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閃光のナイトレイド_第8話『凍土の国で』感想 / テレビアニメ

  

一言結論:男たちは対立し、女たちは孤独の中。まだ、協力しあえない

 ネタバレありますので、以下は続きから。



 輝く星々が浮かぶ空が、爆煙に覆われて見えなくなる。満州事変によって暗い時代になっていくことを演出した冒頭の場面。
 それに続いて、満州国の旗。風を受けてはためくことなく、まるで項垂れているようなその様は、かの国の明るくない未来を暗示するように見えます。

 とまあ堅苦しい考察はさっさと終えるとしましょう。今回はお祭ですもの。公式認定のサービス回ですもの(笑)。
 ナース服にお風呂(満州だというのに日本式)にラムネ。pixivでは今まで葵と葛の天国だったのに、急にお嬢様の絵が増えたような・・・いや、いいんですよ。正直きなのは良いことです(何様)。
 ただ、それらのシーンには視聴者サービス以外にも意図があったような・・・。具体的には、桜井機関の紅一点、雪菜の孤独を演出するために配置してあったのだと思います。

 男性陣が一堂に介した(壱師までいる)男湯と違って、女湯には雪菜独りしかいない。
 自説を述べ合う彼らの言葉には「他人事のように言ってくれるね」など皮肉もあるけれど、それも本音の発露には違いない。まさに「裸の付き合い」。 けれど独りだけの女湯では、裸にはなれても付き合う相手がいないのですよ。雪菜はため息を漏らすことさえなく沈黙するのみ。
 混浴じゃなかったのが実に悔やまれますね!(笑) それならもっとお嬢様も映ったはずですよ、ねえ?(聞くな)
 雪菜の肌の露出が少なかったのも、彼女が本心――兄を追おうとした細かな心情――を見せていないことと重ねた演出だったのかもしれませんね・・・ちっ(何)。

 電車内のシーンでも、彼女はやはり孤独です。ラムネの開け方を独り知らず、盛大にひっかぶって男二人に笑われてしまう。
 その後の「女を馬鹿にしている」って台詞は単に拗ねてるだけなのでしょうね。ずいぶん楽しそうな男湯の様子に、ちょっと八つ当たりを(笑)。
 葵に悪意が無いのは明らか、心の読める彼女らしからぬ誤りです。ただ、それだけ雪菜は追い詰められていたのでしょう。
 上司の桜井は、棗には触れず自分一人を切り捨てようとして。仲間の葵まで帰ることをやんわり勧めてくる(無論、心配して言っているのですが)。前の茶館の件でのけ者にされたのも尾をひいているんだろうなぁ。

 雪菜がこんなにも頑なになってしまった理由の一つは、彼女が想いを誰にも打ち明けず、独りで抱え込んでしまったからなのだと思います。
 兄への感情は、家族というとりわけプライベートな問題であり上司や仲間に相談することができず、実家からの付き合いの棗は悲しいかな無口。
 黙って主を守り、忠義を尽くす彼は従者として立派なのですが・・・自分の意見を言ったり相談にのってくれたりはしなさそう。ラムネの時さえ、言い出すのが遅れてお嬢様びしょ濡れですから(笑)。

 人間は、独りきりで考えていると自然と視野が狭くなってしまう。「自分は兄を誘い出す駒でしかない」というのも頑迷になった雪菜が思い込んでいるだけかもしれない。
 確かに桜井のオッサンは食えない狸ですけど(笑)、雪菜に紅茶をプレゼントしたりしている。女性には優しい紳士の可能性だって一応残されているわけで。
 逆に本気で非情なら、兄のことを餌にして雪菜をスパイとして今後も手元に置いておく方が得なはず。

 葵と葛を「異なる視点があることが良い」と言っていたのに、今の彼女は皮肉にもその逆の状態に陥っている。
 「語り合っても埒は開かん」という台詞も今回出てきましたが、でも様々な可能性が見えるとか互いの考え方がわかるという面では意味の有ること。
 所謂「ほうれんそう」(=報告・連絡・相談)の大切さはあちこちで聞きますが、自分も仕事をするようになって実感したクチです(笑)。

 意見交換の不備を否定的に描いた場面は他にもありました。それが、開放された調査団の動向。
 5人をバラバラにしておいて「あなただけにお見せします」と爆弾の威力を見せた高千穂勲。国に帰った5人が実際にどうしたのかは描かれませんでしたが、彼の「国連にも伝わらない」という読みは当たるのではないでしょうか。
 リットン伯爵を含めた調査団の面々は、自国の利益を優先して情報を秘匿。それは、テロリストの思う壺。
 ・・・まあ、政治家の場合は国民の利益を守るのは義務ですから、そこを責めるのは酷かもしれません。でも、世界全体のことを思えば各国で協力すべきでは。

 風呂で開放されるどころか煮詰まってしまったお嬢様、今回の彼女はそんな鬱屈モードだったのですが、最後に積極的に行動を起こしました。それが『預言者』に葵の言葉を届けること。
 会いたい人に会えない葵に、兄に会えず辛い自分を重ねた、という側面もあるのでしょうが・・・それだけではなく、女同士のコミュニケーションと一種と見ることもできるのではと思うのです。
 茶館の一件で『預言者』さんは雪菜に会合の場所を教えてくれた。今回は、そのお返し(本人にその自覚はなさそうですが、形の上では)なのでは、と。
 女同士は意外と仲良くできるのかもしれませんねー。

 今回の『預言者』さんは、雪菜と同じくとても孤独な状況に置かれています。
 周りを固めるのは警備の兵士のみ。幅の厚い列車の木枠から顔を出す彼女は、さながら囚人。
 どうも『預言者』に『予言』を預ける存在は神仙の類らしく、人間から言葉を預かるわけではない様子。
 そうなると彼女には、真に心を許せる相手はいないのかもしれません。葵は、果たしてそうなり得るのしょうか?

 今回は徹底して女性を孤独に描いていたと思います。
 桜井のオッサンが口にした、卑弥呼。
 彼女も孤独な女性です。王という孤高の立場に置かれ、夫を持つことが無かったため家庭的にも独りだった。
 超常の能力を持った孤独な女性、というのは現在の『預言者』や雪菜にも重なるように思います。

 卑弥呼の時代から・・・と語っていた桜井のオッサンが、警備に葵を行かせなかったのは・・・やはり『預言者』さんは『しずね』さんなのでしょうか。
 「葛が行け」と指示する彼の顔は、カメラ位置によって全く見えず。さて、どんな顔をしていたのでしょうな。
 まあ『預言者』さんのあの反応は、急に知らない人の声がして驚いた、とも取れますし(名ばかりでなくちゃんと超能力者であることは確定ですね)、本人でも壱師が記憶を消している可能性も有りますが。

 ともかく、彼女を追って列車に飛び乗った葵。予告で兄と対面する雪菜。予告ナレーションは、両方のことを言っていたのでしょう。
 機関参加の動機が不明瞭だった彼らは、この再会で自分のなすべきことを見出すのかな? 流石にそろそろ協力体制が取れるようになっておかないと、ラストバトルが不味いです。

 今回連携不全の葵と葛は、次回ではガチバトル。お嬢様は沈んでいるところに、若との体面。
 ピンチではあるのですが、乗り越えてくれるのだと思います。
 確かに、意見が違うから別の道を行こう、というのも答えとしては間違ってはいない。
 けれど、この作品では既に、「一つのチームに、異なる視点があって良い」という言葉が出ている。きっとそこが4人のゴールだと思うのです。
 現在のチーム解散の危機を乗り越えて、最終回には4人の合体サイキック技(どんなだ)を見せてくれるのではないかと期待しております。

 というところで、今回の感想はこれまでです。
 間に合った・・・9話の1分前。
 では、サクサク終わる・・・・その前に。あの時代では、ドジっ子のことを『うかつ』と呼ぶんですね・・・覚えておこう(何のために)。
 あと、お嬢様とお付合いする男性はすんごく大変だと思いました(笑)。能力持ちだと近くにいるだけで伝わってしまうし、そうでなくとも触れられれば『読まれる』。浮気を許すタイプには見えませんし。「女を馬鹿にしないで!」って怒られそう(笑)。
 はい、今度こそ終わりです。それではー。




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