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鉄腕バーディー DECODE:02_第6話『A Prisoner of the Past』感想

一言結論:カペラってそんなに悪い奴じゃなかったのかな?

 おでこを出したバーディーとカペラがちょっと似ていると思ったことから、バーディーとカペラ、そしてバーディーとナタルの類似点・相違点について考えてみました。
 小学館のガガガ文庫から発売された一期のノベルス版についての言及も少しあります。

 

 今回から本格的にバーディーの過去に関するエピソードに入りましたね。
 小さいバーディーはかわいかったです。それにしても彼女、昔と今と性格あんまり変わってないなー。
 敵を前にして不敵に笑う姿には現在の彼女が垣間見えて印象的でした。
 それにしても、強い力を持って生まれた宿命により、他者との共存のためにはどうしても自制が必要だったバーディー。
 彼女が幼い頃よりしっかりと自分を律することを教え込まれていた様子に「これは責任感のある大人に育つはずだ」と納得しました。
 でも、先天的な事情、しかも人の手の介入によって将来を自分で決められないというのは重いわー。
 予告の幼いバーディーの言い方からすると連邦捜査官になることは彼女も望んでいたようなのですが、それは幸運もしくは教育の賜物ですよね。
 生じる責任を考えることなく自由に行動できる反面非力で、それでも可能性に満ちた未来を持っているのが「子ども」だとするのなら、この過去のバーディーは果たしてそう呼べるのだろうか。そんなことを思いました。

  話は変わってふと思ったことなのですが、幼いバーディーがおでこの見える状態だと、髪の色が近いこともあってカペラに似てるかな、と。
 ということで、今話メインではないはずのカペラ談義にいきます。

  カペラ・ティティス。
 今シリーズでは落ちぶれてしまって見る影もありませんが、一期では完全に敵役のポジションでした。
 謎の多い行動に不敵な笑み、それらのそぐわない幼い外見はミステリアスさをかもし出し、リュンカについても何やら情報をもっている様子もあいまって黒幕の風格すら感じたものでした(過去形)。
 彼女とシャマランの行動によって生じた被害を思えば、今作での不遇な扱いも当然とも言えます(まあ例外的に、中杉さんはカペラの介入により命を取りとめてますけど)。
 ただ、前話で「迎えにきました」と社長を助けにきてくれたたこと、そして今回バーディーの過去披露によって提示された情報を合わせて考えると彼女の罪は全てが彼女の責任とは言い切れないのではないかと思ったのです。

  生まれる前に調整を施された「イクシオラ」であるバーディーは自分の将来を自分で選べなかったのは前述の通り。
 おそらく、それはカペラも同じだったのでしょう。
 彼女に命令を出していた軍(公式サイトより)もイクシオラの数少ない就職先の一つのようですし。
 一連のリュンカへの介入の根底にあったのは私情というより「仕事」上の命令。(やり方には趣味が入ってたっぽいですけど)
 その「仕事」が彼女自身の選んだものではないとしたら、カペラに全ての責を負わせるのは酷というものでは。
 軍隊なんて警察以上に命令違反には厳しいだろうし、カペラがやらなかったところで誰か変わりの人間が同じことをしただけではないかと。
 もちろん、そのことで罪が帳消しになるとは言えない。彼女に責任があることは間違いないのですけどね。
 だとしても、バーディーと違って良き上司や友人に恵まれなかったという面においては同情の余地はあるのかも、と。
 なにせ、上は失敗したらあっさり切り捨ててくるし「トモダチ」は好き勝手やって即行いなくなるし。
 現在の彼女の不幸の原因は確かにこの辺にもあるわけです。
 まあ、あの状況で「トモダチになろうよ」とやりとりし、(利益になると判断したのでしょうが)実際にシャマランとトモダチになってしまうあたり人を見る目がないような気もしますけど。
 外見年齢やバーディーの親しげな態度からすると彼女はまだ子どもみたいだし、社交性に関しては未熟なのかな?

  で、ここまで「彼女」「彼女」と書いてきましたが、カペラって女の子でいいんですよね、今作ではスカート着用だし。
 ガガガ文庫のノベル版では「少年のような話し方」「この星の種ではない少年」と思いっきり男扱いでびっくりしたんですけど。
 この部分は中杉さんの一人称なので、彼女がカペラを少年と認識したということでしょうか。
 ちなみにこの小説のもう一人の一人称担当がバーディーなので、両者と直接的な接触がほぼ無いカペラの出番はわずかです。名前すら出てない。
 また、話はそれますが文字媒体での一人称バーディーはなんか大人っぽかった。
 怪力や大食いの情報も視覚的に入ってこなければあまり目立たないしこともあるんでしょうね。
ごめんね。でも、申し訳ないと思ってるのは本当なのよ。
という独白は、大人のおねえさんって感じでドキッとしましたよ。わたし女だってのに。
 でも、つとむ君へのファーストインプレッション(間違えて攻撃しちゃった時ですね)は「ヤべ! 違うじゃん」だし。
 自分も恋を知る日が来るのだろうか、と思った次の言葉が「もし来るなら、ドンと来い」だし。
 どこか子どもっぽいバーディーらしさはもちろん健在ですのでご安心を。

  と、話をカペラに戻しますが、彼女が因果応報として罰を受けつつも命までは捕られずにいるのです。
 これはナタルの生存の可能性も見えてきた?
 というわけで、今度はナタルについての話題に移ります。 

 バーディーの幼馴染ナタル。
 父ダスクとは血は繋がっていないらしいのですが、それでもちゃんと子どもの頃から親子として育ってきたみたいですね。
 彼は父親や同族のアルタ人のコミュニティで育ち、バーディーのように他種族の集まる学校へは通っていなかった。
 このことが、現在の彼にも影響を与えていると思います。
 バーディーは、メギウス警部や教官など他種族に良き理解者がいて。最初こそいざこざはあったけどだんだんとクラスメイトとも打ち解け、友人を作ることが出来た。
 一方のナタルは、他種族との接点は絡まれたり迫害を受ける時くらいのもので、親しげに近づいてきた(無論アルタ人の) ヴァリックはテロ組織の一員。その後、アルタ人迫害から逃れるために地球へと逃亡。
 人格形成の時期に、この差は大きいと思います。
 逃亡犯殺害時にナタルは「お前たちは、アルタ人に似ている地球人なら死んだっていいって思ったんだろう」という趣旨の発言をしていますが、根拠はないんですよ。
 そんなに外れてはいないかもしれないけど、でもその情報をナタルは得ていないはず。だったらそれは思い込みと言っていい。
 実際、地球をリュンカの実験場にしようとした者の判断は「未開文明の現地人がいくら死んでもかまわない」だったので、人種よりは文明レベルで切り捨てにかかっていたのではないかと。(それも人種差別問題を表沙汰にしないための建前である可能性もありますが)
 このことからナタルは「自分たちを攻撃してくる奴らは皆、アルタ人を見下しているんだ」という無意識の先入観を持っているのではないかと推測されます。
 そしてその先入観の原因が彼の幼少期にあるのなら。
 カペラと同じで彼も環境に恵まれなかった人間で、それ故に罪を犯した、そう言えるのではないかと。
 もちろん、カペラとナタルの罪の質は違います。
 前者は上の命令に従った(私情無し)ことで無差別大量殺人という結果に至った。
 後者は私怨に突き動かされての連続殺人で、犠牲者をなぶり殺している。
 どちらの罪が重いのかなんて判断できませんが、カペラが助かったのだから、ナタルの方も助かる可能性はあっていいんじゃないか、と。もちろん、贖罪は必須でしょうが。

  そんなわけで、カペラとナタルは、環境が違えばこうなっていたのかもしれない、というバーディーのもう一つの姿と言えるのではないかと思ったわけです。
 それでは、カペラに活躍の場が与えられることとナタルの生存を願いつつ今後も見て行こう、ってな感じで今回は締めたいと思います。



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