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DARKER THAN BLACK -流星の双子- _第4話『方舟は湖水に揺蕩う・・・』感想 / テレビアニメ

 

一言結論:変わりゆく彼女たち

 ネタバレ有りなので、以下は続きから。

(11/5 追記)
 内容がちょっとごちゃごちゃしてたので、その辺を次回以降に回すことにして少し削りました。
 うーん、こういうのも追記・・・でいいのだろうか。


 前回、スオウが流星核によってライフルを手にした契約者へと変化。
 若い娘に負けてられない、とばかりに今回は未咲さんが大人の変身を見せてくれました(違)。
 辞表によって新しい名刺を得た彼女は、人呼んで『一ノ瀬 弥生』!
 ・・・えらく地味ですが・・・これが大人のリアリティということでひとつ。
 アンバーさんことフェブラリーとエイプリルさんとに挟まれたともとれる偽名なのは偶然なのかなー。うーむ・・・黒にとっては立ち位置が両者の中間、くらいしか可能性が思いつかない・・・

 ともかく今回のお話では、過酷な環境に立ち向かう女性陣の姿が印象的でした。
 二年前。
 あの日、青かった彼女の今。
 あの日、幼かった少女の今。
 そして、あの日、生まれた存在の今。
 そんなことを考えてみました。

 まずは、二年前の時点で既に大人だった未咲さん。部下や友人がいなくても、ガンガン動ける辺り逞しいですねー。己の意思で身の振り方を決め、目的のためには自分で考えて行動できてらっしゃる。
 更に、周りの人間が気に入らなくてもグッと堪えるところや、非合法な情報屋の力も借りるところ等、彼女の行動には『大人』的な要素があちこちに散りばめられていたような。
 個人的には最後の、無駄足の可能性も把握しつつそれでも当たってみるあたりが、大人だなーと感じましたね。
 不要なものはすっぱり切り捨てるのもそうですが、「そんなムダかもしれないことすんのヤだ」みたいな姿勢をとらないのも立派に『大人』の姿なんじゃないかなーと。

 そんな風に一人でも頑張れる未咲さんと比べると、二年前『子ども』だったやっぱりスオウは今も幼さを残している気がします。「もう女」だとしても(笑)。
 シオンに会うという目的はあっても、そこに至る道筋を一人では構築できないし、力も足りない。契約者になったといっても、それで好き勝手できるほど世の中甘くなくて。
 でも彼女には、厳しいけどちゃんと守ってくれる黒先生や、手助けしてくれる猫ペーチャやジュライくんがいる。
 色んな人に支えられている、それは『大人』だって同じですが、それの有り難さをわかってないから感謝の気持ちもあまり無い。スオウはその辺が幼いと言うこともできそうです。
 とはいえ印象としては、彼女は自分のことでいっぱいいっぱいになって当然の状況なので無理も無いというか・・・むしろこれくらいが当然なのでしょうが。

 スオウの状況――普通の子が突然戦いに巻き込まれ・・・っていうのは『子ども』の成長物語では結構王道だと思います。
 すると現在の、師匠の下で修行、というのもまた王道の展開ですね(まあ、どっちかというと少年もののノリですが、恋愛イベントも同時進行なあたりは女の子っぽいかな?)。
 彼女はいわゆる『守破離』の『守』の段階。素直に指示に従うのが近道で、故に「上体の動きだけで避けろ」と言いつつ足払いでひっくり返されても反論不可という。
 臨機応変はもっともですけど・・・そりゃ嫌われますよ先生(笑)。

 それからスオウは力を使うとき常にあそこまで機械的になるわけではないことがわかりました。
 写真を撮らなくなった彼女だけれど、生き物を殺すことには抵抗がある。尚更、躊躇わず引き金が引けるかどうかが重要になってきた感じです。
 でも、撃つとしたら誰になるのでしょうか。黒か銀か、それとも別の誰かなのか・・・。個人的には、誰も撃ってほしくは無いのですがね。

 あと、少し気になったのはスオウがあまりに認識されていないこと。友人らとエイプリルさんしか彼女をちゃんと把握してなかったような。
 黒と同じく三号機関もスオウをシオンと勘違い。ターニャの、実はお前がシオンじゃないのか、という疑問が彼女の私見ではない可能性も?
 スオウ→非契約者、シオン→契約者、って情報のせいで誤認してるのかもしれないですが。
 それにしたってスオウの死体は出てないのに、そのへんは誰も触れないのですよねー。ただの子どもに興味は無いといえば、その通りなのだろうけど。
 少々推測を交えて考えをまとめますと。
 隠れ住んでいたシオンは二年前に死んだことになっていて。けれどシオンは生存、そのせいで「なら死んだのはスオウの方だったんだ」と思われたのかなぁ。
 それとも単に、立ち位置がはっきりしていない今のスオウの暗喩なのか。

 なんで真面目にこの件について考えてるかと言えば・・・組織連中の考えが半分正解だったりしようものなら、スオウがドールだったりする可能性もあるのかなーと怖い想像をしてしまったので。
 前期冒頭の話でドールに仮の人格を持たせられることは描かれているし、パパ博士の研究があれば技術的には可能なような気もするし。契約者になったのは流星核の力ってことで説明がつくのかもしれない。
 ただ、そんなことをするメリットがイマイチ薄いので、これはあくまで妄想の域の仮説でしかないのですが。

 話を戻して、二年前のあの日、『大人』だった未咲さんと『子ども』だったスオウの成長があって。で、最後に、あの日生まれた『赤ちゃん』(女性陣と言えるかどうかは微妙なのですが)の今についてちょっと触れてみます。
 キャラではないですが・・・契約者と人間がともに生きる『世界』は例えて言うなら『赤ちゃん』で。その誕生に一役かった黒さんは、その親にあたるのかな、と。
 人間の子どもが生まれて二年もすれば自身の意思で動き回るように、『世界』も勝手に動き出して。親といえど、それを完全に押さえ込むことはできない。
 親が希望を託して生まれた子であっても「子どもは親の思い通りには育たない」という通説は見事に有効だったりするという(笑)。

 でも、失敗をしない人間なんていない。スオウや未咲さんのように、『世界』も日々成長しているのではないかと思いたいです。
 黒ひとりの力では、かつて銀を救えなかった。今度は仲間が傍にいることで黒は彼女を救えるかもしれない。
 けれど『世界』に変化が無ければ、再び銀――或いは別の誰かが居場所を失うことになるのではないでしょうか。方舟に乗れないオカマさんとか(笑)。
 逆に『世界』が成長していくことで、契約者だからと殺人を強制されるような状況を改善できるのではないかなーと。
 それは時間がかかることかもしれないですけど、そうなるといいですよね。そんな『世界』になれば、銀も黒も皆救われる。
 理想論かもしれませんが、それでもそう願いたいところ。
 この辺、作品全体のテーマについてじょじょに自分の中で考えがまとまって来たのですが・・・もう次回も近いので今回は触れないことにします。

 以下は余談。
 オカマさんに100%の作り笑顔で接する黒さんをひどく冷めた眼差しで見つめる年少コンビがおかしかったです(笑)。いや、他意がないのはわかっているのですが。その後の黒さんの「笑え」が照れ隠しだったら面白いなーと(笑)。
 あとオカマさんって、スオウに渡したあれって、持ってるものなんですねー(笑)。
 それから、三号機関が想像以上に優秀で驚きました。地元のロシア軍やあのCIAの上を行く日本組織っていうのはあまり見ない気がするので。
 日本の学生が主人公だったりするとたまに有る?(笑)

 今回はそんな感じ。
 次回、未咲さんが黒たちに接触?ということで楽しみです。
 それではー。



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