トップページ » ファイ・ブレイン 〜神のパズル _第3シリーズ 2話『君は何も知らない』感想 / テレビアニメシリーズ

ファイ・ブレイン 〜神のパズル _第3シリーズ 2話『君は何も知らない』感想 / テレビアニメシリーズ




 ネタバレありますので、以下は続きから。



じょじょに予想から考察に移行できると良いなーと思っております(笑)。がんばります。

 レイツェルの働きかけにより、パズルの存在に疑問を抱くジン。
 やはり3期は、仲間内の狭い世界から、もっと広い社会に出ていく(もしくは、うまくやっていけるよう折り合いを付ける)お話なのかなーと思いました。
 そのために今回描かれたのは、内部の人間の感覚と外部の人間の感覚の隔たりだったのではないかと思います。

 たとえば、『パズラー』という言葉。
 1期や2期で使われてきた『ギヴァー』や『ソルヴァー』というパズル世界(業界)の言葉があるのですが、外部の人間の集団である【マスターブレイン】は、その言葉を使わない。
 出題者も回答者の違いなんてどうでも良いのでしょう。双方を一緒くたに扱っています。内部の人間からすれば意味のある区切りも、外部の人間にとっては無いも同然。
 他にも、【ファイ・ブレインの子ども】たちに懸けられた賞金の額。
 パズルに精通したギャモンより、アナの方が金額が上。これも、外部の人間と内部の人間の感覚の違いを感じます。

 それになりより、『パズル』の扱い方。
 カイトたちにとってパズルは、しばしば心を通わせる媒介として使われています(1話でルークとノノハがぎこちなかったのも、この二人がパズルで交流ができず距離を縮めきれていないからではないかと)。
 それに対し、【マスターブレイン】があえてパズルで挑戦してくるのは『パズラーに屈辱を与えるため』。心を通わせるどころか、相手を傷つけるための手段(武器)として用いられている(2期のOOは能力測定の為にパズルを用いていましたが、それはトップのクロンダイクがパズル素人であった影響だと思われます)。

 これだけ見ると、「素人は、何もわかってない」と切り捨てたくなりますが・・・・でも、一方的に【マスターブレイン】=外部側の感覚が間違っているかと言うと、そうでもないと思います。
 「危険なパズル」に対する反応は、私には彼らの方に分があるように思えるんですよ。

 記憶を失ったジンに「パズルそのものが危険」と思わせたやり方については、再考を促したくなる部分ではありますが、でもこの世界の『パズル』が問題を抱えていることは確かだと思うのです。
 だって、別にパズルって、命懸けで挑まなくたって成立するものじゃないですか。・・・・なんていうか、今更ですけど(笑)。
 なら、危険要素は排除していかないと駄目なものだと思うんですね。

 【賢者のパズル】が生まれた頃(この世界ではピラミッドも【賢者のパズル】だそうなので、少なくともそれ以前)は危険であっても問題は無かった。だとしても、時代が変わって、現代社会ではアウトです。
 パズルを現代や未来にも残したいのであれば、そこは無くしていかないといけない。今はどうしても無くせないというのであれば、そのことを社会に認めてもらえるよう働きかけないといけない(見えにくいところでの存続を許してもらう等)。
 なのに、1期1話の時点では人を傷つけるパズルを酷く嫌っていたはずのカイトでさえ、すっかり命懸けのパズルに慣れてしまって、いちいち驚かなくなってきています。(【愚者のパズル】を無くすための行動もしているので、肯定しているわけではないのですが)。
 でも、外部から見れば、「パズルに命を懸ける」なんてことは、驚くべき異常なことに変わりはない。

 これ、カイトの方が、『パズルは危険でも許される』という特殊な世界の空気に染められてしまっているのではないかと思うんですよ(笑)。一般社会とカイトらとの間で、感覚が隔絶してしまった。
 この問題を解決しないことには、カイトたち【ファイ・ブレインの子ども】は社会に適応できない。『大人』になって、社会の中で生きていくことができない。
 その問題を解決していく話になるのではないかなーと。やはり現時点では、予想の域を出ませんが(笑)。

 ちなみに、カイトらの前の世代がどうやって社会と折り合いをつけて来たかと言うと。
 ピタゴラス伯爵および、かつてのPOG(学園長も含む)の場合は、危険な【賢者のパズル】や【愚者のパズル】は一般人の目に触れぬよう隠すという手段を取った。
 おそらくあちこちに根回しもして、「そんな危険なパズルは存在していない」と言える(そしてその言葉に説得力がある)状態を作っていたのではないかと。

 一方オルペウス・オーダーのクロンダイクの場合。
 彼は、社会的な成功者である『ルートヴィヒ・レーベンヘルツ』としての地位や名誉に傷をつけないため、危険なパズルを利用する際は偽名で通していました。「私はパズルと何の関係も無い。危険なパズルがあるかどうかなんて知らないし、たとえ有ったとしても私とは何の関係も無い」と言える状況にしていたのでしょう。
 当たり障りのない外面(そとづら)だけ人前に出すというのは、彼の姪っ子の得意技でもありましたっけ(笑)。

 やり方に違いはありますが、どちらも「都合の悪い部分を正すことなく隠す」という点では同じです。同じことが『大統領』の権力の前でもできるのか・・・というと少し厳しいかもしれません。
 まあ、アムギーネ共和国が超の付くレベルの弱小国であれば、世界に名だたるPOGの力でどうにかできるかもしれませんが(それもどうなんだろう)。

 さて、予想に則した話はこのくらいにして。
 小娘にあっさり丸め込まれて、予告ではえらいことになっていた(笑)ジンさんですが。
 彼の人生はパズルによって狂わされたと言っても過言では無いので、パズルを憎んでいたとしても不思議はないとも思います。
 この人、学園卒業と同時にパズルも卒業していれば、ごくごく普通に幸せになれていたのかもしれないと思うんです。・・・その時点での彼に対するピタゴラス伯爵の評価の程度にもよりますが。
 ジンの人生に及ぼされた影響は、パズル自体というよりは伯爵やPOGの責任なのですが、それらに引きずられてパズルの印象が悪くなってもおかしくはないかと(幼少カイトが両親の死によってパズルを嫌ったように・・・ただ、それを立ち直らせたのがジンなのですが)。

 それに、悪用された時に非常に危険なものであれば、ある程度の制限を設けるというのも一つの考え方として有りだと思うんですよ。免許制の自動車の運転や、年齢制限のあるアルコールやたばこみたいに。
 それも社会と折り合いを付ける方法だと思います。いきなりパズルをしかけて、再起不能にするのはやりすぎですが(笑)。

 そして次回。レイツェルが学園に乗り込んでくるようで。
 予告でテンションがおかしなことになっていたジンと、今回の件で苛立っていたギャモンが気がかりです。


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村


□第3シリーズ 25話『生きているのがムチャクチャ楽しい』感想(前編)
□第3シリーズ 24話『欠けていても』感想
□第3シリーズ 23話『ふたりで!』感想
□第3シリーズ 22話『だから、君が迷うな』感想
□第3シリーズ 21話『カイト、君の負けだ』感想
□第3シリーズ 20話『星100個のジンに乾杯』感想
□第3シリーズ 19話『見ててくれたから』感想
□第3シリーズ 18話『私、パズルが解けなくてもいい』
□第3シリーズ 17話『ファイ・ブレインとなれ』感想へ
□第3シリーズ 16話『旅が終わる』感想へ
□第3シリーズ 15話『おなかいっぱいの世界をつくりたいの』感想へ
□第3シリーズ 14話『あのころの僕たちなら』感想へ
□第3シリーズ 13話『こいつは底が浅すぎる』感想へ
□第3シリーズ 12話『などと言うと思ったか?』感想へ
□第3シリーズ 11話『今、誰かを思ってた』感想へ
□第3シリーズ 10話『本当の夢は何だ?』感想へ
□第3シリーズ 9話『行きましょう、あの場所へ』感想へ
□第3シリーズ 8話『永遠にさようなら』感想へ
□第3シリーズ 7話『あなたもお花いかが?』感想へ
□第3シリーズ 6話『レイレイはネコ友』感想へ
□第3シリーズ 5話『そんな気がする』感想へ
□第3シリーズ 4話『おいしいものを食べればだいたいのことは解決する』感想へ
□第3シリーズ 3話『それでも俺は信じる』感想へ
□第3シリーズ 2話『君は何も知らない』感想へ
□第3シリーズ 1話『レイツェル…』感想へ

■番外『もっともっと神のパズル スペシャル』感想へ

○第2シリーズ 25話『無限のパズルを解き放て!』感想へ
○第2シリーズ 24話『閉じた世界』感想へ
○第2シリーズ 23話『神の誤算』感想へ
○第2シリーズ 22話『盤上の支配者』感想へ
○第2シリーズ 21話『悲しき道化師』感想へ
○第2シリーズ 20話『愚者のパズル再び』感想へ
○第2シリーズ 19話『覚醒』感想へ
○第2シリーズ 18話『その男、ヘルベルトにつき』感想へ
○第2シリーズ 17話『ピノクルの覚悟』感想へ
○第2シリーズ 16話『憎しみの欠片(ピース)』感想へ
○第2シリーズ 15話『つぐない』感想へ
○第2シリーズ 14話『帰ってきた悪魔』感想へ
○第2シリーズ 13話『禁断の果実』感想へ
○第2シリーズ 12話『ミノタウロスの誘惑』感想へ
○第2シリーズ 11話『ノノハだって解きたい!』感想へ
○第2シリーズ 10話『パズルタイムが始まらない!』感想へ
○第2シリーズ 9話『笑顔の真実』感想へ
○第2シリーズ 8話『ほわわんをあげたい』感想へ
○第2シリーズ 7話『約束』感想へ
○第2シリーズ 6話『決闘はパズルの調べ』感想へ
○第2シリーズ 5話『迷えるガリレオ』感想へ
○第2シリーズ 4話『騎士たちの夜』感想へ
○第2シリーズ 3話『ぺろりんぽろりんのワナ』感想へ
○第2シリーズ 2話『心の闇』感想へ
○第2シリーズ 1話『オルペウス・オーダー』感想へ

●第1シリーズ 25話『パズルタイムの始まりだ!』感想へ
●第1シリーズ 24話『永遠の存在』感想へ
●第1シリーズ 23話『残された選択肢』感想へ
●第1シリーズ 22話『志を継ぐもの』感想へ
●第1シリーズ 21話『光る涙』感想へ
●第1シリーズ 20話『加速する挑戦者』感想へ
●第1シリーズ 19話『裏切りの証明』感想へ
●第1シリーズ 18話『光への反逆』感想へ
●第1シリーズ 17話『真実』感想へ
●第1シリーズ 16話『断罪の迷宮(ラビリンス)』感想へ
●第1シリーズ 15話『蒼(あお)い太陽、緋(あか)い月』感想へ
●第1シリーズ 14話『友情の資格』感想へ
●第1シリーズ 13話『決別の塔』感想へ
●第1シリーズ 12話『再会のパズルタイム』感想へ
●第1シリーズ 11話『女王様の逆襲』感想へ
●第1シリーズ 10話『女王の国へようこそ』感想へ
●第1シリーズ 9話『落ちたリンゴと道の続き』感想へ
●第1シリーズ 8話『カニ!温泉!パズル王!』感想へ
●第1シリーズ 7話『ノノハの称号』感想へ
●第1シリーズ 6話『光への復活』感想へ
●第1シリーズ 5話『悪夢からの招待状』感想へ
●第1シリーズ 4話『密室の少女』感想へ
●第1シリーズ 3話『天才少年の憂鬱』感想へ
●第1シリーズ 2話『賢者の報酬』感想へ
●第1シリーズ 1話『迷宮にひそむ契約』感想へ


ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.1 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.1 【通常版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.1 [DVD]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.2 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.2 【通常版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.2 [DVD]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.3 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.3 【通常版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.3 [DVD]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.4 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.4 【通常版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.4 [DVD]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.5 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.5 【通常版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.5 [DVD]
ファイ・ブレイン ~神のパズル Vol.6 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.6 【通常版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.6 [DVD]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.7 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.7 【通常版】 [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル Vol.7 [DVD]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル オルペウス・オーダー編 ブルーレイBOX I [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル オルペウス・オーダー編 DVD BOX I
ファイ・ブレイン 〜神のパズル オルペウス・オーダー編 ブルーレイBOX II [Blu-ray]
ファイ・ブレイン 〜神のパズル オルペウス・オーダー編 DVD-BOX II
ファイ・ブレイン 公式スターターBOOK
ファイ・ブレイン 神のパズル ビジュアルファンブック
ファイ・ブレイン〜神のパズル (1) (カドカワコミックスAエース)
ファイ・ブレイン〜神のパズル (2) (カドカワコミックス・エース)

トラックバックURL
トラックバック
1. ファイ・ブレイン3〜神のパズル 第2話「君は何も知らない」感想!  [ くろくろDictionary ]   2013年10月21日 23:24
ファイ・ブレイン3〜神のパズル 第2話「君は何も知らない」 すべてのパズラーを殲滅する。 真方ジンとの盟約に従い…
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星