取るものだ』ということはわかったのでしょうが、自分がそれを負う覚悟は(中杉さんとか)よっぽどのことがないと持てない様子。
 何も言わなかったバーディーも、普通の高校生だしその態度も仕方ないと判断したのかな。あるいは自分自身で気付いてほしかったのか。
 まあともかく、今のつとむ君はナタルと近い状態だということ。
 ここで彼が成長し、その証としてナタルを救う、という展開になればナタルも生き残れるかも。
 ただし、自分の罪を認められずに非業の死を遂げたナタルを目の当たりにして成長、という流れだとアウトですよね。
 となると、つとむ君には早い段階で成長してほしいところですが・・・それに繋がりそうなのは、バーディーの過去、くらいか。
 彼女の過去は今シリーズの鍵のようですし、中杉さんの退場した今となっては、他につとむ君ががんばる要素がどうにも不足している感じが。
 あと中杉さんが退場したのは、彼女を置いたままだと、リュンカ事件の責任を彼女にも問わなくてはならなくなってしまうからだと思います。

 まあ、最近出番が少ないですが、もう一人の主人公にがんばってナタルを救ってもらいましょう。
 彼とバーディーの二心同体をナタルは知らない、というのも後々機能してくるはず。
 ただ問題として残るのは、一期と全く同じ構図になってしまうこと。
 しかも今度は、救う対象が薄幸の美少女から、成人男性になるわけで。絵的に華が無い(笑)
 ちょっとロリ方面を開拓し、そこは翔子ちゃんに補ってもらうとか。有田しおんはクライマックスはバトルで忙しそうだしなー。
 タイトルになってる主人公無視してBL路線を開拓するよりはいいかと。・・・あれ、何の話だっけ?

 本題に戻して『責任』という観点はサブキャラたちにももちろん有効だと思います。
 銃を持った連中から何とか後輩の早宮を守ろうとした室戸先輩(一期)。彼は真田かをりと一緒にジャーナリストとして真実を伝えようとも努めてました(一期)。
 千年前の恩を忘れず報いようとするイルマ社長(二期)も含め、力は無くとも自分の『責任』を果たそうとしていた人たちです。
 逆に無関係の人間も巻き込むテロリストのヴァリック(二期)は「アルタ人を迫害する世界なんてなくなればいい」と、原因を他に押し付けて自己を正当化。
 父を殺したとしてナタルに詰め寄られたファロイド(二期)も「あれは自分じゃない」や「自分は(リュンカを)研究していただけだ」と発言する責任転嫁型。

 と、思いつく限り述べてみましたが、ずいぶん長くなったなー。
 まあ以後二期を見ていくのに、バーディーの過去を知ってつとむ君がどう成長するのか、っていうのは重要ですよね。
 何だか散々語ったことがこの一言でまとまってしまった気がする。
 ともかく、今後の展開に期待ってことで、締めたいと思います。



トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星