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STAR DRIVER 輝きのタクト_第4話『ワコの歌声』感想 / テレビアニメ

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一言結論:閉じ込められて、拓ける世界

 ネタバレありますので、以下は続きから。



 タクトの味方であるはずの演劇部でさえ、ひとつにまとまりきれていない現状が見えた回。そしてタクトとワコの絆が深まり、タクトが綺羅星との戦いを決意した回、でしょうか。
 ワコの心情については少し明かされましたが、タクトについてはほとんど謎のまま。胸の傷がつく前は閉じてたらしい、ということがわかったくらい。
 でもその出来事、先週の写真より前なのか後なのか・・・それも不明。成程、美少年たるもの、少々ミステリアスなくらいでないということか・・・(言ってません)

 今回の事件の立役者のタイガー嬢(イヴローニュさんは黒幕ポジションかな、と)。
 正直、シンドウ家メイドその1、その2程度の脇キャラと侮っていましたよ。でも一気にキャラが確立した感じ。
 正直、顔と名前が一致せず、中盤くらいまで「どっちがジャガー? タイガーはこっちの子だっけ?」みたいなことになると思っていましたが、これでもう忘れません(笑)。
 ショートがタイガー、ロングがジャガー。そして恋する乙女がタイガー、BL好きがジャガー(あんまりです)。
 しかし皆が思ったことでしょうが、お二方ともすごい名前ですね・・・・(笑)。

 そんな濃い面子が集まった演劇部室。隣に座った婚約者で妄想できるワコ様は大物なのか失礼なのか。当の二人のリアクションが見たかったです(笑)。
 今回の願望を読み取った幻覚が、こっち路線じゃなくて良かった・・・(笑)。トーテムポールが在ったってことはワコの願望だし、瀬戸際でしたよ!
 手が滑ってジャガーさんの願望なんかやっちゃったら、完璧アウト。その惨状をヘッドとイヴローニュさんがどうするかも気になりますが(笑)。

 あと、てんとう虫を追いかける副部長がちょっと気になったり。
 きつね色と呼んで良いだろう毛の色は、ワコの髪の色に近い。その副部長が、てんとう虫を追って窓に張りつく。その様は、まるで外に出たがっているかのよう。
 赤いてんとう虫は、赤毛のタクトを暗示しているのか。それとも、『ホシ』(てんとう虫の斑点。『ナナホシテントウ』とか)つながりで、綺羅星十字団か。
 ワコちゃんは、やっぱり外の世界に出たいのではないかなー、と。
 掟を破ってまで貫こうとは思わない。けれど、もしも初めからそんな決まりなんてなかったら――あるいはその決まりが無くなってしまえば、ワコは島の外へ行きたがるのでないですかね? 「それでも、この島に残る」とは言わない気がします。

 まあそれはともかく、現時点でのワコは、良かれと思って――そうした方が被害が出ないと判断して掟を守っている。
 でも、彼女が掟に従うことで、被害を受ける人も実は存在する。それが、スガタ坊っちゃまに想いを寄せるタイガーさん。
 一人で抱え込んでいたせいか、彼女の記憶はだいぶ主観が入っている感じです。
 大人一人がかけるサイズのソファに子ども二人で座って。身体はそこまで密着しているわけではないのに、大きく伸びたシルエットは二人がくっついて一つに見える。
 そして、周り(背景)には何もない。世界には二人だけ。 うわー(何)。
 恋する乙女だものね、妄想は自由ですよね!(笑)

 一方、檻暮らしの割に『おさかんな少年少女』の気持ちに通じているらしきサカナちゃん。
 何だか彼女、どんどんアクティブになってきてません? ヘッドよりよっぽど生き生きしているように見えるんですが。
 仕事終わって帰宅して「今日は疲れてるんだ勘弁してくれ」な亭主と、「お話したくて待ってたんだから聞いてってば」な新妻主婦に見えました(笑)。

 にしても、鎖を自在に操ってますねこの子・・・今回は歌のシーンをワコに取られたのでここで挽回?(笑)
 彼女の、自分から鎖(しかも、どこにも結わえられていない)に絡めとられるかのような仕草が印象的でした。人間、時にはあんな風に勝手に囚われ人になってしまうことも有る気がします。
 どうしようもないくらいがんじがらめになっているつもりで・・・でも本当は一人で絡まっているだけ。自分を縛り付けていると思っていた鎖だけど、その端はどこにも繋がれてはいなかった。それに気付かずもがいていただけ、なんて。
 ワコを縛る巫女の掟も、実はその類だったりするのかも?
 だってほら、ワコのおばあちゃん、朝はパン派みたいですし(ワコがパン屋で、おばあちゃん来てません?って言ってたので)。
 伝統有る島の巫女の家系だし、朝はご飯に味噌汁!でもおかしくないじゃないですか(超主観)。そのこだわらなさが掟にも適用されたりは・・・・流石にしませんかそうですか。

 というか、ゼロ時間の食べ物とか飲み物って人体に悪影響は無いのでしょうか? サカナちゃんの、イカを食べることは禁忌(お話内の設定ですけど・・・)とかイザナギとイザナミの神話とか思い出すと不吉に思えてならないんですが。
 でもパンの味が同じってことは、味覚も記憶から再現したのかなー?

 誰もいない街並み。でもそのあちこちに、綺羅星十字団の差し金であることを匂わせるものがあって、探すのが面白かったです。
 店名の中の『十字』の文字(地名でもあるのですが)。旗がかけられているポールも十字の形、それから十字路。
 少し先の場面になりますが、タクトとワコが雨宿りしたライフセーバーの施設看板には赤の十字マーク。
 そして、トーテムポール。これ、鳥が両翼を広げて十字型になっているんですが、出てきたシーンでは正面から映さず十字に見えない(推測はできますが)。後にヘッドが「君の幸せを邪魔する者たちがいるよ?」とタイガーさんに囁くと、十字とはっきりわかるアングルで描かれて。

 そういえば、サイバディも十字型(+手足)って感じのデザインでしたね。ボディの赤く発光する球体が隠れていって、そうして目の部分が見えるようになる。
 タイガーさんの秘めた願望がまた心の奥底へと仕舞われ、彼女はそれから目を覚ます。そんな状況を表していたのかなぁ・・・

 さて、そろそろ主人公とヒロインに触れますかね。遅いですが。
 幻覚の世界に閉じ込められた二人ですが、かえってそれが親しくなるきっかけになったようで。
 今回は、『閉ざす』ことも完全な悪では無い、という話だったと思います。今までは敵側の綺羅星の連中が閉ざしまくってたので、閉ざす⇒×、みたいなイメージが構築されていたのですが。
 でも今回は、ワコは『閉じてた』タクトのことを「それがあったから今がある」と言い、タクトも「思い出を話したりするために、たまにはこんなのも良い」と言う。

 なんとなくですが、閉ざされた状況って、自分自身と向き合うのに適しているのではないかと思いました。思い出とか記憶は、過去の自分(の足跡)ですし。
 閉ざされる、つまり外部と断たれることで、自分の内面を鑑みる余裕が生まれてくる。そういうことってあると思うんですよ。
 『閉ざす』ってことは『止まる』ってことではないわけで。外部を警戒しなくて済む分、内側に意識を集中できるようになる。日頃は皆、『外』ばかりを見ていて、だからたまには閉ざされた状況で『内』をじっくり見つめるのも大事なんじゃないか。そんなことを思いました。

 でまあ、そんな一般論は置いておいて、タクトとワコ。
 ワコ狙い?と聞かれて(意味有りげに)無言になるタクトが、名前で呼ぶようになったのは明らかな前進かな。・・・あんだけしっかり手を握っておいて、コクピットに二人で乗るんじゃないのかよ!とは思いましたが(笑)。
 バス停で話すシーンが、綺麗で好きです。二人が背中合わせだから、背景がそれぞれ違うんですよ。ワコちゃんは海の青、タクトは木々の緑。
 でも二人が話していくうち、木の上の空間に空が入って緑に青が加わる。他方、海の方に迫り出した森が映って青に緑が加わる。
 言葉を交わすごとに、相手の色が自分の色に入ってくる。素敵だなぁ、と思いました。
 それから、ライフセーバーのステーションから出てきたシーン、樹が二本立っていて、その間を虹が繋いでいるところも好きです。二人の間に橋がかかった、みたいに見える場面です。

 そして、イヴローニュさん。どうにも狙いが読めない人だなぁ、と。人妻さんとは別の意味で(笑)よくわからない。
 ヘッドに「作戦成功」と評されても表情を変えず、保健室で目覚めたタイガーさんが「あれ、そうだっけ?」と何も覚えていない反応をしたらうっすらと笑った(ように見えた)。
 この人、他人を無理矢理戦わせるのは嫌いっぽい。そういえば、キスで部下を持ち上げた寮長さんを嫌がってましたっけ。
 まあ、タイガーさんに戦闘をけしかけなかったのは、万が一にも彼女がタウバーンに勝っちゃうと綺羅星のリーダーがタイガーさんになってしまうからかもしれない・・・(余談ですが、このネタ面白いのでssを書き始めてしまいました)

 それから彼女、部下はいないんですかねー? 寮長さんも人妻さんも学校でも部下とつるんでるのに、彼女は常に単独。
 作戦中も話し相手はヘッドしかいないお陰か、「綺羅星!」(←挨拶)が無かったですな。これ、もしやっちゃってたらクールな委員長のイメージが・・・まああの格好の時点で既に崩壊済の気もしますが(笑)。
 一匹狼の幹部が一人くらいいても良いとは思いますけど・・・でもそうなるとイヴローニュさんはひと一人抱えてかなりの距離を移動している気が・・・・。化学部室⇒アジト(廃鉱)⇒保健室、ですよ? か、隠れマッチョ・・・? いや、隊の代表だから隊員はいるはずなのか。

 最後にタクトとスガタくん。
 「歌を聴いたら惚れるよ?」と言った翌日に、婚約者が呼び捨てにされてました。歌も聴かされてました。男の方は何か決意を固めてました。
 ・・・・・・・坊ちゃま、ここは問いただして良いところです(笑)。
 二人の間に窓のフレームがあって、分かたれたように見えるのが怖い・・・スガタくんは今のところ何も悪く無いだけに、対立したら嫌だなぁ。

 あと、ガラス越しのキスは『無し』派のタクトはガラス越しの覗きもしない・・・とか思ってて怖い考えに至ってしまったんですが。
 ガラス越しのキスや回し飲みを「有りな人?」と尋ねる場面があって、そうなると、1話のスガタくんの「ツナシ・タクトくん、君は有り得ない」という台詞も深読みできるのかも、なんて。
 船に遅れたからと海を泳いで渡るタクトは、スガタ的には『無し』なのかも。・・・まああの時の彼は笑ってましたけど(笑)。いつも笑顔の人は、その裏に何かがある予感が・・・

 まあ、そんなところで今回の感想は終わりです。よし、次回までに間に合った!
 次回こそは早めに書きたい・・・毎度言ってますが(笑)。
 それではー。






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